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2007年02月24日
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 森井忠治.JPG

 

 

自分が、古いアルバムをくっているので皆さん昔を懐かしがっていると勘違いする。また、心療内科へかよっている人たちのように心が疲弊して、「自分捜し」をしていると間違って理解される事も昨今少なくないだろう。とんでもない。自分を捜さなければならないほど、暇人ではない。そもそも1歳から自分の内面を記憶している、この自分とは実に妙な野郎だ。捜しているのは、その時代の自分を取り巻いた「状況」という奴である。


とくに、いま我が一家では先に他界した親父という複雑なキャラクターが仕込んだ笑うしかない「手口」に振り回されている。


間違っても遺産相続などというめでたい話ではない。生きている女房、子供を振り回すためにものすごく緻密な設計を行っていて、次から次へとサスペンス小説も呆れるほど複雑怪奇な事件が勃発しているのである。どうも80年代ぐらいから暇と金にあかせて趣味のように家族イジメを計画していたらしい。嘘のようだが、本当の話である。


なにせ、繰り返すがわが両親は生前筆舌に尽くしがたいほど不仲であった。なんで夫婦のままで棺おけに這入ったのかも分からないほど、反目していた。こんな不仲な両親のあいだにも、自分のようなノー天気な野郎が生まれるというのも面白い。とにかく、鈍いというのもひとつの才能だろう。

子供の頃から、自分は横にしておいたら夜になるまで横になったままみたいに鈍い子供だったらしい。


なんだかコアラみたいだが、そういう証言を何人からも聞いたので間違いなさそうだ。なるほど墓の上で寝ていても、平気な理由が分かる。いわゆる霊的感受性は、ものの見事に皆無なのだ。両親は、なにかというと神だ、仏だ、霊魂だとうるさかった。そんなものを介在させるから、不仲になるのである。


自分にとっては、親父は可愛くてならない存在なのだが一方親父の方はといえば、少なくとも最晩年になるころには「ふざけやがってこのガキが」と一杯イジメ方を考案し、工作するのに余念がなかったのだ。事実が物語っている。幸運だと思わずにいられない。感受性の鋭敏な人間だったら、十代で自殺する人もいる。人間、多少鈍いぐらいのほうが気楽に過ごせていいのかもしれない。妹がいつも呆れていた。子供の頃、何を喰っても旨そうな顔をして食べているこの兄は、並大抵のアホではないと思ったそうだ。

もしかしたら、若い夫婦の画像からこのまんま「三丁目の夕日」の世界へ滑り込もうと思うそそっかしい人も多いだろう。なかなか、どうしてどうして。それほど三丁目の夕日が眩ければ今の日本がこんなにだらしなくなっていないという風にも考えてみるべきだろう。

しかし、考え方ひとつだ。

 

「これ」ぐらい鍛えられてこないと、コケた達磨さんのままで満足しかねない。

 

 

 

 

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最終更新日  2007年02月24日 13時12分31秒
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