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久恒啓一

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「週末はギャラリーめぐり」(ちくま新書)を読んだ。サラリーマン人生をこなしながら、30年間にわって毎週末の画廊めぐりとアート蒐集を趣味として続け、1300点のアートを持つにいたった山本冬彦さん30代、40代、50代という長い年月を、脇目もふらず一つのことに没頭した人生の達人の書だ。 
毎週土曜日には、雨の日も風の日も朝10時から夕方までの画廊巡りを続けたその蓄積が、控えめながらこの書全体にわたって滲み出ている。「観るアート」から「買うアート」へ。美術品購入の基礎知識、美術品の価格、展示・保存。画廊巡りの楽しみ方。サラリーマンコレクターとしての人生、個人美術館への道。芸術家とりまく厳しい現状と支援の方法。そういった知識と作法が具体的にやさしく書かれており、素人にはなかなかうかがい知れないこの世界へ誘ってくれる。この本を読むと、私たちと同時代を生きる作家たちへの支援という著者の高い志に感銘を受ける。、60歳の還暦を迎えるにあたっての記念として書いた本である安価なアート作品をボーナス毎に一点づつ買っていくと5年で10点となり、自宅が個人美術館になるそうだ。そしてコレクションという行為は実は編集であり、創造的な行為であるとのことであり、独自の目が重要である。そういったコレクターの目は、その作品を買うか買わないかという真剣勝負で磨かれていく。だから画廊巡りでは、どれを家に持ち帰ろうかという気持ちで見ることが大切だそうだ。の財産ともいうべき才能たちが多くいる。サラリーマンコレクターとして30年という年月を過ごしてきた著者には、本物を見分ける目と作家たちを見まもる暖かい心が備わっている。そのことが一貫したスタイルで書き綴ることができるというレベルの高い文章を読む中でわかる。私自身ここ5年ほど続けて300館に到達しつつある「人物記念館の旅」の参考になることも多かった。美術界はここに楽しむ側に立つ一人の貴重な解説者を得たようである。またこの本は、サラリーマン生き方の一つの優れたモデルを提示したという意味で、この著者を発掘した企画の勝利でもある。





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Last updated  2009/09/21 05:11:32 AM
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