アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

2008/05/12(月)20:53

9人目のノーベル賞受賞者 小柴昌俊名誉教授の講演会

   娘の高校で「小柴昌俊東大名誉教授」を お招きするという。  父兄も可とのことで参加することにした。  全校生徒と一部父兄も参加したので、会場は大勢が入れる近くの三田の大学の校舎である。  800人は入れる、西校舎の階段教室だ。  なんとも綺麗な教室になったものだ。昔の面影はまったくない。ここの教室では私もよく居 眠りしたものだ。さすがにほとんどの座席が埋まる。  では講演の一部を再現してみよう。お時間のある方はお付き合いを。  なにしろノーベル物理学賞受賞者のお話ですぞ    ノーベル物理学賞受賞者 小柴昌俊 「大きいこと 小さいこと」  2008年5月10日(土)10時半~12時三田キャンバス西階段教室  御歳、82歳、杖を使ってちょっと足を引きずっているが、かくしゃくとしている。  僕はね、人間の能力は二つあると思うんだ。  話を聞いたり勉強したりして身に着ける受身の能力、  そしてもうひとつが自分で何をしようという能動的能力  だから  受動能力 × 能動能力 = その人の能力 どっちも必要なんだ。  特に自分で能動的に問いかけることが大事なんだ。  今、国立大学も独立採算でやらなければならなくなったが、産学共同の研究から  遠い、つまり企業にとって魅力のない、文学部や物理学の基礎研究はどんどん  予算を減らされてしまう。本当にこれでいいのか。  このままじゃあ物理を勉強する人がいなくなっちゃう。  だから理科の楽しさを広める財団を作ろうと思ったんだ。  そうしたら皆友人がやめろと口を揃えてと言う。  「今は世界的な低金利だ。何十億という財団が皆、活動資金に困っている。   それを小柴一人で今からはじめようなんて悪いことは言わんからやめとけ」と。   僕も馬鹿じゃない。そんなことは知っている。   最低1億円を集めて、どうすれば科学財団がうまくいくか考えたんだ。   まずはこういうことをやるとき、その人の経歴ややって来たことを僕なら調べる。   そしてその人が信用できるかだ。まあ、これはいまさらやってきたことを変えられ   ないので仕方がない。僕を信じてもらうしかない。   次にお金を集めるとき、僕ならその言いだしっぺがいくら身銭を切って出している    かを見る。   これには困った。研究ばかりやってきたので、お金はまったくない。年金もどんどん   減らされている。女房に聞いてもまったくない。   昔、イスラエルの科学賞を受賞した賞金を預けていたのが、ちょうど500万円   あるのを思い出したんだ。     でも500万円じゃどうしようもない。   (偶然とはあるものだ。奇跡が起きたんだ。)   そうこう悩んでいると、ストックホルムから電話がかかってきたんだ。ノーベル   物理学賞を受賞したと。しかもその賞金が3500万円。   これには喜んだ。合わせて4000万円。   それから身内をくどいて回った。僕の弟の会社から100万円、嫁さんの弟が   医者をやってるので100万円ださせた。   そしていつもお世話になっている浜松ホトニクスの社長に頼みに行った。   そうしたら翌日、銀行口座になんと6000万円が振り込んであった。   1億円を何とか集めることができたが、これを普通預金に預けておいても、年間の    利子はたったの4万円。これでは通信費もでない。    そこで活動費をどうするかだ。    つづきはまた明日書きましょう。  

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