ひねもす庵

2004/12/26(日)23:24

キジムナーに会った話。

島・旅(67)

キジムナーは、ガジュマルの古木に棲むという沖縄の妖怪です。 実は、わたし、そのキジムナーに会ったことがあるのです(笑)。 それは数年前、某離島を訪れたときのこと。 昼間、ある島人と知り合って、夜の宴会に呼んでいただけることになりました。 その島は、日没後は街灯もなく真っ暗闇で、こどもは外出禁止です。 仕事を終えた若者たちは、手に手に泡盛を持って、 島に住む登山家の方の家に集います。 そこに混ぜていただいたのでした。 そのお宅は平屋建てで広い居間は正方形をしており、 みんなは車座になって座り、宴会が始まりました。 お手製の沖縄料理をつまみながら、「一期一会」と書いた 杯で泡盛を回し飲みします。 島の三線のお師匠さんも加わって、宴会は大盛り上がりでした。 夜半を過ぎた頃でしょうか、突然、後ろから甲高い声が聞こえました。 ウチナーグチのようで意味は分かりません。 振り向くと、わたしの後ろは窓になっていて、誰もいませんでした。 三線は止み、座の人たちは顔を見合わせています。 すると、お師匠さんが民謡「チョン・チョン・キジムナー」を弾きはじめました。 「今、その角に呼び込んでおいたから。 楽しそうだから、誘われて出てきたんだよ」とニッコリ。 島の人は2、3回は会ったことがある、と普通に話しています。 そして、そのまま何事もなかったかのように、楽しい宴会の夜は更けていったのでした。

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