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2007年06月24日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
tartaric2.jpg

自分が、シャルドネなどという葡萄の名前を失敬したHNを持っているので
あらためて言っておきたいのだが、けしてコルクに酒石酸がこびりついた
ような高級ワインを飲んで暮らしてきたわけではない。酒といえば、オヤジが
嫌いで飲まなかったウィスキーが納戸の裏にゴロゴロあったので小学生時代
から、ひたすらサントリーの御世話になっていた。ワインも、貰い物がすべて
寝かせちがって食酢に成り果てていて、なんと不味いものだと思っていた。
まして、テーブルワインばかりをひっかけても、酒石酸齧って通ぶったことを
言えるようなタマではない。

実は、この酒石酸Tartaric acid 示性式HOOC-CH(OH)-CH(OH)-COOHで、分子量
150.1のヒドロキシ酸だがなぜか、パスツールという著名な学者がからんでいる。


ご存知、狂犬病ワクチンの発明者なのだ。細菌学の神様のような大科学者である
ということは、昨今小学生でも知っている。そのパスツールが、なんとあの高級
ワインにかならずこびりついている酒石酸塩の光学分割について大業績をあげて
いた。



Pasteur.jpg


キラル (Chiral) もしくは不斉とは、右手と左手のように、鏡に映した時自身の
鏡像をどう回転しても自身と重ね合わせることができないことを言う。そして、
この性質をキラリティ (Chirality) とよび、キラリティをもつ化合物を不斉
(キラル)分子と呼ぶ。不斉分子には、一方は有用であるが、もう一方は毒性を
示すというものもあるため、一方の光学異性体のみを選択的に作る事が要求され
ている。


pasteur_tarta.gif


人の観察眼というものは、つくづく恐ろしい。大パスツールは、この酒石酸の
結晶をルーペ観察から、合成酒石酸とワインについている天然ものとのあいだに
大きな隔たりがあることを発見した
のだそうだ。

実は、この一件どうでもよさそうな発見はとんでもないスケールのでかい話題の
プロローグなのである。







1.靴を左右間違えて履けば履き間違いに気づくが、靴下を左右間違えて履いても
履き間違いに気づかない。
2.子どもが大人の靴を左右履き間違えても、履き間違い(左右の差)に気づかない。
3.靴下を履いている間、靴下は左右で違う形をしているが、脱いでしまえば靴下は
元の形に戻り左右の違いのない形となる。ただし、長い間靴下を履き続けるうちに
左右の違いが靴下に生じてくる。
「キラル」または「カイラル」(chiral)は、「手」を意味する。すなわち、手の
ように左右の区別があることをキラルという。
キラルでないものは「アキラル(achiral)」という。
右手を鏡に写すと左手になる。右手と左手とは別のものである。「キラル」は、
目に見えるもの(マクロ)にも、目に見えないもの(ミクロ)にも存在する。
クジラのような大きな物体から素粒子の世界まで、キラルな形態が存在する。また、
生物界にも非生物界にもキラルな形態が存在する。
これを表すために「カイロモルフォロジー(Chiromorphology)」という語を新たに
作った(「morphology」は「形態」を表す英語)。
            黒田玲子 東京大学大学院総合文化研究科教授/理学博士


アミノ酸の場合、左型のアミノ酸は私たちには苦く感じるが、右型のアミノ酸は甘く
感じる。この違いは、おそらく味を認識する味らいがキラルな形をしているので、
すなわち右足に左右どちらの靴が来たかを認識して、味の違いを感じるのである。
香りの感じ方も同様で、スペアミントとキャラウェーは互いに分子が鏡像対称である。
サリドマイドは鎮痛剤として服用されていたが、妊婦が服用すると胎児に奇形が生じる
として1960年代に問題となった。これはおそらく互いに鏡像対称である分子うちの
一方の分子だけが奇形を起こしたのではないかといわれている。
ダイエットに関心のある人はアスパルテームをご存知かと思う。アスパルテームは
二つのアミノ酸からなり、アスパラギン酸の左型とフェルアラニンの左型で構成される。
アスパルテームは砂糖の160倍もの甘さがあるといわれるが、アスパルテームを構成
する二つのアミノ酸のうちどちらかを右型に置き換えると苦くなる。
            黒田玲子 東京大学大学院総合文化研究科教授/理学博士







ひとつだけ、私のような市井の俗物にも驚嘆する話題がある

人間が、合成する酒石酸が左右つくりわけできるにもかかわらず、天然ものの酒石酸
が片側だけ、すなわち左型だけであるのはなぜだろうか。








化学の研究は生命の基本素材が比較的簡単に短時間で出来ると考え、宇宙広範起きる
と考えると、環境さえあれば、地球外生物は生まれていいはずだ―と考えられる。
1955~56年、欧米の実験で示されると宇宙に出かけていって調べて見たいとなった。
最初は月へ、アポロ計画で、2年後人工衛星が打ち上げられた。
1965年9月、オーストラリアのマーチソンで、隕石が見つかった。(―マーチソン隕石―)
そのころ、 日本の柳井さんは南極で、 氷は動くので隕石の墓場とも思われる、やまと
山脈の麓、川下に溜まっている隕石を採取した。これは「やまと隕石」といわれる。
南極の隕石(アランビルスで見つかったからアラン隕石といわれる)はアメリカでは
2000個持っていると知られているが、日本隊はやまと隕石を1000個近く得た。
さて、隕石(―マーチソン隕石―)の中から生命の素が見つかった。 隕石の中には
アミノ酸や核酸塩基 があった。
NASAはアポロ計画の月の石や隕石を無菌の部屋(バクテリアを通さないフィルターのある)
を作り気圧を少し高めにして保存した。
アミノ酸、1970年ごろのこと1マイクログラムを精度を上げて分析した。道具・フラスコ
は使う前によごれを焼き、試薬の中からアミノ酸を取るかが、大事となった。
彗星の尾のスペクトルからアミノ酸の中間体のシアン化水素、アルデヒドが見つかった。
これらは、アミノ酸合成材料である。 そして彗星の核の中にはアミノ酸が出来ている
ことが解った。
                   大島泰郎(東京薬大教授)








われわれの肉体は、たんぱく質で出来ている。皮膚も、筋肉に、骨もみなこのたんぱく
質の千変万化の「巧み」によって出来上がっている。人の世の愛憎劇も、みなこの
たんぱく質の仕業だ。まあ、それほど感傷的にならなくてもいいのだが、なんとこの
われわれ生物の構成要素である、アミノ酸(つまりたんぱく質のエレメント)が、
なぜか左型だけなのだという
。その理由は、この世ならぬ宇宙の彼方からやってきた
とんでもない大旅行の果てに地球に降下してきたもので、それがどれもこれも左型
だったのだと。


46億年ほども昔、隕石とともに降り注いできた。それがわれわれの起源なのだというのだ。




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2006年3月17日のアーカイブスです。






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最終更新日  2007年06月24日 12時54分01秒
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