2019/04/13(土)17:50
遠藤周作 著「決戦の時」を読んで・・・
歴史小説、特に戦国時代を題材とした小説が好きでよく読んでいます。
ときどきお昼休みを利用して勤務先近くのブックオフに行くのですが、そのブックオフでたまたま210円コーナーにあったのがこの本です。
遠藤周作といえば、数々の代表作品があり、狐狸庵先生のシリーズを読んだことがありました。
遠藤周作の歴史時代小説は、読んだ記憶がなかったので、購入して読んでみることにしました。
購入した「決戦の時」という小説の主人公は織田信長です。小説は、信長が自分の領地である尾張の国を織田家の一族と争っているところから始まります。
一族との戦いを勝ち抜いて、次は桶狭間で今川義元を破り、さらには浅井・朝倉連合軍を撃破するという快進撃を展開します。
小説には木下藤吉郎も登場して、いろいろと活躍するのですが、ほかの織田家の重臣たちは柴田勝家を除いて、ほとんど登場しません。
つまり、丹羽長秀や明智光秀、さらには滝川一益などが活躍する場面がないのは、ちょっと物足りません。
というよりも妹のお市の方がたびたび登場して、実の兄である信長に対する葛藤がわりと詳細に描かれています。
信長を題材にした小説とは言いながら、有名な本能寺の変まで描かれておらず、本能寺の変の前までで小説が終わってしまうという展開です。
まさか信長の小説で本能寺の変が書かれていないとは思ってもいませんでした。
小説そのものはそれなりに面白いのですが、本能寺の変がないのは消化不良といった感じでした。