米社会にある人種の『溝』
『溝』の記事は痛い(涙)。米「黒人」指導者らが中心になりこの先、部落解放運動の歴史の中のオール・ロマンスのような行政に対する科学的糾弾闘争を組んでいかれるのではないかと思った。ずーーーっと注目していきたいと思う。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。 < 米ハリケーン被害 >ハリケーン被害の南部 人種の溝、米社会に波紋(09/22) ハリケーン被害の南部 人種の溝、米社会に波紋2005年09月22日00時17分 ハリケーン「カトリーナ」は、米社会にさす「人種問題」の影を映し出した。被災した人口約48万5000人のニューオーリンズ市内に住む約3分の2は黒人。「貧しい黒人の多い都市だから政府の支援が遅れた」「テレビに映る被災者の多くが黒人。被災の背景にある人種問題を物語る」などの声が黒人社会からあがるのも、長い差別の歴史が背景にある。 この問題は8月29日に上陸したハリケーンから逃げ遅れた市民たちの救出が本格化した2日、メリーランド州選出のカミングス下院議員(民主党)が記者会見で「生死を分けたのは貧困、年齢と肌の色だと後に言われることがあってはならない」と主張したのがきっかけとされる。米メディアはその後「貧しい黒人が多いので連邦政府の反応は遅かった」などの見方を紹介し、人種問題の側面に焦点をあてた。 米南部には激しい黒人差別の歴史がある。ルイジアナの隣にあるミシシッピ州では、55年に惨殺された黒人のエメット・ティル少年の捜査が50年ぶりに再開され、話題になった。犯行を告白していた白人2人が、かつて白人ばかりの陪審で無罪となり、その後はだれも罪に問われていなかった。 ギャラップやCNNなどが14日に公表した世論調査では、連邦政府のハリケーン対応が遅かった理由として「被災者の多くが黒人という要因があったと思うか」との問いに、「思う」と答えた黒人は60%。白人は12%と大きな差がある。「被災者が貧しいからという要因があったか」との問いには「思う」が黒人は63%。白人は21%だ。 市民からも対照的な声があがる。ニューオーリンズから避難した造船会社員の黒人男性(58)は「65年のハリケーン『ベッツィー』の時は堤防を切って、貧しい人たちの住む地区を犠牲にして高級住宅街を救ったと言われる。政府というのはいつもそうだ。避難所に身を寄せる人がほとんど黒人だということが、構造的な差別を語っている」という。 ニューオーリンズ市内で退避命令が出た後も家にとどまり続けた白人の男性(72)は「何かあると人種の問題にするのは、連中がいつも考えることだ。私のような貧しい白人にも責任があると言うのか」と話した。 asahi.comトップ > ニュース特集 > 米ハリケーン被害 エメット・ティル少年殺害事件(49年前、ミシシッピー州)再捜査へ オール・ロマンス事件 被差別部落のみの劣悪な生活環境・実態を改善して行き、そうでない地域の劣悪な環境は放置されたままでは、後々ねたみ差別・逆差別といった「溝」が生まれてくるのは当たり前だと思います。 「そしたら、そうでない地域の劣悪な環境も、部落のモンが改善してやるんか?やっぱこれも、責任は行政のモンにあるんとちがうんかって?」 と、ワタシが「オールロマンス事件」について初めて知った八〇年代当時、隣席のキョンキョン似の友人が発言しました。 一九五〇年代当時、結婚差別や就職差別など、厳しい部落差別事件が、毎年のように全国各地であとを絶たなかったといいます。過去の新聞記事にも時々掲載されていました。 しかし、差別事件は、部落差別全体からとらえたら「氷山の一角」に過ぎないということを歴史的に明らかにしたのが「オールロマンス事件」(一九五一年)でした。 一九五一年一〇月、「オールロマンス」という雑誌に京都市のある公務員が被差別部落の様子を書いた小説を発表しました。小説には、興味本位に、また差別的に、学校に行けない部落の子どもや、仕事がなく働けない部落の青年や大人たち、文字を読めない部落の大人たちのことが書かれていました。 被差別部落の人たちはこれを「オールロマンス事件」としてとりあげ、一二月の京都市議会に嘆願書を提出、京都市との間で話し合いが持たれました。 その中で当時の京都市のT市長は、市の公務員がそのように被差別部落のことを書いたことは差別だと認めましたが、この小説を書いた公務員個人に責任をとらせ、事件を解決しようとしました。市としてはあくまで、差別をしていないという考えでした。 そこで、被差別部落の人たちは、京都市の地図を広げて、市の役所の人たちに次のような質問をしました。 ・せまくて家の密集している所はどこか ・消防自動車の入れない所はどこか ・学校に行きたくても行けない子どもたちの多い所はどこか ・大雨が降ると危険な所はどこか 無名の被差別部落の人びとの、京都市役所の人びとに対するこのような質問に対して、それにあてはまる場所が地図の上に赤丸で印されていきました。その結果は、赤丸のしるしは京都市の被差別部落に集中していました。 この事件を通して、被差別部落の様子を興味本位に、しかも差別的に書いたことだけが差別ではなく、被差別部落の生活実態を劣悪な状態に放置してきたことが差別であることや、被差別部落を劣悪な生活実態のままに放置してきた差別の責任は、京都市の政治のやり方にあることがはっきりしました。差別的な言動による差別事件だけが部落差別ではないことも明らかにされました。 これらは、差別を根本から解決するには、差別的な考え方をなくそうとするのではなく、被差別部落だから当然なこととして切り捨てられてきた実態や環境を 差別として受けとめ解決しようとすることが必要なのだと、人びとが学んだという点で、部落差別を解決する上では大きな前進でした。 調査結果をウソで塗り固めることなく、すべて明らかにしないと、国はますます信頼を失うぞ。「溝」も深められてしまう。 < 米ハリケーン被害 >被害想定が現実に 予算不足で対策後手 ハリケーン被害 2005年09月03日06時07分 ニューオーリンズ市でハリケーン「カトリーナ」が起こした災害の規模について、米連邦政府や州政府など関係当局は少なくとも5年前から想定し、机上演習も2回実施していたことが分かった。貧困層の人々が取り残される事態を含め今回現実になった問題がすでに確認されていたが、予算不足などで抜本的な対策はとられないままだったという。 2日付ニューヨーク・タイムズ(電子版)や米南部の地元紙タイムズ・ピカユンが報じた。今年1月、連邦緊急事態管理庁(FEMA)幹部がスマトラ沖大地震・津波の被災地を視察したが、その際も、米国が学ぶ教訓としてニューオーリンズ市が最ももろいとの結論に達していたという。 両紙によると、演習は00年と昨年7月に行われた。昨年の演習は、FEMAの肝いりで連邦、州、地方当局から計250人が参加。大型ハリケーンが同市を襲い、堤防から水があふれ、100万人が避難。市民の半数は屋根の上に取り残されるという想定で、今回の被害を引き写したようなシナリオだった。 演習の結果、綿密な避難計画や、被災者の大規模な捜索・救出の計画づくりなどの必要性が確認された。さらに、車を持たない貧困層や高齢層など計約10万人は、事前勧告しても避難は難しいと指摘されていた。 今回の災害で実際に多くの貧しい人々が取り残された。避難させる警察の人員は確保できなかったうえ、発生が月末だったことも響いた。政府の生活保護手当は月初めに支給されるため、貧困層には逃げる資金もなかったようだとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。 ただ、過去の演習は、いずれも堤防から水があふれることを想定しており、今回起きたような堤防そのものの決壊までは予想していなかったという。当局側は、ハリケーンの猛威が予想を超えていたと反論している。 しかし、USAトゥデー紙も1日、「技術者らは災害を警告していた」とし、連邦政府がハリケーン対策予算を軽視していたとの記事を1面に掲載。シカゴ・トリビューン紙も予算不足の一因はイラク戦争にあると論じるなど、政府への風当たりが強まっている。 ニューオーリンズ市内へ再び水流入、復旧中の堤防から 2005年09月24日01時08分< 米ハリケーン被害 >ニューオーリンズ市内へ再び水流入、復旧中の堤防から 2005年09月24日01時08分 ・・・カトリーナに襲われた際、同市では6カ所で堤防が決壊して濁流が流れ込み、市内の8割の地域が水没した。 一方、米メディアではここ数日「堤防に設計上の欠陥」などと堤防の強度を疑問視する記事が大きく取り上げられている。 ワシントン・ポストによると、陸軍工兵隊は決壊の原因を「ハリケーンの勢力があまりに強く、異常な高潮が発生し、堤防を乗り越えて壊れた」とみる。しかし、ルイジアナ州立大のコンピューター解析によると、決壊は高潮が乗り越えたためでなく、設計上の欠陥や不適切な工事など複数の要因が重なったためという。同大のイボール・バンヘーデン准教授は「高潮は決して堤防を越えなかった」と同紙に語った。 設計上の欠陥にあげられているのが、鉄板の基礎の上にコンクリート板を乗せた堤防の構造だ。ニューヨーク・タイムズによると、この構造は高さ2.1メートルを超えると強度が不足するにもかかわらず、決壊個所の多くは高さが3.3メートルあったという。 リタ・クーリッジ,ジャニス・イアン,カーラ・ボノフ,ニコレット・ラーソンなどの歌声が無性に聴きたくなってきました。カセットテープはいずこに・・・ topページ http://www1.ocn.ne.jp/~suzuenta/