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【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

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2018年02月22日
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カテゴリ:哲学

【猿のごとく読み、人のごとく考える・その354347冊目】

 

・紹介する本 


人間の条件 (ちくま学芸文庫) [ ハンナ・アーレント ]

 

・サノーさん一言コメント

「経済という虚構のシステムを崇拝する人間が辿る道は、退化か。本質に対する問いが、人間の条件を見出す」

【サノーさんおすすめ度★★★★☆】

・ウノーさん一言コメント

「社会は、個々の人々から構成されています。集団としての成り立ちよりも前に、一人ひとりが独立して存在している意味に、気が付くべきです」

【ウノーさんおすすめ度★★★★☆】

 

・サノーさん、ウノーさん読書会

 

サノーさん(以下サ):近代社会における「理念」を考えるとき、この人を避けては通れない。

ウノーさん(以下ウ):アーレントさんは、資本主義経済の在り方と未来を予見し、社会の貰いについて哲学の見地から警鐘を鳴らした人です。

:この本においては、「労働」「仕事」「活動」の三つの観点から、人間が人間として存在する「条件」について規定し、そこに横たわる「矛盾」についての考察を行っている。

:この三つの観点は、日本語にすると同じような意味の単語ですね。

:「労働」は生存活動、生存維持のための活動であり、「仕事」は「非自然性活動」に関連した「製作活動」であり、「活動」は人間の「多様性」に関連した公的空間における言論、政治を含めた諸条件だと規定されている。

:例によって「哲学」特有のカテゴリ分けの難解さが炸裂です。

:だが、この「規定」を念頭に置いて、それぞれの解説を紐解いていくと、そんなに「広大無辺」な話しではない。

:無謀を承知で要約しみますと、「労働」は「必要・必然」の「奴隷化」であり、人間の生命としての必然、必要に屈服していたけど、産業革命以降の「道具」の劇的な進化により、労働からの「苦痛」がなくなり、「必要性」に属しているという「実感」がなくなり、「余暇」という「消費のみ」が行われる行為が台頭したと。

:「仕事」においては、画一的な基準によって「等質化」され、消費社会の形成を助長した。結果、仕事の本質は変容し、「生産物」が市場で交換され、消費されるに過ぎない「価値」となってしまった。

:そして「活動」は「多様性」「他者性」「差異性」において、規定されるべきものだけど、「労働」と「仕事」においての「均一化」により「現れの空間」は「無駄」だとされ、その「価値」について議論すら薄まっていく、といった感じでしょうか。

:それぞれ考察から、アーレントが示唆したのが人間の「動物化」だ。

:経済から派生した「効率化の追求」により、合理的でない「存在」の「無価値化」を心配したんですね。

:まあ、そんな浅い話しでもないんだが、現状、ウチの理解力ではその程度となる。

:でも、そこに挑んでいる、そこに価値を見出している点で「人間の条件」には符号しているのだと思います。

【了】

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最終更新日  2018年02月22日 08時26分14秒
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