新発想ビジネスヒントフォーラムWEB2.0

困った、実に困った。

破壊されたものは、どうしようもない。
これはパソコンなどと日々接しているために、意外に覚悟は
できていたりする。バイクも、事故はやまほど目撃している。
怪我がなかっただけ、マシという割り切りもできるだろう。
都会では、物品への愛着とか情緒的な執着にとらわれている
暇はない。放火されて炭混じりになった塊をどうするのかと
いうあたりから大変なのである。

まず、現場にきた消防署員や警察官のあの頼りなさはどうか。
信じがたいほど社会常識が希薄なのに驚く。どうやら二輪の
車両保険を目当てにして被害者とおぼしき私自身が放火の
実行犯である可能性を退けていないらしい。



現場到着直後、実害を被っている自分自身が発火の責任者ではないと
身の潔白を証明しなければならないという場面もあった。つまりは、
車両保険というものを誤認しているのである。二輪の場合、窃盗や
イタズラがあまりにも多く、自動車の場合と違い保険会社が奨めな
いし、また二輪の車両保険は対人対物に比べて高額である。

つまり私が不正に保険金詐欺を行うものか、どうかは車検証等の付帯
する証書をみれば判りそうなものなのだが、消防署員は何人もいるが
そのような実務センスのある方が見当たらない。なんども私の容疑性
に言及した質問を受けて、情けない。消火任務にあたった感謝の気持ち
も後退しかねない。私には、実害だけがあり到底保険で対処などの方途
はないのである。

次に、警察が被害届を歓迎しない。放火の被害届を提出したき
旨を述べるとさながら警察は住民に無理強いされるように言う。

つまりは、こうだ。

被害届を受理すれば、現場の刑事担当の未解決事件が増える。
上級の監督職であるキャリア、司法職からは未解決事案の処理
を追求されるばかりである。だれも知るように捜査費など名目
だけで、戦後営々とキャリアの私費流用がなされた伝統がある
わけで、それが自粛傾向にあるとはいえ刑事担当の側に潤沢に
流れているわけでもなかろう。こともあろうに、事件なのか
事故なのかをわたしに証明せよ、という。さらに放火であると
鑑識鑑定を、他ならぬ被害者である「わたし」がなすならば、
放火と認めようなどという口吻である。

ということは、（日本のとまでは言わないが）この地域の治安は
予想以上に悪いということではないか。それは体感で感じている
事なので、符合する。しかし、都会で餓死者が出ようが殺され
ようが、闇から闇で事件にすらされないというケースが猛烈に
増えているのだろうという事がますます今回印象強くなった。

実は、冒頭の「困った、困った」を述べようと思う前にこれだけ
困ったことが山積している。到底、身辺の困ったを描写するまで
に辿りつけそうにない。

持ち物や家財、住居に放火されようが家族にナイフで斬りつけ
られようが、都市部ではとにかく自助努力以外に打つ手はない
という処まで来てしまったように思う。


身辺の「困った」については、言及するつもりはない。

そんなものを数えてみても気が滅入るだけである。
第一報で、現場にかけつける時に脳裏に浮かんだのは
笑われるかもしれないが、あの柳澤 桂子女史の著作
「生きて死ぬ智慧」である。生きる死ぬにまでは至らぬ
のだから、あきらめるのが一番という事なのだろう。


形のあるものには形がなく
形のないものには形があるのです。
感覚、表象、意志、知識も
すべて実体がないのです。

お聞きなさい。
彼はこれらの要素が「空」であって
生じることもなく
無くなることもなく
汚れることもなくきれいになることもないと知ったのです。


ふと、脳裏にこの箇所が浮かんだが流石にこれは大袈裟だと思った。

長崎佐世保の小学６年生同級生殺人の被害者の父親などとは比較に
ならない。都会の些事である。


As God is my witness， they’re not going to lick me.
I’m going to live through this， and when it’s all over，
I’ll never be hungry again.
No， nor any of my folks.
If I have to lie， steal，cheat or kill.


人参齧りながら、荒畑で絶叫するスカーレットじゃあない。
また、稼いで新しいバイクに乗り換える。それだけの事なのである。

おたがい、よくできた慎み深い善男善女である。






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