2007/08/13(月)12:08
●検見川送信所跡2007夏PART2
PART1では、「検見川無線局」と書いたが、表記は定まっていないようだ(訂正済)。それくらい忘れられた遺構ということかもしれない。
記念碑には「検見川無線局跡」とあったが、ネットでの検索では556件しかなく、「検見川送信所」が13900件。こちらの方がメジャーのようなので、以後「検見川送信所」と記す。
送信所は戦時中は軍事通信として、戦後は放送などを担ってきた。貴重な大正時代の建築物だ。
現在は宅地、遊歩道の間にポツンと立っている。
今回はキャノン一眼レフ30DとRICOHのCaplioGX100をナップサックに入れてきた。フェンス越しにしか撮れないなら、望遠レンズで構え、近くまで寄れたら、CaplioGX100の広角レンズで狙うつもりだった。
フェンス近くから数枚切った後、周りを歩いてみた。敷地の角には市民農園のようなものがある。さらに野球場があって、その前に入り口があった。
取り壊し予定と聞いていたので、ロックアウトしているのかと思いきや、入り口があった。記念碑はなかった。
不法投棄されたゴミが散乱し、草木が鬱蒼としている。このところの長雨の影響で地面はぬかるみ、やや足を取られたが、近くまで行けそうだ。
ただ失敗したのは替えのシューズを持ってこなかったこと。サイクルシューズのビンディングの間に泥がハマっているのが分かる。
ネットで見た写真とは違って見えたが、それはより一層、木が勢いを増しただけだったようだ。
この建物の設計者は大正時代に活躍した氏。建物が歴史的な意味を持つだけでなく、建築物そのものに大きな価値がある。丸みを帯びた角はユニークだ。
記念碑は建物近くにあった。
しかし、無惨にも「検見川無線局跡」と刻まれたプレートは落ち、もう一つに至っては何が書いてあるのかすら分からない。
ここが忘れられた遺構であることを強調しているようだ。
1979年に廃局になったが、ここまで取り壊されなかったのは、この建物自体が頑強だったとも言われる。「東京中央郵便局」「大阪中央郵便局」など逓信省の建築物を数多く設計した吉田哲郎氏によるもの。
建物の窓、ドアの全てには赤い鉄板が打ち込まれている。
近年は歴史的な意義が忘れられ、幽霊スポットとしても知られるようになり、荒らす人間が多かったようだ。
続く
写真は30DとCaplio GX100で撮影。
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