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カテゴリ:環境問題
ツイッターなので、下から昇順に読まないと意味が通じないです(前半は出版されているので割愛しました)
一行詩だった(140字フルに使ってほしいー←無理)ので、一行一行日付の削除をガンがりました。 よかったらお時間のある時に読んでください (続く ドウスルのだ、お前の弱々しい思索なぞ、反吐が出るわ、引っ込め 風を、雲を、光を、魚を、港を、草いきれを、祖父を、日本を、船を、笑い声を、桜の木を、道ばたを、ランドセルを、山影を、祖母を、福島を… 失笑 俺は取り戻す、失われた家族を、失われた家を、失われた故郷を、失われた日本を、… 拳で涙を拭う彼のひとときを、育ててきた牛に頬ずりして泣く彼のひとときを、親しかった風と土を、あの日の砂場を… 無理ダ 嗚呼 見事に切られた、胡桃の木を … 魂の実を 何を 取り戻せるか、四文詩人、五文詩人、六文詩人め…、取り戻せるかよ お前の書いた詩が、失われた家族を、失われた家を、失われた故郷を、失われた日本を、涙を拭う彼を、拭う拳を、追われた故郷を、追われた日本を、育ててきた牛に頬ずりして泣く彼を、親しかった風と土を、誰も遊ぶ人のない砂場を取り戻せるか 何故 お前コソが、間違イである 親しかった風と土に、恐れを感じて、… 誰も遊ぶ人のない砂場を、見つめタか。 故郷を追われ、日本に追われ、… 育ててきた牛の横腹に頬ずりして泣く彼を、見たか。 何 何 家族を失い、家を失い、故郷を失い、日本を失い、… 拳で涙を拭う彼の姿を、見たか。 何 お前は、この震災で何を見た。 だから何だ。 お前は一人部屋で震えた、お前は一人部屋で泣いた、お前は一人壁を叩いた、お前は一人日本に絶望した。しかしそれだけだ。後は愚図の詩を書き、魂を安売りした。 どういうことか。 お前こそが悪魔である。 俺の精神には烈火の年輪が渦巻いている。 お前ハまだ悪魔ノ本当を知らない。 耳を貸さぬ。 悪魔と呼ぶのなら答えてやろう。お前のひ弱さヲ。 胡桃の木の切断面を見つめてると、私の歴史が涙を流した。悪魔め。 涙、時間、家族、歴史、福島、命、未来、ひしゃげた車、横倒しの船、水蒸気、避難所、官房長官の答弁…、胡桃の木の年輪。 木の年輪は私たちの、日本人の、心の模様だ。 私は胡桃の木の切断面の年輪を見つめた。3.11さえなければ、悲しい断面を見ることもなかったろうに。仕方がない判断だったが、悲しい。 くるみ、こころ、ころろ…、胡桃、言葉…。 私は、眠れなくなると、窓を開けた。胡桃の実が、ぽとりぽとりと地に転がり落ちる。私にぽつりぽつり、と語りかけてくれた。言葉がころころと闇の底を落ちていく姿を思い浮かべながら、十代の胸を静かに熱くしたものだった。胡桃、くるみ…。 私は少年の頃から、眠れなくなると、窓を開けて胡桃の木の葉のそよぎを聞いた。ある時は悲しんでいるようだったり、ある時は僕よりも恋情が強いようでもあった。ある時は草原の心を届けてくれた。闇の悲しさも、夜明けの親しさも、胡桃の木が囁いてくれた。 私は幼い頃から、眠れなくなると、窓を開けて胡桃の木を眺めた。ある時は余計に恐ろしく感じ、ある時は大地そのものであるように、手を広げてくれたりした。闇の恐怖も、夜更けの優しさも、胡桃の木が支配者だった。 木は度重なる余震の恐れから、落木の危険性が増した。江戸や明治まで遡るのだろうか。長い歴史の幕は閉じられて、この間、切られてしまった。 生家の私の部屋の前には、大きな胡桃の木があった。 少年の日に転がるのはくるみの実、胡桃…。 僕、走っている、走っている、いい感じだ、野を駆け抜けるとは心地良いことだ、雲の影が、少年の僕を追ってくる、…私は今日、少年の日々を詩に書くことを、思いつく。 風と土を返して下さい。福島の輝く初夏の風の匂いを…。蛙の声が誘っている。窓の外で…。あの日から一度も窓は開けたことがない。恋しい、窓に侵入してくる風の真顔。 足の裏、息、足の裏、息。そのどちらもが苦しい。野原を駆けるのも苦しい。あなたを想うのも苦しい。焦がれているのです、野原の時間と、あなたの横顔を。 息が苦しい、とてつもなく、苦しい。あなた、あなた、大切なあなた、あなたは今、何をしていますか。僕はあなたのことを、野道を駆け抜けるようにして、想っています。 僕、走っている、走っている、いい感じだ、野を駆け抜けるとは心地良いことだ、雲の影が、少年の僕を追ってくる、少しだけ、野原の秘密に触れた気持ちになる。 鋏の跡。のりのはみ出し。湯桶の中の震災。窓も開けられず、換気扇も回せない、むせ返るような浴室である、放射能め、幽霊め。 風呂から上がると、また新聞を切り抜く。悲しい顔や頑張るという表情を切り、並べて貼っていく。切ることを止めれば、全ては止むのか。貼ることを止めれば、全ては虚実となるのか。冷たい汗。書斎は、あの日から一度も窓は開けたことがない。 大丈夫だよ…。子どもたちは、最後の言葉を、ずっと覚えているだろう。たった一言が、子どもたちの生き方を決定していくだろう。作曲家のUさんは、静かに語りながら、ゆっくりと教えてくれた。 男性はいよいよ家が崩れると判断されたのか、子どもたちに大声で叫んだ。「大丈夫だよ、行きなさい」。子どもたちは声に気圧されて、家から離れた。家は悲しくも、間もなく音を立てて崩れた…。 阪神淡路大震災の時。家の下敷きになって出られない男の人が居るのを、何人かの子どもたちが、見かけたそうだ。家の中の男の人は、「危ないから、遠くへ」と言ってばかり…。 何億もの馬が地下を駆け抜けていく、しーっ、余震だ。否。地震酔いだろうか、嫌、確かに…、否? すぐに、震度4強。分かるようになってるね。ウン、時々ネ。 お風呂には依然として、震災が溜まっている。そろそろと熱くなったから、私は湯から上がりたい、浴室はあれから一度も窓を開けていない。震災でずぶ濡れだ。 僕、走っている、走っている、野を駆けていくと、風景が優しくなる、空が歌ってくれる、風が手をつないでくれる、少年の僕は福島の風と土がとてつもなく好きだ、走る、走る。 私は背中を洗う、私も泣くしかない、浴室はあれから一度も窓を開けていない。体全身が涙になっていく…、みたいだ。 そしてその方は、何も持たないで家から、帰ってきたそうです。Oさんは、その方に、このように話したそうだ。「泣くために家に帰ったんだ…、と思えばいいじゃないですか。」 ただ家の中で2時間、泣いていただけ…、だったそうです。 富岡町のある人は、2時間の帰宅を許された。久しぶりの家の中に入って、その人はずっと、あることをしていました。何をしていたのか、分かりますか? とOさんは私に聞いた。 私は髪を洗う、私も泣くしかない。浴室はあれから一度も、窓を開けていない。 彼は、「立派な、いわきを作ってくれ」と叫んで、手を離して、まもなく海に沈んでいった…、助けられなかった、消防団の人々はみな、悔しくて泣きじゃくった。…それを教えてくれながら、ある日、Oさんは泣いた。 水に浮かんだ畳の上に、ご老人が座っていた。消防団の人が、それを見つけて、ロープを投げた、必死の救出が始まったが、悲しくも水の上でしだいに彼は力を奪われていった…。 私は髪を洗う、私も泣くしかない。避難している人々は慌てずに落ち着いて、福島の山間を抜けて下さい…、そんなラジオ放送を聞きながら、お風呂に入ったっけ…、浴室はあれから一度も、窓を開けていない。 何を失ったのか、流されてしまったのか、分からないけれど…、これまでたくさん人生を生きてきて、拳で拭わなくちゃならない悲しみを、今まで予想してきたことがあったのだろうか、そう思った。… そう語り、ある日、Aさんは泣いた。 津波の後を眺めながら、相馬の浜を走っていた。船が陸に上がり横倒しになって、瓦礫が積み上がっているところから、恰幅のいい男性が、拳でぼろぼろとこぼれる涙を拭きながら歩いてきた…。 私は風呂に入ると、泣きながらお湯に浸かったあの日の夜を思い起こす。涙があふれてくるのだ。1000年に一度の3.11よ、冷たい汗。 1000年に一度の3.11よ、冷たい汗。 私は3.11以降、震災にまつわる新聞や雑誌を集めて、少しずつ切り抜きをしているが、切り抜きをしても追いつかないのだ、紙とハサミとの間で、震災が繰り返されているから、冷たい汗。 僕は、走っている、走っている、息継ぎは苦しいけれど、駆け抜けている、この感触、世界を追いかけて、そして世界が少年の僕を追いかけてくる、雲の影。 3.11から、一度も窓を開けていない私の書斎は、その記憶のままだ。無数の馬が通り抜ける。 僕、走っている、走っている、風と土と草いきれを吸い、少年の僕は、走っている、いい感じだ、野を駆け抜けるとは心地良いことだ、雲の影。 ある日、そぼ降る雨、蛙の声が耳に届き、季節の移り変わりを宣言される、私は窓の外に、初夏の風を想う、窓は絶対に開けない。 俺の精神と肉体の独房で、暗がりにつながれた馬のたてがみを、撫で上げることをせよ、人類よ。 俺の精神と肉体の独房で、無数の馬が跳ね上がる、余震。 俺の精神と肉体の独房には、無数の船が飛び込んでくる、飛び込んでくる。 俺は精神と肉体の独房で、精神と肉体に煮えたぎる汗を滴らせている、時を、魂を、髪まで切り刻もう。 私は精神と肉体の独房で、精神と肉体に冷たい汗を滴らせている。 『詩の礫 決着 和合亮一』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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突然のコメント、失礼いたします。
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