2011/05/25(水)17:31
高品質・良食味を重視した「ひかり新世紀」
我家の田植えは先週初めに終わったのですが・・・・まだ全部終わっておりません
現在は「解禁日待ち」なんです
解禁日????
その訳はこうなんです、自宅は2品種を栽培しています。
一つは「ひとめぼれ」という品種で導入されてから10年は経過しました。
導入当時はあまりにも短期間の早熟で9月初旬の刈取りです。
「この暑いのに・・・・蝉の声を聴いての稲刈りとはさぞやご先祖様は腰を抜かして驚かれるのではと思いました」
早い品種は得てして「早かろう、不味かろう」だと相場が決まっていますから飛びついてまで取り組む気はしませんでした
しかし、西日本は台風は付き物ですね、来る前に刈り取れ! これも一つの作戦かもしれません。
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<等級とは>
コメの品質のは当然1,2,3等と品質のランクがあります。
(1等違えば30kgで買い入れ価格が400円ぐらい異なるでしょうか・・)
その等級の検査は食味して決定する仕組みにはなっていないのです、籾摺りを行ってそのお米の粒の「外観検査」・・・・・・で決まることになっています
ですから外観がきれいならどんなに不味くても1等、器量が悪かったらどんなに美味しくても2,3等となってしまうのです。
一般的に砂が混じった土壌では綺麗な米だが不味いという性格をもっています。
その証拠に農家でありながら砂場の土壌のため米作は諦めて畑作専業とし(ネギつくり)お米は大山山麓のコメを購入する農家もあると聞いています。
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脱線しました
人気の「コシヒカリ」の遺伝子を99.9%含んだ「ひかり新世紀」が地元鳥取大学で開発されて3年がたちました。
<この特徴は>
1.短稈(背丈が低い)の品種にコシヒカりを9回交配した品種。
2・コシヒカリより、稈長(穂より下の茎の長さ)が15~20cm短いのが特徴です。
その他の特性は基本的にはコシヒカリと同じという事です
すなわち
いもち病に弱い
高温条件で登熟すると、乳白米が発生し易い
食味は従来のコシヒカリと同等である。
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従来のコシヒカリには重大な欠点がありました。
それは「背丈が長く倒伏し易い」ということでした
入念に作れば作るほど倒伏し易かったのです。
倒伏すれば減収に結びつき当然実入りが悪くなりますしコンバイン脱穀には不向きとなってしまいます。
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これが致命傷だったのです、台風も来ないのに朝露にびっしり濡れると頭が重たくなりだんだんと将棋倒しのように田圃一面がペチャンコの姿を何回もこの目でみてきました
こしひりが美味しいと云われる最大の特徴はもち米の成分が入っているという事です。
もち米はどんな品種でも長稈なんですね・・・・
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3年前この「ひかり新世紀」を鳥取県西部地方のブランド商品としようとJAで決定し契約栽培をすることになりました。
販売先は大阪市場とのことです。
栽培面積は当初(平成21年)は150Ha、 昨年は300Ha 今年はいくらぐらいなのか解りませんが順調に増加していることは確かなようです。
この「ヒカリ新世紀」の好評を得んがために耕作者は一つの基準(栽培指針)を作っています。
高品質のコメを作ろう(カメムシ、乳白米の除去)そのためには
★1:登熟期は夜間25度以下になるようにするには田植えを5月25日以降とせよ
★2:過剰な肥料を与えない
(肥料を与えれば当然収穫は上がりますが窒素成分を含んだ穀物は味が悪い)
この2つを徹底して「食味の低いもの出さない事が必要!」
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以上の理由でじっと我慢して解禁日の25日を待っているのです。
しかし、お隣さんは自宅よりも遅くなって田植えを始められたのにもう全部終わってゆっくり一安心されているのはなんとも面白くないものですね・・・・
今日は「ヒカリ新世紀」の裏話をいたしました。