2008/08/31(日)07:59
夏休みの課題図書『チームふたり』
息子ヒデキ(小5)の夏休みが終わりました。
登校日の前日、大騒ぎしたのは
「あゆみがないっ!!!」
“あゆみ”って、通信簿のことですね。
本当に、どこを探しても見つかりませんでした。
「だいたいママはいつもそうやって大事なものをなくすだろ?」
「ごめん、ごめん。
週末にちゃんと探すから
ああいうものは誰も捨てないんだもん、きっとどこかにあるよ。
先生には連絡帳に書いておくからさ」
「なんだよ~、また最初から忘れ物かよ!」
ヒデキは口を尖らせています。
その夜遅くまで探しましたが、結局見つからず。
(確かに物をよくなくす私だけどさ、
お姉ちゃんのときから、あゆみをなくしたことはまだ一度もなかったんだけどなぁ…)
翌日、その話を同級生のお母さんとしたとき、
「あれっ?
あゆみって、もらってないよね?」
…そうでした。
2学期制だもん、夏休みはまだ1学期の途中で、あゆみをもらうのは「秋休み前」でした(笑)。
さて、今年も宿題でも大騒ぎだったヒデキ。
夏休み前に買っておいた課題図書は、結局、夏休みが終わる直前まで開かれないままでした。
「読書感想文、どうすんの?
本読まなきゃ書けないじゃん」
「めんどくせ~~」
「何言ってんの?
自分で読みたい本選んでわざわざ買ったんじゃない。
お金がもったいないから、ちゃんと読んでよね」
(ちょっと理由が違うような…笑)
ヒデキが選んだ本は『チームふたり』(吉野万理子・作)。
表紙のイラストから、卓球の物語のようでした。
(ま、ヒデキの選びそうな“スポ根もの”だろうね)
腰の重いヒデキに最初のきっかけを与えてあげたいのと、
私もちょっと内容に興味があったのとで、
最初の一章だけ読み聞かせをしてあげることに。
(以下、ネタバレあります。ごめんなさい)
主人公は男子卓球部キャプテンの大地(小6)。
6年生男子部員は3人で、5年生はたった一人、純。
大地は、引退前の大事なダブルスの試合で自分が組む相手は、当然同じ6年生の仲間だと思っていたのに…
先生は大地のパートナーに、5年生の純を選んだ。
大地はもちろん、不満でいっぱい。
純は真面目でいいヤツだし、5年生としては卓球も下手な方じゃないけど、自分はベスト8に入って、県大会まで進みたいんだ。
…と、このあたりまで読んだら、すっかりハマってしまった私。
やがて、そのまま読み聞かせを続けてしまうことに。
「ヒデキ。
もう今日は最後まで全部読むから。
ヒデキ、布団の上だとすぐ寝ちゃうから、今日はリビングで聞いてもらうからね!」
リビングのダイニングテーブルに座り、大きな声で朗読を始める私。
ソファの上でひっくり返っていたパパさんが、見ていたテレビを消してくれました。
(ん?一緒にお話を聞くつもりかい?笑)
スタンバイOK、!!!
ところが…
ところが…
この後、ストーリーは思いがけない展開に
大地のお父さんが突然会社をクビになり、おまけにショックで引きこもりになってしまいます。
お父さんの代わりに、これまで専業主婦だったお母さんが、お惣菜のお店に働きに出ることになり、子どもたちにも、いろんなストレスがかかり始めます。
わわっ
これって???
まるで、うちみたいじゃん???
いや、うちのパパさんは、クビにはなってないけどさ…
限りなく近いような…
どうしよ?
パパに、これ聞こえてるよね?
「あ、あれ?
これって、卓球の話じゃなかったっけ?
ははは…
何か、想像もしてなかった展開になってきたね。
ははははは…」
すると、隣の和室から
「そうそう。
サキも今、そう思って聞いてたんだよね」
と、娘サキ(中2)の声。
(サキも聞いてたんだ。
だってこれって、ほんとに他人事じゃないもんね。
気になるよね?笑)
一応、パパさんの手前、
こういうストーリーだと知っていて
買ってきたんじゃない
ことを必死でアピールしつつ、朗読を続ける私。
だって、ここでいきなり止めてしまうのも不自然だし…。
(もう、卓球なんてやってる場合じゃないかも?)
大地はたくさんの不安を抱え、ひたむきに練習をしているパートナー純の様子に気づきながらも、なかなか受け入れることができず、もやもやとした気持ちを抱え…
一方お母さんは一家を支えるために仕事を増やし続け、そんなお母さんの身体を心配する大地はついに、たった一人頑張っていないように見えるお父さんに対する怒りが爆発!
「だいたい、父さんがいつまでもあんなふうだから、いけないんだよ」
「母さんが働きまくってるのだって、父さんのせいじゃないか。平気なの?」
と、お母さんに詰め寄ります。
そしてお母さんのことば。
「父さんと母さんは、ふたりで一つのチームなの。」
「母さんが大変なときには父さんが助ける。
父さんが大変なときには母さんが助ける。
チームってそういうものなのよ。」
おお~~~っ!!!
エライ!!!よく言った!!!
そうそう、そういう気持ちが大事なのよね!
このお母さんに激しく同意する私。
そう、私も数ヵ月前に、同じようなことを子どもたちに言いました。
でもね、このお母さんの方が、私よりもっと強いなぁ~。
「心配しなくても大丈夫、卓球も続けるように。試合は応援に行くから」
とお母さんに言われ、再び練習に励む大地ですが、卓球シューズの底がすり切れて、靴下が直接床に当たるため、スリップするようになります。
(家が大変なときに、新しいシューズが欲しいなんて言えない)
大地はシューズのことは誰にも気づかれないよう、隠し続けていましたが、誕生日に両親からもらったプレゼントはピカピカのシューズでした。
実は、シューズのことに気づいたのは、大地のパートナーの純。
大地の家庭の事情もうすうす知っていた純は、先輩である大地のメンツのことも考え、
自分のお年玉やお小遣いから5,000円を持って、大地のお母さんに渡しに行ったのです。
「確かに家は大変だけど、シューズが買えないほどではないし、純くんからは気持ちだけ受け取って、お礼をいっておいた」とお母さん。
「純くんはね、このことは大地には秘密にしてほしい、っていってた。
でも、母さんは、いちおう大地に話しておきたいと思ったの。」
ここを読むときは…
泣きました。
「実はね、先週、五年生の…
ううっ!!!
ああ、涙が出る。
ちょっと待って!!!
杉本くんという男の子が…
って、これ、純くんじゃない?うそでしょ?
うう~~~、泣ける~~~!
ちょ、ちょ、ちょっと、そこのティッシュ取って!!!」
こんな感じ(笑)。
このことから、大地は
「自分が純を守ろうとするように、実は純にも守られていたんだ」
と気づくのです。
さて、我が家のパパさんは…
いつの間にかソファでうつ伏せ。
ああ、寝ているんだ。よかった!
こんな風に思いがけない展開に、感動したり、泣いたりしながら、無事読み終えました。
終わったとたん、パパさんは再びテレビのスイッチをON!
(お、お、起きて聞いてたかぁあああ???)
でも、本の中のお父さんも最後には部屋から出て、次の仕事探しに向けて前向きになっていたし、嫌味には聞こえてないよね。うん、うん、きっと大丈夫だ♪
そういえば、テニスのトーナメントクラスでテニスシューズ持ってないの、ヒデキだけだったな。
コートに砂が混じってて、普通のトレーニングシューズじゃすべって危ないから
って、コーチにも言われてたのに…
トーナメントクラスになってから動きが激しくなってきて、ヒデキがズルッとなるところ、何度も見たのに…
まだ買ってあげられずにいたなぁ。
ヒデキも私に
「シューズ買って」
って言わないでいるなぁ~~。
我慢しているのかなぁ?
やっぱりちゃんと買ってあげないと。
結局、こうして家族みんなで読んでしまった、この夏のヒデキの課題図書でした。
追伸:ヒデキは金曜日から柔道の合宿&試合。
それについては、また今夜、頑張ってアップしたいと思っています。
いつも来てくださる皆さん、本当にありがとうございます。
週末だけの更新がしばらく続いたり、せっかくいただいたコメントへのレスもなかなかできなかったりするかもしれませんが、
みなさんどうぞ気長におつきあいくださいね。
ひなたまさみ