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2004年06月09日
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昨晩のＮＨＫ「そのとき歴史が動いた」をみていてら、あの日本近代の
大禍根である旅順攻略のテーマをとりあげていた。直近ではnak１さん の日記で意見の応酬がはじまろうとしていたところだったが、なぜか立ち消え になっていて心がかりなものを残していたのでこの番組は好企画だと 私には思えた。 6月9日（水）放送 第181回 日露戦争100年 二〇三高地の悲劇はなぜ起きたのか ～新史料が明かす激戦の真相～ http://www.nhk.or.jp/sonotoki/sonotoki_syokai.html ＮＨＫは、東大経済学部卒の別宮暖郎氏の最近の著作を参考図書に含めて いるので結果的にはこのテレビ番組は明らかに言外に司馬遼太郎批判という 色彩を帯びていることを否定できないだろうと思った。 別宮暖郎『「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦』（並木書房 2004年） 昨今、ＮＨＫ大河ドラマに新撰組などがとりあげられたりするように司馬 作品はなんらかのかたちで早晩大河ドラマ入りをする傾向もある。となれば あの大作「坂之上の雲」もＮＨＫ大河ドラマいりを嘱望する声も多く、ＮＨＫ も早晩態度表明をせざるをえないということなのかもしれない。 番組をみていて、感じた事はいつの時代であれ戦争は情報戦であるという月並み なことなのである。 自分は、いま拙いメルマガでくりかえし「コミュニケーション力」を取り上げて 話題にしている。実は、この部分をどのように形成できるかで小規模組織の活動 に大きな効用があり、そのプロジェクトについての勝算はほぼ決定するという風 に思っているからだ。まして軍事組織でこれが欠けておれば戦争に勝てるはずが ない。勝てるはずのない戦争を平然と着手しておき、負けても責任をとらないと いう繰り返しを行い常に国民は死屍累々で「爾霊山」を屍体を山積みされて文字 どうり山となる。（ご存知かと思うが「爾霊山」とは、あの日露戦争の激戦地 ２０３高地のことを指す乃木希典将軍の名づけたもの）戦場の重要拠点とはいえ １５０日間を要して、聞けば戦死者５.０５２名、また生涯にも禍根を残すほど の痛々しい負傷者その数１１．８８４名の尊い犠牲者をあてしめてなお今日歴史 的な評価がさだまらない部分を秘めているという。ばかばかしくてしかたがない。 殺されたも同然の戦場の５千有余の御霊には「爾」という文字よりも生贄の「贄」 の文字が良く似合う気がする。  その番組の述べるところでは、乃木希典将軍は犠牲者を出す事に躊躇があったと いう。ところが大本営側からバルチック艦隊の極東巡航を前にして旅順港に停泊を しているロシア海軍艦船を完璧に粉砕できたという確約欲しさに現地司令に対し て繰り返し多大な犠牲を必至とする２０３高地攻略戦を強行させた、という論で ある。しかし、これとても乃木将軍の名誉を回復する根拠となるか否かについて はまだまだ議論の余地は残されていると印象した・ いずれにせよ、天皇を擁しての御前会議で戦争の方針が決められて軍事 専門家が現地指導に赴いていてさえ「現地判断」を超越した指揮指導が 大本営側から別途介入的に存在したという歴史事実を明るみにだしているのだ。が、これも事実であればなおさらの事。 かえすがえす情けない話である。世間では軍神とまで祭り上げられてい る乃木将軍にしてなお「中間管理職の悲哀」を帯びてくる。 このような人を人とも思わぬ不思議な「東洋の土人部落」（北一輝）が 近代戦を繰り返せば人間はなんどでも血をながし、命がいくつスペアが あったとしてもたまったものではない。 すでにこの日記でもとりあげたが、わが国はここしばらく例年３万２００人 弱を越えるもの規模で自殺者をかかえている社会である。つまり、みなさん ご存知ないだけでこの時代に毎年旅順攻略戦を６回実行している規模の人間 をまんまと死なせている社会なのだ。日本がすでに階級社会であるという事 の、傍証のひとつではないのか。そのようにわたしは思う。 日本がいよいよ海外派兵先で戦闘にまみれることがあれば、まず東大法学部 出身のキャリア諸兄から第一線で戦死していただきたいとせつに希望したい。 そのために日頃から高給で養われているのだ、御国のために奮戦して貰いたい。 名誉名誉と おだてておいて 大事なせがれを むざむざと 鉄砲の餌食に だれがした もとのせがれに して返せ のんき節 添田唖蝉坊:詞/曲  ♪學校の先生は えらいもんぢやさうな えらいから なんでも教へるさうな 教へりや 生徒は無邪氣なもので それもさうかと 思ふげな ア ノンキだね ♪成金といふ火事ドロの 幻燈など見せて 貧民學校の 先生が 正直に働きや みなこの通り 成功するんだと 教へてる ア ノンキだね ♪貧乏でこそあれ 日本人はえらい それに第一 辛抱強い 天井知らずに 物価はあがつても 湯なり粥なり すゝつて生きてゐる ア ノンキだね ♪洋服着よが靴をはこうが 學問があろが 金がなきや やっぱり貧乏だ 貧乏だ貧乏だ その貧乏が 貧乏でもないよな 顏をする ア ノンキだね ♪貴婦人あつかましくも お花を召せと 路傍でお花の おし賈（売）りなさる おメデタ連はニコニコ者で お求めなさる 金持や 自動車で知らん顔 ア ノンキだね ♪お花賈る貴婦人は おナサケ深うて 貧乏人を救ふのが お好きなら 河原乞食も お好きぢやさうな ほんに結構な お道樂 ア ノンキだね ♪萬物の靈長が マッチ箱見たよな ケチな巣に住んでゐる 威張つてる 暴風雨（あらし）にブッとばされても 海嘯（つなみ）をくらつても 「天災ぢや仕方がないさ」で すましてる ア ノンキだね ♪南京米をくらつて 南京虫にくはれ 豚小屋みたいな 家に住み 選挙權さへ 持たないくせに 日本の國民だと 威張つてる ア ノンキだね ♪機械でドヤして 血肉をしぼり 五厘の「こうやく」 はる温情主義 そのまた「こうやく」を 漢字で書いて 「澁澤論語」と 讀ますげな ア ノンキだね ♪うんとしぼり取つて 泣かせておいて 目藥ほど出すのを 慈善と申すげな なるほど慈善家は 慈善をするが あとは見ぬふり 知らぬふり ア ノンキだね ♪我々は貧乏でも とにかく結構だよ 日本にお金の 殖えたのは さうだ！まつたくだ！と 文なし共の 話がロハ臺(台)で モテてゐる ア ノンキだね ♪二本ある腕は 一本しかないが キンシクンショが 胸にある 名譽だ名譽だ 日本一だ 桃から生れた 桃太郎だ ア ノンキだね ♪ギインへんなもの 二千圓（円）もらふて 晝（昼）は日比谷で たゞガヤガヤと わけのわからぬ 寢言をならべ 夜はコソコソ 烏森 ア ノンキだね ♪膨脹する膨脹する 國力が膨脹する 資本家の横暴が 膨脹する おれの嬶（かゝ）ァのお腹が 膨脹する いよいよ貧乏が 膨脹する ア ノンキだね ♪生存競争の 八街（やちまた）走る 電車の隅ッコに 生酔い一人 ゆらりゆらりと 酒のむ夢が さめりや終點で 逆戻り ア ノンキだね お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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