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風の吹くまま 気の向くまま

風の吹くまま 気の向くまま

島田荘司

『犬坊里美の冒険』

『最後のディナー』

『帝都衛星軌道』


『摩天楼の怪人』

 『魔神の遊戯』

『上高地の切り裂きジャック』

『エデンの命題』

『ロシア幽霊軍艦事件』

 私にとってはなつかしい、石岡くんの記述だ~。
 1919年、芦ノ湖にロシアの軍艦が現れ、大勢のロシア人たちが下船した。湖に外国の軍艦。どうやって現れたのか。本当に幽霊なのか。
 そして世界をさわがせた皇女アナスタシア事件。
 この二つをつなぐものは。そして歴史の影に隠れてしまった真実とは。

 さすがに島田荘司、軍艦なんてどでかいものを出してきたなあ、どうやって説明するんだろう、と思っていたら、すごい事実があったものです。なるほど。

 アナスタシアの事件。私もこれは知っていましたが、脳科学でアプローチするというのは大変ユニークだと思いました。
 ぜひ作者の言うとおり、調べてほしいものです。

 さて少し長めのエピローグ、ところどころ涙しながら読みました。島田さんは、人物をとてもひどい目に遭わせますが、どこかで救いをもたらしてくれている。いつも読むとあたたかさを感じます。
 革命でものすごくひどいことが行われたということ、なんでそんなひどいことができるんだろうと思うけれど、今の北朝鮮の収容所の実態とか知ると、あっても不思議じゃないんだと思えます。場合によっては社会は人を狂わせてしまう・・・。

 余談ですがアナスタシアのことでもう一言。このことを知ったのは、中学の修学旅行。宝塚に行き、そこで見たのが『彷徨のレクイエム』(麻美れい主演)だったのです。
 この話ではハッピーエンドだったと記憶していますが、実際のアナスタシア事件のほうは、そうではなかったようですね。今回そのいきさつを初めて知りました。ロマノフの謎は永遠に・・・。(2004.3.4)


『龍臥亭幻想』

 なつかしい(?)龍臥亭へ、石岡くんが戻ってまいりましたが・・・さて『龍臥亭事件』てどんな事件だったっけ?と一生懸命思い出そうとしたのですが、やはり思い出せなかったのでした。読んだはずなのに!
 でも読んでいなくても楽しめます。

 方言でみなさんしゃべっておられるので、上巻は何だかほのぼのとした雰囲気が漂っていて、(森孝伝説はかなり陰惨ではありましたが)いつもの様子じゃないゾ~と思っていたのですが、次々に不思議なことがあって、ずっと読み続けてしまいました。

 死体が消えた謎・・・あれこそ盲点。確かにわからないです。今までに私が知っているミステリには出てこなかったと思います。

 作中に過去とか創作の話が挿入されるのは、島田さんがよくやる手なので、何かあるのかな~なんて勘ぐりながら読むのもまた楽しいですね。

 今回は吉敷さんと御手洗さんが競演?なのかな?それぞれ謎をひとつずつ解いてくれたって感じでした。
 『龍臥亭』はやはり石岡くん(くん付けだけど、もういい年・・・)の事件なんですね。

 ラストの1ページで、泣けてしまいました。(2004.11.15)


『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』

 優しさいっぱいのクリスマス・ミステリの佳作です。

 今回は、殺人事件が起きるわけではありません。
 でも事件は起きるかな。
 御手洗潔が、一人の少女のために一肌脱いでます。肉体労働もしてます。

 時系列では、占星術殺人事件のちょっと後の出来事で、御手洗さんの変人ぶりがなつかしいし、石岡くんも振り回されててごくろうさまですって感じ。
 
 これを読んで、全ての子どもたちに、サンタクロースが来てくれるといいな・・・と願わずにはいられませんでした。

 新書化されるに当たって、加筆されているそうです。(2004.12.19)


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