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田中光顕「最後の志士が語る 維新風雲回顧録」(河出文庫)を読了。


この本の冒頭に司馬遼太郎が「歴史の証言」というタイトルで短い文章を書いている。
幕末には長州の高杉晋作、その後は土佐の中岡慎太郎、維新後は長州系の傍役として数々の要職についたと書き「いわば典型的な二流志士」であるとした。それゆえに西郷、木戸、大久保、坂本など一流の志士とはべつな視点を持ったとしている。

この本自体は、語り下ろしのような筆致で維新までの動乱を事件と人物をたどりながらの体験談という形になっている。尊王攘夷という思想的な話題はなく、もっぱら事件史である。
この本の中で興味深かったのは、高杉晋作、坂本龍馬などの英雄の実像とその人物の活写である。

最も心酔していた高杉に関する言葉。

「兵に臨んでまどわず、機をみて動き、奇をもって人に勝つものは、高杉東行、これまた西の一奇才」と後に陸援隊を率いた中岡慎太郎が語っている。
「孫子に、大将厳を先とすとある、、」と高杉は奇兵隊を率いた考えを述べている。
高杉は王陽明全集を読んでおり、王陽明の詩を田中に紹介した。  

  「四十余年、舜夢の中。而今、酔眼、始めて朦朧。知らず、日はすでに亭午を過ぎしを 起って高楼に向かって、暁鐘を鐘く」

「およそ英雄というものは、変なき時は、非人乞食となってかくれ、変ある時に及んで、竜のごとくに振舞わねばならない」
「男子というものは、困ったということは、決していうものじゃないい。、、、平生はむろん、死地に入り難局に処しても、困ったという一言だけは断じていうなかれ」と堅くいましめられたそうだ。田中の孫の田中光孝が「やかましくいわれたことに「困った」という言葉を決して使ってはならない、ということがありあす」とも書いているから、座右の心構えであったのだろう。

木戸孝允の「世の中は桜の下の相撲かな」という言葉も含蓄がある。

桜の下の相撲では、勝ったものには花が見えない。仰向けに倒れたものは花をみることができる。
国事に奔走したものはこの倒れたものなのだということだろうか。

85歳の光顕は「幸いいして生きながらえている私どもの事業としては、国家の犠牲となって倒れたこれら殉難志士の流風余韻を顕揚することにつとめねば相成らぬと深く考えている」と書いて終わっている。
昭和43年(1968年)の日付で孫によれば、田中は志士たちの遺墨、遺品、写真などを収集し、各命日にはその遺墨を出して香をたき、冥福を祈っている。それらが散逸しないように、高知の佐川文庫、大洗の常陽明治記念館、東京都北多摩郡桜ヶ丘の多摩聖蹟記念館に寄贈したのである。

「二流の志士、そして最後の志士」の視点と人生観が興味深い。

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学部長日誌「志塾の風」140414 | 編集

「現代の志塾・多摩大」。現2年生全員の「私の志」の一覧は圧巻です。
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Last updated  2014/04/15 06:01:17 AM
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