2004/12/26(日)23:24
キジムナーに会った話。
キジムナーは、ガジュマルの古木に棲むという沖縄の妖怪です。
実は、わたし、そのキジムナーに会ったことがあるのです(笑)。
それは数年前、某離島を訪れたときのこと。
昼間、ある島人と知り合って、夜の宴会に呼んでいただけることになりました。
その島は、日没後は街灯もなく真っ暗闇で、こどもは外出禁止です。
仕事を終えた若者たちは、手に手に泡盛を持って、
島に住む登山家の方の家に集います。
そこに混ぜていただいたのでした。
そのお宅は平屋建てで広い居間は正方形をしており、
みんなは車座になって座り、宴会が始まりました。
お手製の沖縄料理をつまみながら、「一期一会」と書いた
杯で泡盛を回し飲みします。
島の三線のお師匠さんも加わって、宴会は大盛り上がりでした。
夜半を過ぎた頃でしょうか、突然、後ろから甲高い声が聞こえました。
ウチナーグチのようで意味は分かりません。
振り向くと、わたしの後ろは窓になっていて、誰もいませんでした。
三線は止み、座の人たちは顔を見合わせています。
すると、お師匠さんが民謡「チョン・チョン・キジムナー」を弾きはじめました。
「今、その角に呼び込んでおいたから。
楽しそうだから、誘われて出てきたんだよ」とニッコリ。
島の人は2、3回は会ったことがある、と普通に話しています。
そして、そのまま何事もなかったかのように、楽しい宴会の夜は更けていったのでした。