昭和歌謡噺と、アーキテクト養成講座。
昨夜に続いて、昭和歌謡噺でのご機嫌伺いである。温泉で、芸者をあげて、さあ無礼講という場面で流れるのが「チャンチキおけさ」だと、俺は、何となく思っていた。ガード下の屋台で、上司に対する罵詈雑言で盛り上がり、小皿叩いて怒鳴るように歌うのがチャンチキおけさであると。それがとんでもない勘違いだとわかったのは随分経ってからのことである。だいぶ以前の話だが、ラジオを聴いていたときこの歌を歌う三波春夫が意外なことを言っていて、それが妙に心に残った。三波春夫は、こんな風に言葉を切り出したと思う。「こんな悲しい歌はありません。にぎやかで、陽気な歌だと勘違いされている皆さんが多いのですが、これほど、悲惨で、孤独で、暗い、つらい歌はありません。」え。どういうことなんでしょという気持ちで、俺はかれの呟きを聞いたように思う。で、もう一度歌詞を反復して見る。時代は、1957年。俺は1950年うまれなので、七歳ということになる。かすかな記憶のかけらがまだ、身体に残っている。日本が、戦前よりも貧しかったと言われた戦後の数年間を経て、相対的には安定期に入りかけた時代の話である。川本三郎に言わせればベルエポックということになる。しかし、戦争の傷痕が癒えるに従って、新たな敗者も生まれてくる。 月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろにがさ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさ せつなや やるせなや ひとり残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬすまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身を責める 故郷を出る時 もって来た 大きな夢を 盃に そっと浮かべて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ 涙で 曇る月これが、陽気で、馬鹿騒ぎの歌と思われているチャンチキおけさの歌詞である。浪曲師三波春夫の歌謡曲デビューであった。ここにあるのは、出稼ぎや、集団就職で東京へ出てきたが、芽が出ない敗残者の嘆き節である。無産で、無国籍な人々が吹き寄せられた場末の風景である。やけっぱち、というよりはデスペレートな空気が全体を覆っている。とても、芸者をあげて大騒ぎする歌ではない。そうやって、もう一度、この歌を聴いて見る。聴いて見るといっても手元にレコードがあるわけではない。頭の中で路地裏の屋台に並ぶ酔客の顔を反芻するだけである。三波春夫は確かこんなことを言っていた。「どうやって、この悲しみを表現したらいいのか。そこが悩んだところでした。」いや、記憶は定かではない。それにしても、こんなに暗い歌がヒットしたということは覚えておいてよいように思う。三波春夫という人は、きんきらの着物と、手ぶり身ぶりが妙につくりものっぽく、東京五輪音頭や万博音頭なんていうチープな歌を歌っていたので誤解されやすいのだが、歴史研究をライフワークとした学者でもあったらしい。今は流行らない暗い情念なんていうものが生きていた時代の話である。***************************************第1回アーキテクト養成講座のご案内 主催:ITAA *************************************** JAVA言語が登場した当時にこれほどまでにJAVA言語がITインフラに浸透することを誰が予測できたでしょうか。元々Sunmicrosysytems主導で開発されてきたJAVA言語ですが、現在その言語仕様をJCPというオープンコミュニティーでの策定に委ね、信頼性・可用性・有用性、監視と管理容易性、高性能と拡張性、開発の簡易化をテーマに多くの改善提案を受けました。そして、多くの開発者の期待を受け、J2SDK5.0(Tiger)が誕生しました。JAVA言語自体はJAVAアーキテクトにとって当たり前の基礎技術ですが、Ver1.5からVer5.0への大きなバージョンアップが示すように、今回の変更点はかなり大幅であり、別言語と言える部分もあります。アーキテクトだからこそ身に付ける必要がある技術であり、また今後のアーキテクチャ策定にも大きな影響を与えるテーマと思われますので今回はJ2SDK5.0を取り上げたいと思います。下記のとおり初回講座を開講いたしますので是非ご参加ください。 記 講義内容: 1. 総論:J2EEアーキテクトの技術体系 2. JDKの変遷 3. J2SDK5.0の概要 4. 機能(Generics、Annotation、列挙型、拡張For文、Autoboxing/Un-autoboxing、その他) 5. J2SDK5.0のアーキテクチャへの適用 *尚、内容は変更される場合があります。予めご了承ください。 日時: 2005年7月5日(火) 13:00~17:00 場所: 株式会社リナックスカフェ 2F東京都千代田区3-13-2 リナックスビルhttp://www.linux-cafe.jp/biz/linuxcafe.html?k=4 人数: 先着20名様 費用: 5,000円 申し込み 方法:リナックスカフェWEBサイトのフォームからhttp://www.linux-cafe.jp/architect/apply.html必要スキル: 詳細は申込HPご参照 講師紹介:JAVAアーキテクト 平林憲林(ひらばやしけんりん) 大手SI会社にてオブジェクト指向によるシステム開発に従事する。1995年にJAVAに出会い、一目ぼれ。JAVAの全てを知るために、JAVAと寝食を共にする甘酸っぱい日々を多く過ごした経験を有する。JAVAアーキテクトとして1998年ごろから本格的に多数のWEB系エンタープライズシステムを手がける。2000年ごろより、アーキテクトの必要性を認識し、アーキテクト職が認知されるようアーキテクトの育成を様々な方面に提言する。2001年6月にオブジェクト指向技術に特化した開発会社である有限会社ドリームファクトリーを設立。その後、株式会社ドリームメカニズムに増資・組織変更。現、代表取締役社長。技術雑誌などで執筆活動も行う。