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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

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2008.03.11
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カテゴリ:ヒラカワの日常
古い町の商店街が気になる。
『寺島町奇譚』を折に触れて読んでいるので
なおさら、商店街が気になるのである。
先日テレビで青井兵和通り商店街の朝市が取り上げられていた。
毎月第四日曜日の早朝7時に、
この足立区の北のはずれ、北千住から荒川を越えたところ
に位置する商店街に
大勢の人がつめかけ、ちょっとした喧騒ができる。
テレビ画面の中で、道行く人々は、
揚げ豆腐の肉詰めとか、お好み焼き、揚げたてのコロッケを
ほおばりながら、袖刷り合わせる風情である。
湯気を立てているおこわが食欲をそそる。
焼きそば、おでん。焼き鳥。
こういったものが揃っているのがうれしいのである。

青井という街について俺はほとんど何も知らない。
銭湯が三軒あって、薔薇の咲く公園もある。
新興住宅街ではないが、伝統のある街であるわけでもない。
それでも商店街は三十年以上の歴史があるという。
「兵和」とは奇妙な名前であるが、
この地を開拓した先祖の名前に由来するらしい。
つくば新線が開通して青井駅ができた。
昭和の雰囲気の残る商店街として、マスコミが取り上げるように
なったのだと思う。
団地ができ、そのうちスーパーが出店するかもしれない。
この商店街も、普段は閑古鳥が鳴いているのかもしれない。
よくはわからない。
町は、そこに暮らしてみなければ本当のことは何もわからない。
土地勘が重要なのである。
この地に土地勘のない俺にとっては、こういった町は大変魅力的だが、
どこか幻影の町といった儚さが漂う。
それでも、こういった商店街がいまだに残されている町が
あるというのは、どこか気持がやわらぐ。
武蔵小山もそういう町だ。糀谷の商店街もそうだ。

隣近所の小さい経済で支えられた町である。
百円玉が存在を主張できる場所である。
中野翠さんにならって、俺も言いたい。
この世には二種類の人間がいる。
小さい経済に価値を見出すものと、
大金を動かすことにしか価値を見出せないものと。
古い町に暮すことに喜びを見出すものと、
古い町を壊すことに喜びを見出すものと。
まあ、そういうわけだ。








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最終更新日  2008.03.11 23:15:30
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