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　先週、神戸に住む姉からメールが来た。「代々木でコンサートがあるので、日曜日に新幹線で東京へ行って、新宿のワシントンホテルで1泊する。」とのこと。ちょうど私の仕事も先週で片付き、月曜日なら時間があるので、姉に会いに都内まで出ることにした。

　姉はラルクのファンなので、ラルクのコンサートかと思ったら、ラルクのハイドがやっているヴァンプスのコンサートらしい。ついにこっちまで追っかけて来るようになったか。姉の若さはそういうパワーから来てるんだろうと思う。昔から好きなシンガーやバンドのコンサートはどんどん行ってたし。

　姉の泊まっているホテルで待ち合わせて、1年ぶりに会ったが、なるほどヴァンプスってこういう系統のバンドなんだと思わせるような、パープルと黒の組み合わせの服装に帽子。元気そうだった。
「あんたの行ってた学校ってこの辺にあったよね。行ってみる？」
と言ってくれたので、一緒に行った。

　学内をぶらっと歩きながら、購買部に用事があったので立ち寄って、それからルミネやモザイク通りを歩いて、カフェに入ってお昼を食べながら取り留めのない話などを。姉の長男は去年結婚し男の子が生まれたのだが、今度二人目が生まれるらしい。姉は結婚して翌年から3人年子で子どもが出来たから、その流れを受け継いでいるのかもしれない。

　姉と二人でゆっくり話をするのは何年ぶりだろうか。去年会った時は姪の結婚式で慌しかったし、実家で会っても母と姉がずっと喋っているので、私の話す間はない。考えてみたら一昨年姉が横浜に来た時？って思ったけど、その時はえりちょを連れていたから、二人でゆっくり話すってわけでもなかった。だから東京に来るっていう連絡をもらえて嬉しかった。

　姉とは歳が少し離れているせいか、二人で一緒に出かけたりするようになったのは、私が高校生になってからだ。でも姉は私が大学3年の時に神戸に嫁いだので、ほんの5年ほど。義兄が生前に東京に転勤になっていた数年間は、姉は実家のすぐ近所に住んでいたのだが、その時は私が独立していたので、たまにしか会えなかった。

　はっきり言って、趣味は全く違うし、好みの服も違うけれど、気付けば私は小さい頃から姉の好きな洋楽を散々聴かされ、ビートルズやカーペンターズの歌は耳から覚えてしまって、歌詞の意味は知らないのに歌えたりする。姉の聴いてきた洋楽がいつか自分の思い出の一部分になっていて、どこかで耳にするとすごく懐かしかったり。姉の影響というのは大きい。

　そんな姉だけど、私が中学生くらいのころから時々作っていた人形やマスコットを可愛いと褒めてくれたりしたので、よく姉には作ってあげたりした。だから今日も姉にあげようと原毛フェルトで赤ちゃんパンダを作って持ってきた。姉が可愛いと喜んでくれるのが嬉しいから。考えてみればそれが原点だったのだろうか。やはり姉の影響は大きい。

　姉も帰りの新幹線の時間が近づき、私も帰宅時間が迫ってきたので、新宿の駅で別れた。今度はいつ会えるかと思うと、姿が見えなくなるまで見送ってしまう。神戸がもっと近かったらいいのに。