カテゴリ:ヒラカワの日常
この小説は様々な解釈を可能にする寓話の織物のように構成されているのだが、太い一本の思想のようなものが背後に流れており、それは大変重要なことを告げているように俺には思える。重要なこと? それを一言で言えるなら小説などは不要だろう。 小説という形式、物語という形式でしか言うことのできない、 戦後日本の、日本人の精神の劇というものがあるということだ。 そして、この作品こそ、戦後日本文学の最高の到達点のひとつだと 俺は今回はっきりと認識したのです。(遅いってか。) 村上春樹は、俺が思っていたよりずっと重要な作家であり 文体から受ける手触りのよい印象とは別の ごつごつとした思想を、力技で引き伸ばすような重厚な作家なのかもしれない。 恥ずかしながら、自作が出版された。 書店に並ぶのは今週の日曜日ぐらい。 アマゾンでは、もう買えるようになっています。 『反戦略的ビジネスのすすめ』の新書版です。 前書きでこんなことを書いています。 「本書は、それがわたしでなくとも、誰かが書かねばならなかった本であり、 その意味でも書店の書棚にもう少し生きながらえさせても、 とりわけ公正さを欠くとは言えまいと思った」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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