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風の吹くまま 気の向くまま

風の吹くまま 気の向くまま

森博嗣

『ηなのに夢のよう』

『λに歯がない』

『εに誓って』

『レタス・フライ』森博嗣

『τになるまで待って』

『θは遊んでくれたよ』

『Φは壊れたね』

『四季 秋』

 このシリーズは四季博士の視点で話が進むかと思ったら、今回は犀川&萌絵が中心だったので、なんだかほっとしました。二人のかみ合わない会話とすれ違っている想いをほほえましく感じながら読みました(特にイタリア旅行の場面はコメディだ)。
 指輪をもらった(『虚空の逆マトリクス』の「いつ入れ替わった?」にて)はいいけれど、その後の二人は全然進展してないぞ・・・この話の中では時が過ぎて、萌絵ちゃんも大人になっているのに。

 それはさておき、四季博士のメッセージがまだ残されていたとは。その謎を突き止めるために二人が動くわけですが、やっぱり四季博士の考えたとおりに犀川たちも動かされていて、それをちょくちょく四季博士が確かめに来ていたというのはなんだ、四季博士も人間らしいじゃないかと思ったりして、ちょっとイメージが変わりました。
 四季博士のメッセージの最後のせりふ、前作までは彼女が「死」にむいていたと思われたのが、「生」の方向に換わったのではと言う気がしました。萌絵ちゃんが救われたと感じたのはそのこともあるのかな。
 でも四季博士は相変わらず犀川には固執していますね。なんでだろう~。
 それと、四季博士に協力?した人がときどき殺されるのはどういうことなんだろう。背後の組織?用が済めば、いらないってことなのかな?
 
 それにしても、あの人とあの人が親子だったとは!・・・そういうつながりかあ。ちょっと驚きました。全部つながってる・・・。

「人は、自分が許せないときに、悲しくて泣く、そして、自分が許せたときに、嬉しくて泣くの」by紅子

 「春」と「夏」は少し重かったので、「秋」のちょっとの明るさがうれしかった私でした。
 この本はもうベスト10に入ってきてますね。(2004.1.18)


『四季 冬』

 なんだか全編哲学的で、しかも専門用語の多用でわからないところもたくさんありました。
 生きること死ぬこと、愛すること、失うこと得ること、子どもと大人、それから、自由になるということについて・・・

 「矛盾はきれい」by四季

 それにしても四季博士、そこまで行ってしまったか!
 読んでいて、なぜか『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』の、アルウェンがたった一人になってしまった情景を思い浮かべていました。
 ちょっとさみしい・・・

 章立てにもなっている、白い部屋・黒い部屋・赤い部屋・青い部屋というのはそれぞれ白秋・黒冬・赤夏・青春を象徴していると思うのですが、そう思ったらなぜか浦島太郎の話にでてくる、「春の部屋」「夏の部屋」「秋の部屋」「冬の部屋」を思い起こしていました。
 浦島太郎っぽいかも・・・(2004.3.13)


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