米国発恐慌の胎動
サブプライムローン問題の本質は、さまざまな経済記事を読めば読むほど訳が分からなくなる。そこで、問題がどこにあるのか。どれほどの規模の問題なのか。それは今後どのような影響を自分らの生活に与えるのか。その目線は、どこに取ればいいのか。漠然と、そのような受け止めで少し「おさらい」をしてみた。サブプライムローン、サブプライム債についてまず基本から、どれぐらい焦げついているのかが気になった。不良債権という以上、優良債権との比較で真水部分はどれぐらいなのだろうかという発想が湧くのが素人だ。最近、この分野で注目された出来事は、6月末、米大手投資銀行のベアースターンズが昨年から運用していたサブプライム・ローン債権の投資基金(ヘッジファンド)が破綻し、価値がほとんどゼロになってしまったと発表されたことだ.なんだ、なんだ。「価値が、ほとんどゼロとはどういうことなんだ」と、普通は思うのではないだろうか。そもそも、サブプライムローン問題などという、洒落た呼び方をするから誤認するのである。「アメリカ発巨大不良債権問題」と、額面どうり代入すればことの悲愴さが少しはビビッドに伝わってくるというものだ。なれば、その不良債権規模は一体どれほどなのだろう?どうやら世界中が、大騒ぎするぐらいなのだからよほど大きいのだろうか?それとも、誰かがジョーカーを引いて、誰だか分からないということで騒ぎが大きくなっているのだろうか?謎は深まるばかりだ。 大手銀行の中でも、イギリス系のHSBC(香港上海銀行)は、住宅ローンの高リスク債の分野で不良債権が急増し、この分野で半年間に63億ドルの損失を計上したと発表した。日本では野村證券が、サブプライムのローン債券で損失を出したと発表している。勘弁して欲しいなあ。ユダヤ人の金貸しの上海香港銀行が、大損をこいたという。それもご苦労さまに、半年で60億ドルを越えると!規模がまだ拡大する可能性があるのだろうか。ロスチャイルド家の番頭らが、ババ引いたなど額面どうり信じ難いが、どうやら影響は甚大だろうと推量できる。やつらは、そのツケをかならずどこかに振るに決まっている。あの女性に関心の高いヴィダル・サスーンのご一統さんが髪振り乱して狂乱しているのならば、少しは信じてみてもいい。まあ、そんなことはなさそうだ。むしろ野村證券が、毒饅頭喰らった影響の方が大きいのかな、と疑ってかかる。邦銀がかかわる投融資は、サブプライムローンを組み込んだ証券商品とみられ、もちろん1兆円が焦げ付くわけでないが、米国の金融問題がじわりと波及する可能性がでてきた。また米連邦準備制度理事会(FRB)は世界的には約12兆円の損失もありうるとみている。「じわり」なんて、そんな生易しいものではないだろう。FRBの言うことなんぞ、まるで信じる気はないが、それでも桁は数十兆円規模を予感させる。ちょっと、背筋に冷たいものが走るというものだ。(8/10)欧州中銀、15兆円緊急供給・サブプライム沈静化狙う 【ベルリン=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)は9日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を契機とした信用不安の発生・拡大を防ぐため、欧州金融市場に約948億ユーロ(約15兆4000億円)を緊急供給した。高リスクのファンドの解約申請や金融株の下落が続く中で、市場不安を緩和するのが狙い。ECBによる大規模な緊急資金供給は2001年の米同時テロで金融市場が世界的に動揺して以来初めて。米国とカナダの金融当局も協調する姿勢を示している。 ほら、もうこの調子だ。欧州中央銀行だけでも15兆円規模の機動的緊急措置で手当てしているじゃないか。まさか、日本銀行が動いていない筈がない。まず、FRBの声明が、さっそくおざなりだと割れてしまう。いったい、その「アメリカ発巨大不良債権問題」の規模は疑心暗鬼などというレベルではないのだけは、はっきりしてきたと思う。これは、日本でヒソヒソ話しているような規模の異変じゃないな。いってみればインド洋沖津波級の大事変だと断定していいだろう。米国の債券市場のBBBの債券の利回りが、6週間で2%上昇、20ポイント価格が上昇した。100円が80円になったのである。サブプライム債は51まで記録にあるが、もはや誰も買わないこの債券価格は、ゼロに近いものになっている。世界の金融機関は、約30兆円償却しなければならないらしい。おい、おい。だんだん物騒な話になってきたじゃないか?償却規模が、30兆円って日本一国が一年間必要とする国家予算ぐらいドボンかい?償却って、戻ってこないってこと?少しは働いて返そうとかいう発想ないんすかねえ?kaiser1さんちでも話題になっていた、超有名人の松藤民輔氏が「30兆円」って言い出したぜい。そうか、誰も買わないというのは焦げたとか、剥がして食うとかいうんじゃなくて、ぜんぶ炭になったと考えないといけないわけだ。米国金融恐慌は始まった。そして全世界、銀行株の暴落に始まることになった。ベアスターンとゴールドマンサックスが、その先頭を走っている。ゴールドマンサックスは資本全体の25%をサブプライムにしていると言われていることから、全世界の市場でゴールドマンサックスや大手のインベストメントバンクを救うために、40兆円の資金が供給されたと考える。世界に8000ほどある大手ヘッジファンド。その大半が20%から60%ほどの損を出している。そして全ての商品市場も下げ、原油も株式市場と同じ暴落の道を歩もうとしている。次に起きることは、商品市場の暴落、それに伴うファンドの破綻、そして取り付け、銀行、不動産会社の倒産に至る道である。中国銀行、米サブプライムモーゲージ債とCDOを計96億ドル保有2007年 08月 23日 20:27 JST [北京 23日 ロイター] 中国4位の国有商業銀行、中国銀行(3988.HK: 株価, 企業情報, レポート)(601988.SS: 株価, 企業情報, レポート) は23日、米サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン)債の6月末時点の保有高が89億6500万米ドル、債務担保証券(CDO)は6億8200万米ドルだと明らかにした。 減損処理に備えた引当金をサブプライムモーゲージ債について3億8800万元(5100万米ドル)、CDOについては7億5800万元を計上した、としている。 中国銀行(3988.HK: 株価, 企業情報, レポート)(601988.SS: 株価, 企業情報, レポート)の証券ポートフォリオに占める割合はサブプライムモーゲージ債が3.51%、CDOは0.27%という。なんだ、世界金融恐慌かい?それなら、それで最初からさっさと分かりやすく言ってくれよなあ。