モールスキンとめぐる冒険

2007/10/31(水)00:20

「知る」から「保存」へ~検見川送信所イベント懇親会

近代化遺産・検見川送信所(110)

検見川送信所国際放送77周年記念イベント「ほぼ満月ただの月見@検見川送信所」(10月27日、千葉市花見川区・はなのわ広場、検見川送信所で開催)は講演、嵐の中の見学会を経て、午後5時すぎから懇親会が行われ、18人が参加しました。 傘も役に立たない嵐の中の検見川送信所見学会 自己紹介を兼ねながら、個々の思い、送信所の今後について、さまざまな具体的な意見が飛び出しました。約2時間半に及ぶ内容でした。 参加者は以下の通り。 「検見川送信所を知る会」発起人、町民、区民、市民、元市民、県外の近代建築愛好家、廃墟ファン、建築関係者、近代建築の保存運動をされている県外の市民、産業考古学会関係者、市議、国会議員秘書。掲載許可を取っていないので、公人以外は肩書きといたします。 河童画人さん、まさやんさん提供の酒を飲みながらの熱いトークはシンポジウムというべき内容でした ●専門家「国の指定文化財の要件を満たしている」 専門家の方は行政は発掘の方ばかりに目をやっていて、地上に建っているものを見ようとしない、と指摘。建築家協会の保存担当者は、協会にも、今回の動きについて報告したい、保存を訴える要望書についても会にかけたいとの提案もありました。 産業考古学会関係者からは、送信所は国の施設として作られたもので、国の指定文化財としての要件を満たしていると指摘。学会としても、働きかけたい、と申し出。保存だけでなく、地域住民の声をいかした利活用が大事、という意見があがりました。 ●与野党市議「文化財としての重要性は理解した。市側に訴えていく」 自民党の川村市議は行政の現状について報告。市議会では、地元の声を受け、送信所を地域文化財に指定してほしいと要望していましたが、もっとランクの高い国、県、市の文化財としての価値があり、市側に訴えていきたいと発言。教育委員会トップを現地に案内し、理解を求めたそうです。市民ネットの長谷川弘美市議も「送信所の重要性は理解しました。市側にも訴えていきたい」と発言。 ●吉田鉄郎建築「東京中央郵便局、大阪中央郵便局」をめぐって 建築関係者からは吉田鉄郎建築をめぐる話も出ました。 10月からの郵政三事業民営化によって、東京、大阪の中央郵便局に高層ビル化計画が持ち上がり、東京では超党派の国会議員が取り壊しを反対している、との現状が報告。 仲佐代表は最近、朝日新聞に掲載された安藤忠雄氏による提案記事を紹介。 「都市への思い共有を」安藤忠雄氏、東京に「歴史の回廊」提唱 2007年10月23日11時28分 ――安藤さんは東京、大阪の駅前にある中央郵便局(いずれも設計・吉田鉄郎、東京が1931年、大阪は1939年)の保存も主張する。戦前は「東京駅が明治、丸ビルが大正、東京中央郵便局が昭和を代表する」とされた。旧・丸ビルはすでになく、中央郵便局も姿を消すと……。 大阪中央郵便局(2007年9月撮影) 東京中央郵便局(2007年9月撮影) 「装飾をそぎ落とした近代建築のよさは一般の人にはなかなか理解してもらえないが、なにより、もう80年近くもそこに存在して、景観として定着しているんですよ。よくみれば新表現の追究に込めた当時の建築家の意気込みが伝わってくるはず」(安藤氏発言抜粋) 山中あきこ議員秘書の方も熱心にメモをとっていました。検見川送信所、中央郵便局をめぐる現状については山中議員へ報告していたたげる、ということです。 ●送信所OB「建物の重要性ばかりが着目されるのは違和感」 送信所のOBからは建物の重要性ばかりが着目されているのには違和感を覚える、との声もありました。所員の方々は閉局にあたって、「送信所周辺を地元に還元できるよう公園にしたらどうか」と提案されたそうで、その考えは間違いでなかったと思うと同時に、今になって、という複雑な思いもあるそうです。 ●「保存には寄付が必要」「市民、有志によるDIYも」 地元の年配者 「保存にはお金がかかるところもあり、寄付という考え方をしなければいけない」 県外の方 「草を刈ったり、壁を塗ったりと専門家でなくともできる部分はあるはず。有志で修復もあるだろう」 ●地元町内会「持ち帰って町内に報告したい」 地元町内会連合会長は懇親会には出席されませんでしたが、イベントの終了間際、「私自身、送信所の意義など知らなかった部分はあります。町内も知らない者が多い。持ち帰って、報告したい」と発言。 そのひとつひとつが傾聴に値するものでした。メモを取らなかったので、多少、ニュアンスが違うかもしれませんが、その場合はご指摘くだされば、幸いです。意見は一部抜粋にすぎません。追加コメントでフォローしてくださいませんか。 今回は意見に私見をいれずに紹介しました。最後に一言だけ言わせていただければ、会は「知る」から「保存」へと動き出した、と僕は感じました。 日本初の国際放送77周年記念 「ほぼ満月ただの月見@検見川送信所」 10月27日(土)午後3時~、新検見川駅徒歩2分、はなのわ広場 イベントの様子は11月14日(水)の「ニュースC-master(ニュース・シーマスター)」(月~金曜、夜9時から9時55分)で 約10分間、特集されます。千葉近県の方はぜひ見てください。 「検見川送信所を知る会」では仲間を募っています。入会していただける方はこちらのメールフォームから「入会希望」と明記の上、 お名前(ふりがな): ご住所:〒 電話番号: メールアドレス: をお知らせください。 メールマガジン「検見川送信所J1AA通信」を購読していただける方は以下のURLからお申し込みください。 http://www.mag2.com/m/0000246340.html バックナンバーも読めます。 検見川送信所についてはここで過去記事をまとめています。 日本初の国際放送を行うなど日本の通信に大きな貢献をした近代化遺産・検見川送信所が取り壊しの危機にあります。これを保存、再生できないかを考えるプロジェクトです。 賛同してくださる方は以下のソースを貼り付けてください。 <a href="http://moleskine.air-nifty.com/photos/kemigawamusen/" target="_blank"><img src="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/47/0000060947/20/img2159e7f1zik6zj.jpeg" width="170" height="60" alt="musenhozon.jpg" border="0"></a> 楽天で自転車を探す 去年の日記は? 2006/10/30 レッドシダーで自転車置き場作り(18)~花台

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