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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

カフェ・ヒラカワ店主軽薄

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2008.07.24
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カテゴリ:ヒラカワの日常
お暑うございます。
もう、何もする気がしない。
俺はこんなに、夏に弱い生きものであったかと思う。
まあ、それでも、耐えて仕事はしなければ、釜のふたがあかない。
どんなに暑くともスーツにネクタイでないと気合というものが入らない。
エコだかなんだか知らぬが、クールビズとかいうものは駄目だね。
暑いからといって、ブリーフいっちょうで空手の稽古はできない。
寒いからといって、股引をはいて稽古はできない。
空手着は、暑さ寒さといった身体感覚を、別の次元へ送り届けるための
儀礼的な装置でもあるのだ。
ビジネススーツも、日常からビジネスの時間へと次元を変化させる
儀礼的な衣装でなければならない。

クールビズ。
誰が言い出したのか知らないが、
衣装と身体の正しい関係について知らない
浅薄な合理主義者の考え出したことに違いない。
クールビズと言い出した奴は、
根本的に、衣装と言うものに対する敬意を欠いていると思う。
どんなに暑くとも、
それが正しい衣装であるならば、
衣装の筋を通すべきだろうと思う。

バブルの絶頂期に、金融長者になったビジネスマンたちが
スーツとノーネクタイのシャツでマスコミに登場したが、
俺は、あの今風、成金風、チンピラ風が許せなかったのである。
そこには、浅薄なスタイル以外の何もないからである。

俺?
恥ずかしながら、よれよれズボンに
柄シャツ、上着というスタイルであり、偉そうなことは何も言えない。
ただ、毎日深く、正しき衣装に恥じ入りながらバスに乗っているのである。

大好きな映画監督、成瀬巳喜男の作品について
片岡義男が書いた『映画の中の昭和30年代』を読む。
片岡という人の文章を読むのは始めてだが、
『スローなブギにしてくれ』の頃には、なんとなく俺は敬遠していた。
最近の彼の書くものは、当時のものとはだいぶ趣を異にしていると
誰かが書いており、しかも成瀬巳喜男について書いていたので
興味をそそられた。
その片岡がなみなみならぬ気持を注いで書いているのが『銀座化粧』である。
さっそく、そのDVDを購入して先ほど見終わったところである。
失われた日本、失われた東京の景観、失われた時間が
モノクロームの画面の中で息づいている。
もはや、1951年(俺は一歳)は、幻影としてしか存在していない。









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最終更新日  2008.07.24 23:50:19
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