2011/05/08(日)09:45
浦和レッズVS柏レイソル 完成度の差
雨の国立競技場。
少しの期待と大きな不安を感じながらの柏戦。
結果は、まさに惨敗。
チームの完成度の差があらわになると、
浦和レッズは何もさせてもらえなかった。
ペトロヴィッチ監督が目指す「自分たちのサッカー」ができないばかりか、
サッカーにさえなっていなかった。
<スターティングメンバー>
------エジ--------
-原口--原---マル---
----柏木----------
--------暢久-------
-宇賀-スピ-永田-峻希-
-------山岸--------
達也の欠場により代役に抜擢されたのは、今季より清水から移籍してきた原。布陣は非常にわかりにくかった。両ウィングはいつもよりも下がり気味だったので、4-2-3-1の布陣だと思うが、「原が自分は1.5列目」と言っている点と、柏木が前で暢久が後ろにいたことから、真ん中は縦に4人並んでいたのかもしれない。
マルシオもサイドというよりは真ん中でプレーすることが多かったので、中央に寄った非常にバランスの悪い布陣だった。
直前のインタビューでペトロヴィッチは柏は4-2-2-2の変わった布陣と分析していたので、それに対応した布陣にしたのだろうか。結果的には失敗。
柏の鋭いカウンターをしかけられたときには、DFラインの前に広大なスペースを空けてしまいバイタルエリアで相手にフリーでシュートを打たれてしまった。
サイドの攻防では、サイドバックが数的不利に追い込まれて、突破されてしまった。
前半23分 宇賀神→野田
後半20分 スピラノビッチ→エスクデロ
後半32分 原一樹→マゾーラ
今回の交代は非常によくなかった。
まず1つめの交代は、2失点直後の懲罰的な交代。
宇賀神のパフォーマンスは、交代しておかしくないほどひどいものであったが、それならば試合が始まる前に気がついてもよかったはず。この時間帯での交代は本人にとっては屈辱的なもので、チームの雰囲気が心配される。
2つ目の交代は、ペトロヴィッチ監督がよくやっているDFを下げてFWを増やすもの。暢久をDFラインに入れて、柏木とマルシオをボランチにする。
昨日のブログでも書いたが、柏木とマルシオというキーマンをゴールから遠ざけてしまうため、攻撃を強化するための交代が逆効果となっている。また、今日は守備の面でも恐れていたことが起きてしまった。3失点目は、守備力のある選手を下げすぎたために、防ぎきれなかったものだろう。
3つ目の交代は、下げるならばエジミウソンだろうと思う。
柏は高い位置からプレッシャーをかけ、ボール保持者に複数で奪いに行く守備を徹底し、奪うと攻守の切り替えがすばやく、鋭いカウンターをしかけてきた。
まさに、浦和レッズが目指してきたサッカーではないか。
チーム内の連携や、一人一人がやるべきことがしっかり決まっていて、連動していた。
そして助っ人外国人が二人ともうまかった。
浦和レッズができていなかったこと。
「運動量がない」→「パスの出しどころがなくボールフォルダーが孤立」→「奪われてカウンター」→「相手にポゼッションされる」→「体力消耗して運動量が落ちる」
そして、柏との決定的な差は、浦和レッズには、「縦へのパス」がほとんどないことだ。
ただ唯一の希望は、原口元気の成長だろう。
最後まであきらめることなく、チームを自分が背負うという気概は昨年まではなかったものだ。
野田や原も、メンタル面では同じように期待できる。
原口、マゾーラ、原、セルヒオはドリブルで中央に切り込む場面が目立った。
真ん中には味方選手がいたので、パスを出してほしい場面もいくつかあったが、ああするしかなかったのだと思う。元気がインタビューで語っているように、柏の守備がよかったのと味方が動かないので、元気自身がDFを2,3人かわさないとチャンスすらできなかったのだろう。自分がゴールしたいというエゴではなく、チームをなんとかしたいという考え方は昨年と違うなあと思う。
マゾーラのしかけ、原口のとびこみから得点が生まれた。このドリブルがうまい選手がそろった状態は、今の浦和のストロングポイントであるので、結果が求められる現在の浦和を救う武器かもしれない。
(ただしこれは個人頼みのサッカーなので別の柱を作ることは急務)
最後に、本日の試合について、ペトロヴィッチ監督は「浦和レッズにふさわしくないサッカーだった」とインタビューをボイコットしたという。
これはあってはならないと思う。
「浦和レッズにふさわしくないサッカーだった」と憤慨するのは、観客の方であって、そのサッカーをしてしまった責任は、監督にあるのだから。
非常に重い敗戦だった。せめて、これがチームがよくなるきっかけになってくれればいいのだが・・・。
ホームでの奮起に期待をこめて。
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