企業の大採用難時代。転職するなら今、は本当か。
景気回復の明るい話題とともに増大する企業の人手不足感。バブル期を超える勢いだという。今、個人的に人材系企業の株価に興味がある。「人材ビジネス」は比較的新しいジャンルで多くの有力企業は新興市場に上場している。最大手のリクルートが非上場企業のため、上場企業の多くはイマイチなじみがない企業が多い。とはいえ、まず間違いなくおこる人材獲得競争を背景に、確実な成長が見込める就職・転職市場。これからが楽しみ。企業の大リストラ時代には、再就職支援のチャレンジャーグレイクリスマスやドリークビームモリンなどアウトプレースメント会社の勢いに押され気味だったが、もはや人材ビジネスは専業でやっていくには雇用形態や就業意識が多様化する現在では成長が難しい時代。そういった意味で、再就職支援を専業で展開してきた企業は構造転換の対応に遅れをとっているように見受けられ、逆に総合的な人材ソリューションを提供する会社には追い風が吹いているように思う。以下、気になる人材ビジネス系企業。・アルバイトタイムスアルバイト情報誌DOMOを発行。求人情報フリーペーパーの先駆的存在。・インテリジェンス人材紹介、派遣、アルバイトと人材ビジネスを多角化。・エンジャパン転職サイトenを運営。・キャリアデザインセンター転職誌Typeを発行。転職サイトも運営。・クイック自社媒体を持たないリクルート媒体の代理店。紹介事業も。今回の景気回復は本物。利益のでやすい体質に改善され、筋肉質になって本業で攻勢をかける企業がいま一番注力しているのが、設備投資と人材確保。残念ながら仕事のできない人をいつまでも厚遇する会社、成果を残せない社員をいつまでも置いている会社は競争力、社員の就業意欲が低下しいずれ淘汰される。外資系企業の人事がシビアだとよく言われてきたが、欧米だけでなくBRICsとのグローバルな競争が激化し続けている今、日本の人事制度も今までのままではまずいという危機感が強い。松下電器の急回復は安定雇用との決別の成果。SONY,SANYO,PIONEERもリストラで苦境を乗り越えようとしている。さまざまな産業において、競争はボーダーを越える今、変化に対応できる柔軟性とスピードが企業に求められ、働く社員にも高い意識が必要になる。そのため企業の人材選別の目はさらに厳しくなるのではないか。企業が社員の能力をシビアに見る時代、人手不足だから転職しやすいのでは?というのは甘い考えだと思う。バブル期とは違い(知らないけど)、「量」も求めるけど、確実に「質」も求められている。そこには確実にバブル期の失敗の教訓が生かされ、過ちを繰り返すことを嫌う日本人気質(そうあってほしい)もはたらいてることだろう。転職理由はいろいろあるだろうけど、評価制度が不当、成果を出す人と出さない人との評価がなされない等、会社の人材マネジメント能力の欠如を事由にすると有効のように思う。もちろん、本人の対外的な評価(労働市場での客観的評価)も重要であるが、人事担当の心理としては、劣悪な環境から救い出してあげるという正義感もあり、そこをくすぐるのではないか、とも思う。劣悪な環境からの転職者ほど高い帰属意識・モチベーションを期待できるし、そこ(経営陣の問題点)は絶対アピールすべき。ここ数ヶ月、実際に取引先同士の仁義なき人材の引き抜き合戦が繰り広げられている。今日、ソニーが間接部門(技術者以外)で早期退職を募集したとの報道があったが、技術者の流出は避け、間接部門をリストラの対象とした対応は、現在の人材市場をよく反映していると思う。今後、会社経営に必要なのは人材マネジメント能力。有能な社員の流出を防ぎつつ、技術伝承のために人材を育てつつ、即戦力の人材を採用する。これら人材マネジメント業務には専門会社の支援が必要。やっぱり人材系企業は「買い」だ。