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2013/01/14(月)21:05

小学館・集英社杯 第38回小学生将棋名人戦 静岡県予選 その2

将棋(静岡)(59)

小学生将棋名人戦:日本将棋連盟 静岡県将棋情報  この将棋は準決勝の将棋で▲T君、△S君の一局。 序盤~中盤早指しで棋譜を書き取れない部分もあったので、もしかしたら手順や局面が多少前後したりして不正確な部分があるかもしれません。  将棋の内容は先手の石田流三間飛車に後手が居飛車穴熊。先手が7筋歩交換から十字飛車の筋で後手の3四の歩をかすめとった、という展開です。 先手がほぼ無条件に一歩得しているので先手ペースの局面。 ここで実戦は先手は▲7六銀と出てさらなる歩得を目指しました。 しかし8筋の歩は居飛車側にとっては「突き捨てるつもり」の歩でもありますし、銀の動きで何手もかけて取りに行くのは損得微妙です。 どうせ取りに行くなら A ▲6八角(▲5九角)から▲7七桂として▲8五飛のぶっつけ狙い B ▲9六歩から▲9七桂でAと同じ狙い こういう指し方の方が良かったかもしれません。 実戦は銀で取りに行ったので戻るにも時間がかかった関係で後手の穴熊の陣形の進展を許してしまいます。 戦いが始まって△7五銀とぶつけられた所。すぐに▲同銀、ももちろんある所ですが、ここで▲5五角がさばきの一手。対して△9二飛では飛のさばきが無くなるので後手は△6四歩ですが、ここの歩を突かせればこの先7五の銀がいなくなった時に▲6四角と歩を取りながらさばいたり、▲6四歩と歩を取りながらと金作りを目指す事ができます。 実戦は△6四歩に対して▲3六飛と飛を1つ引いて銀にひもをつけました。 ただここでは他に▲7五銀△同歩▲6四歩(▲6四角もある)△8五飛▲7七桂という調子で指すのもありました。 ▲3六飛以下△7六銀▲同飛△8五飛▲8六歩と進行。 図の▲8六歩では▲7七桂もあったところ。 実戦はここから△7五歩としたので▲3六飛△8三飛▲6四角と進んで後手の飛がさばけない格好になりました。 という事で△7五歩では△6五飛とするのが有力。対して▲6六銀には (1)△5五飛▲同銀△4五歩(変化図) (2)(1)より前に△7五歩を一本入れる という手段もあったように思いました。 ↓変化図↓ 変化図は後手からすると△3二金が浮いているので飛を渡すのは怖い格好。しかし実戦の順は飛が自陣に戻されて目標になってしまったので、こういう順で勝負するのはあった気がします。また後手は△3一歩と底歩が打てる点、3三の角を成り込んで馬にして自陣にひきつける、という指し方もできる点はメリットでしょう。 図はだいぶ進んで終盤戦。ここでは持ち駒やと金の存在などもあって先手が優勢。 先手の飛が死んでいますがここで実は絶好の一手がありました。 ここで▲6四馬なら飛取りと5五の香取りで先手がさらに大きくリードできたでしょう。 ▲6四馬には△5六香ですが▲8二馬としておけば▲5六歩と香を取る手、飛を打ち込んで攻める手、と金攻め、と先手は指したいが多く優勢でした。 実戦は▲6四馬を逃して▲7三と△4二飛▲5一銀△5六香▲4二銀成△同金と進行。 これは先ほどの▲6四馬の順に比べて後手に銀を渡し、先手のと金がソッポに行き、3二の金が浮き駒でなくなった、と後手が大きく得をしています。 まだ先手が劣勢とは言えないでしょうが、リードしているとも言いづらい局面になってしまったと言えるでしょう。 さらに進んで今▲2六香△同銀▲同歩と進んだ所。 ここで△2七香!と打ち込めば先手玉は非常に危険な格好になって後手が優勢でした。 対して▲同銀は△4九飛成なので▲同玉が普通ですが、△3五桂▲2八玉△2七銀(変化図)は後手玉が何枚渡しても詰まない鉄壁穴熊なのに対して先手玉は後手の攻め駒が迫ってきていて下手をすれば寄り筋です。 ↓変化図↓ 最初の△2七香に▲3九玉と逃げる手もあって簡単ではないですが、どの変化になっても玉の安全度の違いが大きくなりそうでした。  実戦は△3五桂として次に△2七香狙いでしたが▲3六銀打と玉頭を補強するのが当然ながら粘り強い手で後手がチャンスを逃した格好になりました。 少し進んで図の△4六歩の局面。ここでは再び先手がはっきり良くなっている場面。 ここで平凡に▲4六同歩とか▲4六同金なら先手良かったと思います。 例えば▲4六同歩には△4八歩が嫌味ですが、以下▲同金△3九銀▲5八金寄(変化図) ↓変化図↓ 変化図は怖い格好にも見えますが▲2七玉型を生かした受けで、▲6一飛の自陣への利き、▲7四馬の利きが案外良く利いています。また▲3六歩として懐を広げる手も残っています。  実戦は図の△4六歩に▲2五香だったので△3四銀▲4一との後の△4五馬とここに馬を引かれるのがちょっと痛い。先手は金気がないので馬取りの先手の合い駒ができません。 この展開になると今度は▲2七玉と上ずってる格好が裏目になっています。 さらに進んで先手玉玉頭付近で戦いになっている場面。先ほど△4五馬を許した関係でかなりうるさい事になっていますがまだ形勢自体は難しい感じでしょうか。先手がよく頑張っていて後手の手駒が少ないのであるいは先手がまだ少しリードしているのかもしれません。  ここで▲4六金としてとにかく玉頭の危機を緩和するのが有力。以下△同銀▲同歩△7二馬▲6八飛成が展開の一例ですが、これは先が長くてごちゃごちゃした将棋になります。  実戦は▲4六歩と玉頭補強しなかったので△3六銀▲同歩△同馬▲2八玉△4九竜から先手玉は寄り筋になってしまいました。  T君としてはリードしている時間が長かっただけに残念でした。 ちなみにT君は椅子の上でも正座して指していたはずです。 決勝の内容は明日以降書きます。

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