2008年02月04日

●ぜいたくと幸福

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  「アレ~髭も剃ってくれるの~ぜいたくだねぇ~」

喪主のおばあちゃんは腰は曲がっても頭はシャープきらきら
湯灌の洗体なりシャンプーなり見る度
「アレ~ぜいだくだことぉ~」と歓声。
最初、ご親族勢ぞろいの30名様は皆“傷心”涙ぽろり
ショックを隠しきれないような顔で末期の水とか取ってくれる。
そんな神妙な空気を微妙にぶち壊している?のがおばあちゃんだ。


ボケている訳ではない。
純粋に“感心”による感想なのだ。
普通ご老人に対してやはり家族と言うものは、常に“体や心のケア”とか気を配るものだろう。
お年寄りの方の中には“老年期心理”からか?死を目の当たりにすると“恐怖心”“不安”を抱いてしまう方もいる。
そんな心の支えになることもご家族にとって重要なケアの一つかもしれない。


でもここのおばあちゃんは心配無用バイバイ
肉体に反し、精神的に一番屈強で冷静でヒョウヒョウとしている。
“末期の水”“シャンプー”“お顔拭き”もオススメしてみると
「アタシがやりに行くとヒックリ返っちゃうから誰かやんな!」
湯灌終了時には
「まぁージーちゃんキレイになっちゃって、あっちに行ってモテちゃうよ。カカカカ大笑い
一同(笑)大笑い和やかな雰囲気に。
おばあちゃんがションボリした家族全員を自然に励ましているかのようだ。



旅したくとお化粧になりまた皆さんにお手伝いしてもらう。
ある程度キレイにピシッと白装束も着て横たわる故人様を見ておばあちゃんがまた
「あれーまたキレイになってあっちに行ってモテちゃうねーあたしャなんだか焼けちゃうね!」
「あっちって○○のおばさんとか△△さんとかか?」
「そーだよ、ジーちゃん一番最後だし・・・。
イヤ!ちがう!アカヌケ会で一緒の床屋の□□さんはまだ生きてるわ!」



「アカヌケ会?」ご一同さま・・・?


「ジーちゃんアカヌケ会で日本中旅行してたんだ」・・・どうやら故人様の所属していたサークルらしい。
「アカヌケ会会長か?」
「いや。会計だ。」
微妙な役職に一同スマイル

そうこうお話を聞きつつ旅したくは“六文銭袋”をつけてもらうことになった。
“三途の川の船賃”とか色々いわれはあるが様は“お財布”
「それ、お金入れたらダメなの?」息子さんの一人から質問。
「燃えるお金でしたら(ホントはダメだけど)イイですよ」と伝えると

2人が即効千円札を出し、3人の方が財布を取りに走った。
戻った3名様も千円札を入れようとしたのだが誰かが
「そんなに入れたら途中でオロナミンC買うからダメだ!」
・・・生前故人様にオロナミンC禁止令が出ていたのだろうか?
「会計だから大丈夫じゃない?」ご一同ゲラゲラ笑う大笑い

このお茶の間的雰囲気にワタシも相方も肩を震わせながら対応しつつ、相方はいつもより丁寧に『アカヌケさせている』様子。
髪型が生前のいつものスタイルより伸びてしまったがイイ感じで7:3に整えたところ
「いつもそんなオシャレじゃないけどいいです」
「イヤイヤ、ぜいたくな事だ~」とおばあちゃん。



終始こんな感じで無事に納棺を終えた帰り、相方と「良いお仕事させてもらえたね」と話しながら帰って来た。

『何が良くて良いんだろう?』と考えた。

やっぱりおばあちゃんだろう。
たぶん『皆を元気付けよう!』とか
『しんみりしたこの空気を打破してやる!』とかの策は毛頭なく
ただ“常に感謝を持てる人”となのだと気がついた。
私たちが依頼されて有料で当たり前に対応していることに対して
「“ぜいたく”な思いが出来た」と感謝して頂ける。
当たり前を当たり前じゃないと気がつける人生とはとても豊かな事なのだ。

おばあちゃんは「アタシもあと2,3年で逝くけどね」とサラっと言う。
きっとおばあちゃんは亡くなったおじいちゃんと2人で作り上げて出来た人生とこの大家族に恵まれた事をこの上なく幸せと感じ、あまり後悔のない人生だから言えるのかもしれない。

「おばあちゃん!あと10年は生きなきゃダメよ!」お孫さんのこの言葉は本気だと思う。
こんなおばあちゃん家にいたらご家族は毎日幸せだ。
アカヌケ会にはまだ逝かせてもらえないだろう。


【 今日の教訓 】 シアワセはどこにでも転がってる

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最終更新日  2008年02月05日 01時08分36秒