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2005年09月10日
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実は、この土曜日。滋賀に住民票を移して3月にならない自分は投票権もなく
小泉民営化など何の関わりようもない。終日環境ボランティアで過ごした。

滋賀には、伊吹山という山がある。毎日眺めている自分には、神々しい存在とも
みえる。実は、滋賀県では最高峰ということになる。

県の環境保全課の呼びかけで、頂上付近でのボランティア活動があった。しかし
いわゆる労働奉仕というようなものではなく、環境テーマに感度のいい市民が
具体的に地域を踏み込んで学び取ろうという学習会に近い。

どのような世界にも斯界の権威者、という存在はあるもので日本自然環境保全と
いう全国組織があるらしい。その組織の県支部の役員の方の解説で伊吹頂上まで
登り、現地で最高の環境テーマの解説をいただけた。親米ポチの小泉劇場を物欲しそうに
眺めているより、余程精神の健常をいただけるというものである。

伊吹山は、全国的には知名度が低いかもしれないがこれがトンでもない霊山だと
いう気がする。日本で頂上の風速がもっとも強いのは、いわずと知れた富士山だ。
次が、蔵王で、なんと3位はこの伊吹山なのである。たかだか標高1377mの
山である。驚く他無い。古生代二畳紀(約2.5億年前)の昔、海底であった。その
証拠に頂上付近には海底火山の噴出物特有の岩石がみられる。それが若狭湾から
伊勢湾に向かう大気の通り道として、あたかも日本列島に風のノコギリが通る。
それが伊吹山なのである。「天下分け目の関が原」は、まさしくこの伊吹山の
麓の事件なのである。神話世界でも、この強烈な突風はイノシシに化けてあの
宝剣草薙の剣をすでに持ち合わせないでいた日本武尊ヤマトタケルノミコトを瀕死の深手を
与えてしとめてしまう。冬季に、関が原で新幹線を止めてしまうなど朝飯前と
いう事にあいなる。そのように講師は述べた。

日本の複雑な植物相、木草編を枚挙すれば6000種を超える植物種が存在する
と言われる。(牧野富太郎)実は、その2500種は滋賀に存在。伊吹一山で
1300種を擁している。一山で、これほど植物種に恵まれているものか。
世界には、一カ国でも1300種もの植物に恵まれていない事例には事欠かない。




牧野 富太郎(まきの とみたろう、
文久2年4月24日(1862年5月22日) - 1957年(昭和32年)1月18日)は、日本の植物学者。
高知出身。

「日本の植物学の父」と言われ多数の新種を発見し命名も行った、近代植物分類学の
権威である。その研究成果は50万点もの標本や観察記録、そして「牧野日本植物図鑑」
に代表される多数の著作として残っている。小学校中退でありながら理学博士の学位
も得、生まれた日は「植物学の日」と制定された。





しかし、人はわたしを含めて無知なもので無造作に来山しては、貴重な高山植物を毟って
持ち帰る人があとを絶たないらしい。

昭和天皇裕仁は、「この世に雑草などというものは存在しない」と常々述べていたという。

県の専門家の諸氏から、解説をいただいて散策してまわったがあの頂上付近のお花畑は
なにげに咲いているようでけしてそういうものではない。一木一草、すべて名前を数え
るように慈愛にみちた働きかけがなされている。いや、本当にそうなのである。伊吹山
の特異な環境が植物生態として南限を辛くも担任できているという種は、相当程度ある
らしい。それを地上から土足で歩きまわるというのが大それたことだとよく分かった。
カメラマンは、大型の交換レンズを持ち歩くのを嫌がる傾向があるらしい。当然三脚も
重い。彼らは、お花畑の柵を越えて高山植物に近寄り近接撮影を試みるらしい。これが
ゴミを持ち込む観光客以上に困る存在だという。最近は、デジカメを持参してくるが
ズームがついていない機種は、案の定お花畑に闖入する。それらの花を手折って持ち帰る
など、もう論外なのだ。国土についての犯罪行為というべきかもしれない。

かつて庄内拓明氏のサイトで教えられた、さざれ石も実は日本国内で流通しているものは
ここ伊吹山産のものだという。路傍の石ひとつとて、その奥深さには驚嘆する。ありていに
いえば、伊吹山その存在自体が「さざれ石」の巨大な山だといっても良いかもしれない。
(わたしが楽天日記に来るきっかけは、庄内拓明氏の紹介である。)

実は、困っているのは関係者だけではない。伊吹山には、美しい蝶が生息している。昨日
も、何度も目撃した。

かつて兵庫県伊丹の住民であったので、市の昆虫館でも館内を飛ぶアサギマダラとは
遭遇したものだが、こと伊吹山では雄大な景観のなかをこれが飛び交っている。実は、
この蝶は、渡り鳥ならぬ「渡り蝶」である。なんと伊吹山のみならず、遥か台湾や
シンガポールと往還しているというから驚きである。同一種が、単に生息域をアジア
全域にもっているという意味ではない。それぞれ蝶の個体が、日本とそれらの国を行き
来しているのである。彼らがこの伊吹山の頂上を飛来していることは、素人眼にも偶然
ではない。この植物生態系における、したたかな任務があるはずである。それが我々に
見えない。ただそれだけの事である。ところが、このカメラマンらが踏み込んで押し
つぶしている草々の中に、彼ら蝶が出会いを求めて想像を絶するような遠隔地からまるで
神話世界のような大遠征行の果てに、ついに果たせぬような重大な機会損を生じるケース
が多いらしい。いちど踏みしだいてしまえば、以後十年以上芽が出てこない植物もある。
事実、次第に伊吹山で飛び交う蝶のコースまでが変化するらしい。環境の劣化以前に、
観光客やウォッチャーの挙動が、それほど大きな変化が生じるとは日常思いもよらないの
は仕方がないが、彼らの側では現実なのである。花を毟るという行為が毀損する影響は、
地域やこの国土にすら微妙な影響を生じるものだと。そういう風に教えられた。







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最終更新日  2005年09月11日 18時56分15秒
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