カフェ・ヒラカワ店主軽薄

2008/02/02(土)20:30

寂れても浅草。

今月はアメリカ行きもあり、 箱根温泉麻雀もあり、 いや、俺が代表をしている会社二社の決算月でもあり、 遊んでいる閑はないのである。 (麻雀は遊びではないのか) それでも、昨日はアゲインのマスター石川くんに誘われて 浅草東洋館、『マイダーリン浅草ニコニコ大会』へ。 前田隣さん、米粒写経を見る。 東洋館は、以前『フランス座』というストリップ劇場だった小屋である。 向かいには『カジノ座』、表通りには『ロック座』。 この三軒のストリップ小屋は、 おれが大学生のころに、随分お世話になった。 一週間に一度、鶯谷からバスにのって 荒川沿いにある理髪店の娘さんの家庭教師に通っていた。 日払いの家庭教師で、そのきんすを握り締めて いつも帰りに浅草でストリップを見学したのである。 不埒な家庭教師である。 前田さんも言っていたが、浅草はすっかり寂れてしまった。 当時(35年前)は、あちこちに幟が立ち、 遊興の人びとが行きかっていた。 確かに寂れてはしまったが、 往時の匂いだけは、ふとした店の軒先の風景や、 たとえば、東洋館のトイレの風情(「お便所」の張り紙)に 残っている。 鼻先がツンとするような、時間の匂いである。 東洋館の階段を上がって、驚いた。 あのデーブ川崎が、 モギリをやっていた。 「いったい、川崎さんというひとは・・・」 あの川崎さんといっても、判る人はいないかも知れないが、 かれこそ俺がこれまで会った多くの奇人変人才人の中でも飛びぬけて 不思議で、面白いひとなのである。 先だって『ラジオの街で逢いましょう』にご出演いただいているので 近々にインターネットで、その片鱗を聞くことができると思う。 外は寒さが身にしみる季節になったが、 マイダーリンこと前田隣さんの芸を見ながら 俺はなんだか暖かい気持になった。 こういう芸人を、実際に見ることができる幸せを感じるのである。 ナンセンストリオも面白かったが、ピンで老いて行く前田さんからは もっと大きなものをいただいているような気持になった。 大げさかもしれないが、生きていく糧のようなものだ。 舞台がはねて、寂しい浅草の町を歩く。 これまた懐かしい洋食の「ヨシカミ」でハンバーグを食いながら反省会。 明けて今朝は 気になっていた庭園美術館『建築の記憶』。 写真展である。 「東京カテドラル」「光の教会」「オリンピックスタジアム」「江戸城」 「紫禁城」そして「桂離宮」 建築に関しては、全くの門外漢であるが 「桂離宮」の美しさには心を動かされる。 いや、逆に心が静まる。 タウトは、この美をよく発見した。 俺は、唐突にモンドリアンを思った。 ひょっとして、モンドリアンはこの建築の美が頭の中にあったのではないか。 午後は、四谷石響にて、ラジオデイズ落語会。古今亭菊六。橘家圓太郎、柳家小満ん。 手堅い、古典落語の世界を堪能。 落語の空気を身にまといながら 家の近くにあるカフェ D&Department Project で コーヒーを啜りながら独り反省会。 仕事片付けなくていいのか。

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