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新年が冬来るのはいい。
時間の切りかへは縦に空間を切り裂き 切面は硬金属のようにぴかぴか冷たい。 精神にたまる襤褸をもう一度かき集め、 一切をアルカリ性の昨日に投げ込む。 わたしは又無一物の目あたらしさと すべての初一歩の放つ芳しさとに囲まれ、 雪と霰と水と霜と、 かかる酷寒の一族に滅菌され。 ねがはくは新しい世代というに値する 清潔な風を天から吸おう 最も低きに居て高きを見よう。 最も貧しきに居て足らざるなきを得よう。 ああしんしんと寒い空に新年は来るといふ。(高村光太郎) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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