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我孫子市男女共同参画条例素案

我孫子市男女共同参画条例素案


 我孫子市は手賀沼と利根川水系の豊かな自然に抱かれ、白樺派の文人たちが愛し、活動の場とした、文化の薫り高いまちとして発展してきました。首都圏の30キロメートル圏内にあるという地理的条件から急速な都市化が進む一方、早くから自主的かつ活発な市民活動が展開され、市と市民の協働によるまちづくりが行われてきました。
 我孫子市は多様な価値観を認め合う社会づくりこそ人権の基本であると考え、平成4年から男女共同参画社会の形成を目指す様々な取り組みを進めてきました。さらに平成13年には千葉県で初めて「男女共同参画都市」を宣言し、積極的に男女共同参画事業を推進してきました。しかし、依然として性別による固定的役割分担意識や、それに基づく社会慣行は根強く、男女平等の達成にはなお一層の努力が必要です。また、少子高齢化をはじめとした社会状況の変化に対応し、豊かで活力ある社会を築くためにも、男女共同参画社会の実現が重要であると考えます。
 人権の世紀と言われる21世紀を迎え、我孫子市は一人ひとりが尊重される男女共同参画の実現に向けて、基本理念を明らかにし、市と市民及び事業者が協働してその取り組みを推進するため、この条例を制定します。

目的
 この条例は、男女共同参画の基本理念を定め、市民の権利並びに役割、市の責務と事業者及び教育に携わる者の役割を明らかにするとともに、市の施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な事項を定め、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。
定義
 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に居住する者及び市内の事業所に通勤し、又は市内の学校に通学する者をいう。
(2) 事業者 市内において営利非営利を問わず事業その他を行う個人、法人及び団体をいう。
(3) 教育に携わる者 学校、地域その他のあらゆる分野において教育活動を行う者をいう。
(4) 男女共同参画 男女が、個人として尊重され、差別的取り扱いを受けることなく、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が等しく政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受けることができ、かつ、ともに責任を担うことをいう。
(5) 積極的格差改善措置 前号に規定する機会に関し男女間に格差が生じている場合に、その格差を改善するため、必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、その機会を積極的に提供することをいう。
基本理念
 男女共同参画は、次の基本理念に基づいて推進するものとする。 
(1) すべての人の人権が尊重され、直接的間接的を問わず性別による差別的取り扱いを受けることなく、家庭、地域、学校、職場その他のあらゆる場においてその個性と能力を発揮する機会が確保される社会を実現すること。
(2) 配偶者間その他の男女間における暴力的行為及び個人の名誉を傷つける行為をなくすこと。 
(3) すべての人が、性別による固定的役割分担や、社会における制度又は慣行に影響されることなく、あらゆる分野における活動を自己の意思により選択でき、かつ責任を対等に分かち合うこと。
(4) すべての人が、社会の対等な構成員として、市の政策又は家庭、地域、学校、職場その他のあらゆる場において方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(5) 家族を構成する男女が、お互いの協力と社会の支援の下に、子育て、家族の介護等の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を果たし、かつ社会的な活動を行うことができること。
(6) 家庭教育、学校教育、社会教育その他のあらゆる教育の場において、個人の尊厳と男女の本質的平等を基本とした教育が行われること。
(7) すべての人が、生涯にわたり健康で豊かな生活を営むことができること、特に、女性は妊娠及び出産のための身体的機能を持つことによりその心身の健康が図られるよう配慮されること。
(8) 男女共同参画社会の実現は、国際社会における取り組みと密接な関係を有していることを考慮すること。
市民の役割
 市民は、直接的間接的を問わず性別による差別的取り扱いを受けることなく、その個性と能力を発揮する権利を有する。
○市民は、お互いの権利を認め合い、家庭、地域、学校、職場その他のあらゆる場において男女共同参画社会の形成に努めるものとする。 
市の責務
 市は、基本理念に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(積極的格差改善措置を含む。以下同じ。)を策定し、総合的かつ計画的に実施するものとする。
○市は、市民及び事業者の模範となるよう、自ら率先して男女共同参画の推進に取り組むものとする。
○市は、男女共同参画推進に関する施策の実施にあたっては、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、市民及び事業者と協働するものとする。
事業者の役割
 事業者は、基本理念について理解を深め、その事業活動において、男女共同参画社会の形成に努めるとともに、職場における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立できる職場環境を整備するよう努めるものとする。
教育に携わる者の役割
 教育に携わる者は、基本理念についての理解を深め、男女共同参画社会の形成の促進に配慮した教育を行うよう努めるものとする。
性別による権利侵害の禁止
 すべての人は、性別による差別的取り扱い及び人権の侵害を行ってはならない。
○すべての人は、家庭、地域、学校、職場その他のあらゆる場において、性的いやがらせその他により、周りの者を不快にさせ、その生活環境及び就業環境を害してはならない。また、性別による権利侵害に対し行動を起こした者に不利益を与えてはならない。
○すべての人は、配偶者間その他の男女間における暴力的行為(身体的、精神的、経済的又は性的な苦痛を与える行為)を行ってはならない。
○すべての人は、前項の暴力的行為に関連して起こる子どもへの同様な行為を行ってはならない。
表現についての留意
 すべての人は、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、暴力的行為、及び性的いやがらせを助長し、又は連想させる表現及び過度の性的な表現を行わないように努めなければならない。
基本計画
 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本的な計画(以下、「基本計画」という。)を策定するものとする。
○市長は、基本計画を策定又は変更するときは、16に規定する我孫子市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民及び事業者の意見を反映するよう努めるものとする。
○ 市長は、基本計画を策定又は変更したときは、これを公表するものとする。
○ 市長は、毎年、基本計画の推進状況について報告書を作成し、公表するものとする。
基本的施策
 市は、男女共同参画を推進するため、次に掲げる施策を行うものとする。
(1) 施策の立案及び決定の場における男女共同参画を推進するため、性別にかかわりなく、その能力を開発し、及び発揮する機会を確保するよう積極的格差改善措置を講ずるとともに、審議会等の委員の構成に関し、男女比格差の改善に努めること。
(2) 雇用の場における男女共同参画を推進するため、事業者に対し、必要な情報の提供その他の支援に努めるとともに、必要があると認めるときは、雇用の分野における男女共同参画の推進に関
する取り組みの状況についての報告を求め、助言すること。
(3) 農業、自営の商工業等における男女共同参画を推進するため、情報及び学習機会の提供その他の必要な支援に努めること。
(4) 家族を構成する男女が、相互に協力し、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動と職場、地域その他の社会的活動を両立することができるよう必要な支援に努めること。
(5) 市民及び事業者の男女共同参画への理解を深めるため、家庭、学校、地域その他のあらゆる教育の場において、人材育成等必要な措置を講ずること。
(6) 男女共同参画に関する活動を行う団体に対し、必要な情報の提供その他の支援に努めるとともに、それらの団体との連携および協働に努めること。
推進体制の整備
 市は、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整えるものとする。
広報・啓発活動
 市は、男女共同参画推進に必要な調査・研究並びに情報の収集及び整理を行う。
○市は、男女共同参画に関する市民および事業者の理解を深めるため、積極的に広報・啓発活動を行う。
○市は、市民及び事業者が、男女共同参画に関心を持ち、理解を深めるため、毎年6月を男女共同参画月間とする。
苦情への対応
 市民及び事業者は、市が実施する男女共同参画に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に対する苦情(以下「苦情」という)を市長に申し出ることができる。
○前項の申出があったときは、市長は適切な対応に努めるものとする。
○市長は、必要があると認めたときは、前項の申出について16に定める男女共同参画審議会の意見を聴くことができる。
相談への対応
 市民及び事業者は、性別による差別的な取り扱い、配偶者等男女間の暴力その他の男女共同参画の推進を阻害する要因にかかわる相談(以下「相談」という)を、市長に申し出ることができる。
○前項の申出があったときは、市長は関係機関と協力して、適切な対応を図るものとする。
男女共同参画審議会
 市は、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、我孫子市男女共同参画審議会(以下「審議会」という)を置く。
○審議会は、市長の諮問に応じ、次の事項に関して調査審議する。
(1) 基本計画の策定および推進に関すること。
(2) 男女共同参画の推進に関する重要事項に関すること。
(3) 苦情処理に関すること。
○審議会は、必要に応じて市長に意見や希望を述べることができる。
○審議会は、学識経験者及び市民のうちから市長が委嘱する委員15人以内で組織し、男女の委員がおおむね同数となるよう努めるものとする。
○ 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
○ 委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
○前条項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
委任
 この条例に定めるもののほか、この条例に関し必要な事項は、規則で定める。
付則
1.この条例は、平成18年7月1日から施行する。
2.この条例の施行の際現に策定されている計画であって、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するためのものは、10の規定により策定された基本計画とみなす。



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