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【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

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2017年08月24日
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【猿のごとく読み、人のごとく考える・その172・165冊目】
・紹介する本
・サノーさん一言コメント
「厚さ6センチ、重さ900グラムの合本に込められた、公害という矛盾」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「人間のエゴを知るには、必読の一冊です。個々の欲求から生じた自分本位の愚行を、裁ける人間などいるのでしょうか」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):こことは別の場所で、この本を紹介したときに「重い、長い、難しい」と評したんだが、今回再読して、その想いは強まった。
ウノーさん(以下ウ):難しい、というのは、読みやすさのことではないんですね。
「公害」という現象巡る要素が、あまりにも多すぎるからなんです。本質に対する理解、現実として起こった出来事から学ぶべきことの事柄が多すぎて、難しいという表現を使わざるを得なくなりました。
サ:公害原論1~3の合本なんだが、どうしてこの長大なテーマの本を無理やり一冊にしたのだろう。
ウ:ウチの本棚で、辞典系を除くとダントツの厚さと重さです。移動中に読んでほしくなかったんですかね。電車で読めないので、驚くほど読了まで時間がかかりました。
サ:内容は、東大で行われた「夜間自主講座」の集約だ。
ウ:つまり、大学のレギュラー講義ではなく、これだけの内容の「原論」が、自主的な集まりでの講座だったわけで、その時点でぶっとんでます。
サ:内容は、もっと、ぶっとんでる。最初は学校の授業でも習う、メジャーな公害に対する研究と考察からだが。
ウ:水俣病や足尾銅山の事件は、教科書にも載っています。でも、この「原論」では、公害の内容だけでなく、そこに至る経緯、発覚したあとの経緯、そして、なにが「矛盾」なのかを突き付けてきます。
サ:イデオロギーや思想、政治、経済、コネクション、資本主義、第一次産業、高度成長と、読後すぐに思い浮かぶ単語だけでも、これだけ複雑怪奇な要素が、込み入った状況で絡み合っている。
ウ:企業のエゴ、役所のエゴ、働く人のエゴ、被害者と被害者と、それを取り巻く人々のエゴ、エゴイズムを学ぶには、とてもよい教材だと思います。
サ:エゴという心象だけで、語られる問題ではない。政治・社会・経済の構造からも、人間の罪と罰がいかなるものかを考察しないと、この「犠牲」からの学びはない。
ウ:うーん、もっとシンプルに考えたいです。自然にないもの、その場にないものを持ち込んで、お金になるから、みんなが潤うからという動機で突き進んでいった結果が「公害」ですよね。
そこで立ち止まって、お金の話はヨコにおいて、まずは10年後、どうなっているのが「正常」なのかを「国」が軸となって皆で考える、それだけで、解消に向かうし、実際に現在は「過去」となっている「公害」がほとんどです。
サ:それは、現在の構造では不可能だと、この本には書かれていると思う。
政府も企業も、そこで働く人も「お金」が指標であり、根拠なんだよ。たしかに、この講座が行われていた頃と比べれば「公害」という名称は響かなくなったが、同様な「問題」が消滅したわけではない。
さらに、国際化によるロジスティクスが、より進化していけば、より大きな規模の「問題」が目覚める。
ウ:そんなに悲観的でない気も、するんですけどね。ただ、環境について、本質を考えるなら、この本は読む必要があります。過去の過ちに学ぶのは、実践だからです。
【了】
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最終更新日  2017年12月09日 15時42分51秒
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