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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

2017.09.22
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カテゴリ:ヒラカワの日常
『その日暮らしの哲学』(仮)という本を書いています。
年内には書き上げるつもりですが、その中からすこし、抜き書きしてみましょうか。
こんな感じです。

ところで最近『負債論』っていう本が出たので、読んでみました。
「負債」で、世界を説明してしまおうという大著です。ものすごく厚い本です。
ですから、いくつかの重要な章以外は流し読みなのですけどね。でも、この本はとにかく面白くて、こちらの興味のあることが次々と出てきます。

一言で言えば、世界の歴史や現代のシステムを「負債」という言葉で説明してしまおうという本です。同時に、わたしたちが現在考えているような負債の概念そのものをひっくり返してしまうようなことが書かれているのです。

 たとえば、この本の中でデンマークの著述家ピーター・フロイヘンの『エスキモーの書』が紹介されます

ある日、セイウチ猟がうまくいかず腹を空かせて帰ってきたとき、猟に成功した狩人の一人が数百ポンドの肉を持って来てくれたことについて、フロイヘンは語っている。彼はいくども礼をのべたのだが、その男は憤然と抗議する。そして、こんなことを語りだしたのです。
その狩人はいった。「この国では、われわれは人間である」。「そして人間だから、われわれは助け合うのだ。それに対して礼をいわれるのは好まない。今日はわたしがうるものを、明日はあなたがうるかもしれない。この地でわれわれがよくいうのは、贈与は奴隷をつくり、鞭が犬をつくる、ということだ


いやあ、面白いですね。日本にも、「困ったときは相身互い」なんていうことばがありますが、「負債」というのは、人間にとってそれほど、本質的なものなのかもしれません。イヌイットにとって、「負債」と「返済」あるいは、「贈与」と「返礼」といった等価交換は、人間がするべきものではないと考えているかのようです。負債の計算をすれば、それは奴隷をつくることになり、犬をつくることになるのだということですね。






最終更新日  2017.09.23 23:32:09
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