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今年の三月、あるクラスの最後の授業の時でした。
「先生、三年生は担任を持ってよ~。」 って、何人かの生徒が言い出しました。 「そうね~、先生も持ちたいけど、子どもの送迎があって朝遅れてきているからね~。」 って言うと、 「じゃ、旦那さんに送迎してもらったら?」 ってまた別の生徒が言い出しました。 そう、ここで 「そうやね~。」 って、普通に返答するはずの私が、何故かこの日だけはその言葉がでてきませんでした。 夫が亡くなってから出会った今の生徒たちは、私の夫が亡くなったことを知りません。 別に隠すつもりもないのですが、特に話すこともないかと思い、それまでは夫の話になっても適当に答えてきていました。 だからこの日も「そうやね~。」ですんだはずだったのですが・・・。 「実はね・・・ちょっとびっくりするかもしれないよ・・・先生の夫はね、亡くなりました。病気でね。38歳だったの。みんなに出会うちょうど三ヶ月くらい前のことだったの・・・。」 やはり教室の空気が変わりました。 そして、何人かの女の子たちが泣き出してしまいました。 「先生、何で笑ってるの。何でこの一年ずっと笑顔で授業してきたの?」 泣きながらそんなことを言ってきました。 「う~ん、顔で笑って心で泣いているんだよ!!」 なんて、笑顔で言いました。 「何で何で、先生・・・。」 そんな感じで泣き出してしまう女の子たちがいっぱいになってしまいました。 「大きな悲しみを抱えていても、笑顔で楽しい授業をしている先生がすごすぎる」って、後でそんな手紙をもらいました。 その日の授業では、私は私なりに「命」の大切さについて話をしました。 感極まって私も泣いてしまったのですが・・・。 夫が、どんなに生きるために頑張ったかということ。 生きたくても生きられない人たちがいるということ。 急がなくても必ず「死」はくるのだから、自ら命を落としてはいけないこと。 どれだけ苦しいことに出会っても、必ず出口はあるということ。 そんなことを話しました。 話しながらいつも自分に言い聞かせているんですけどね。 夫がなくなったということは、そのクラスにしか話さなかったのですが、不思議とどの子も他のクラスの子たちには話していないみたいです。 子どもの感性ってすごいって思います。 私が夫の話をしただけで、彼女たちの中で何かを感じ、涙を流してくれたということ・・・。 その涙は、「かわいそう」というものとはちょっと違うものでした。 「かわいそう」とか「信じられない」っていうありきたりな感覚とは違うところの感性で感じてくれた生徒たち・・・。 純粋なそしてすごい感性だって思います。 まだまだ、人間すてたものじゃないって思って、頑張って教壇に立って行きたいなって思ったその日だったのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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