カテゴリ:つれづれ
昨日の読売新聞の記事(「超少子化を語る」)で、
俵万智さんの「プーさんの鼻」が発売されているのを知った。 以前から、早く本にならないかな、と待っていたくせに、 昨年11月にとっくに出ていたのね…ショック。 この辺りが「本屋過疎地」に住んでいる哀しさ。。。 で、どうしてもすぐ読みたかったので、 県内では比較的「本屋充実都市」に通勤している夫にメールで頼んだ。 帰りに買ってきてもらえればそりゃ、アマ○ンより早いし。 そして「タイトルだけ見て子どもの本コーナーに行っちゃったよ」 というプリティな夫の手から奪い取り、早速読みふける私。 ぐりとぐらが走り回っていたので、全部読めなかったけど、 ついさっき夜明け前、一人静かに読み終わりました。 で、予想はしていたんだけど…泣いたわ。。 「泣ける本」が流行っているそうだが、今の私が泣ける本はこれだった。 もちろん、今の私が子育て中で共感しまくり、だからでしょう。 子育てしたことある人なら、読めばわかる内容です。 又は懐かしいな、忘れてたな、と新鮮な気持ちになれると思う。 特に男の子のお母さんには「坊や」という言葉がたまりません。 あと「こんなに可愛いけどいつか私から離れていく」というスタンス、 これがあちこちで感じられて、ううっ!ときます。 だけど、彼女が書いたのでなければ、 「ふんふん」とは思えど、泣くことはなかった、かもしれない。 俵万智さんは、ちとお姉さんだがほぼ同世代で、 一世を風靡した「サラダ記念日」が出た時、私は大学1年生。 あの衝撃は今でも忘れない…以来ずっとファンだから、かもしれない。 短歌に心得があるわけでもない私、彼女の本だけは買っている。 作品も俵さん自身も大好き、あんな姉が欲しかったという程に。 そしてできれば、神奈川県立橋本高校で教え子になりたかった。 こんな私って、もしかして…ちょっと変? そんな(どんな?)私だからこそ、 思いがけず「俵さんと同時進行で出産育児ができること」が幸せ。 (息子さんは、ぐらと同級生。知り合いでもないのに嬉しい。) だってこうして、また新しい作品を世に出してくれたし。 本当に「よくぞ産んでくれた、よくぞ書いてくれた」 という気持ちでいっぱいなのだ。もっとどんどん書いてください! もしかして、私もどちらかと言えば遅い出産(初産は33才)で、 出産・育児を経験しない人生もあり得たけど、 縁あって子を授かり、そして心から良かったと思えている、 という背景が、私をこんなに泣かせるのかもしれない。 独身のまま、出産経験のないまま、この本を読んでいたら? どんな風に感じただろう。それがわからないのがちと残念。 前出の新聞記事で俵さんは、 「出産・育児は女性にとっての自己実現」とおっしゃっているが、 そうなのかもしれない。そう言われると思い当たる気がする。 子ども嫌いだった私が、どうしてこんなに子どもを愛おしいと思えるのか。 ぐらを産んで以来、なぜこんなに3人目が欲しくてたまらなかったのか。 今はまだ答えが出ないので、ちょっとほとぼりが冷めてから考えよう、 と思っていたのだが、「自己実現」という言葉はヒントになりそう。 私には「伝えたくてもどうもうまく伝えられないこと」が、 この本にギュっとつまって、短歌として並んでいるという感じだった。 「子育ってっていいわよ~」という押し付けがましさはゼロ、 ただ淡々と、子がいる日常風景を短歌にしているだけなのですが、 それがかえって、自分の風景とだぶらせやすくしているのかも。 短歌なので、行間があるのがまた良い。 この行間で、涙がポロッと出る気がする@マタニティーブルー? 著作権侵害はしたくないので、気に入った作品も載せないけど、 子育て経験があり、俵さんが嫌いでないなら、是非お勧めします。 子ども関係以外の短歌も掲載されていて、これがまた良いです。 今の私は恋愛モノは響かないので・爆 「弟の結婚」が良かったかな。ここでもまたポロポロ来ました。 俵さん、家族の色合いが強いところも共感できるのかも。 子ども短歌にも、お父さんお母さんが登場していて、泣けます。 「もしかして出産しない人生だったかもしれない娘が出産した子」 という、ヤンママできちゃった婚にはない感慨もあることでしょう。 (って、それは実はうちの両親のことだったりするが) 話題になった「シングルマザーである」ということも、 いくつかの短歌でちらっと感じられます。 シングルマザーの気持ちはわからないくせに、なぜか、 一番グっと来たのは、その辺りが垣間見える作品だった私。 いや~、久しぶりに読みたい期待を裏切られない1冊でした。 大事にしよっと。同じく俵万智ファンの母にも贈ろうと思います。 最後に調子に乗って一句… 「プーさんの鼻」読み涙ぐむハハをまたいで走り回るぐりぐら(字余り…) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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