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2006.05.28
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カテゴリ:ビジネス
ヒット商品応援団日記No67(毎週2回更新)  2006.5.28.

”古池や蛙飛び込む水の音”は松尾芭蕉の俳句である。蕉風確立の画期をなした一句と言われているが、一方駄作という評価もある句である。いずれにせよ池を包む静けさを強く想像させる句である。そして、わずか五七五、17文字の謎を秘めた小宇宙の世界である。
さて、豊かさによる個人化の進行は、”チョットだけよ”が日常の単位となった。ここ数年前から「個食」は「小食」になり、多くのものが小分けされたり、量り売りになったことは周知の通りである。この代表例が「一人鍋」であり、今やコンビニの定番商品にまでなった。食ばかりでなく、ファッションにおいても周辺小物、アクセサリーなどがコーディネーションの必須アイテムとしてどの専門店でも充実されるようになった。旅行で言うと、飛鳥IIの世界一周クルーズのような約3ヶ月で360~1800万といった豪華な船旅も人気となっているが、散歩ブームのように小さな旅が更に日常化されるであろう。若い世代風に言えば、プチ整形、プチダイエット、プチ断食、プチ修行といった「大人」になるためのプチ体験ブームはこれからも続くであろう。
ところで「小」は小さな発見、小さな驚き、小さな喜びである。それは「小」のもつ世界をどれだけ想像的にできるか否かにかかっている。全てを物理的に小さくすれば良いという訳ではない。このブログでも繰り返し書いてきたが、物語消費の時代であり、どれだけ想像的な物語として伝え、感じてもらえるかにかかっている。料理であれ、ファッションであれ、住まいづくりであれ、特徴という意味を際立たせる創作者、演出家、ある場合は役者を演じなければならない。たった一言、たった一つのアクセント、たった一つのアイディア・工夫、たった一つの出来事をどれだけ大切に意味あるものにできるかである。そして、この時代全ての単位が変わったと認識しなければならない。モノという物理的な単位を小さくすることだけではなく、時間も、人も、テーマについてもである。健康というテーマもより小さなテーマに細分化されてきている。例えば、健康→成人病予防→血液サラサラ→・・・といった具合である。こうしたていねいなメニューづくりをしているのが、何回か取り上げた「野の葡萄」である。また、「小」売りの原点を一歩先歩んでいるのがやはりセブンイレブンである。多くのところで取り上げられており、ここでは割愛するが、鈴木敏文さんというある意味ではセブンイレブンの創業経営者の手腕もさることながら、小さなことへの判断が行き交う現場主義に経営の基盤を置いているからであろう。
全てが「小」になっていくこととは、「小」情報が至る所で発信され、情報洪水状態にあると認識しなければならない。一時期明石市の「根性だいこん」が話題になった。道路のアスファルトの割れ目にけなげに芽を出していたあのだいこんである。こうした出来事は初めてでなおかつ「だいこん」であったから話題になった訳で、以降全国各地で同様の根性だいこんが現れることによって物語は終了した。情報というのは鮮度が命であり、次から次へと変化させていく宿命にある。「小」さな話題を常に店頭化させていく小売業においては、モノの小売りの前に、情報の小売り業たらねばならない。そのとき重要なことは、顧客興味が何処にあるかである。「根性だいこん」を理屈っぽく言えば、「生命力、そのけなげさ」であり、「癒し」につながるテーマと理解すればよいのだ。このように話題となった事象を定期的に集め、分析し、顧客興味の動向を見極めて、物語のメッセージとすればよい。
私は研修会や勉強会の最後には必ず「小」に関する話をして締めくくりとしている。その一つであるが、ある老舗旅館の話である。ホテルであれ、旅館であれ、お客様がチェックアウトされる時、必ずお見送りをする。そして、宿泊のお礼と共に”またのお越しを”と言葉を添えるのが普通である。その旅館では”今年の桜はいかがでしたか!”そして、”秋にはまた素敵な紅葉がご覧いただけます。またのお越しを”という一言があった。つまり、桜への満足感を紅葉へと、想像を働かせ期待感へとつなげる「たった一言」を言える旅館であった。若い世代がプチ体験を積むのも、「次」への想像を働かせるためであると理解しなければならない。単なる「お試し」の延長線上ではない。チョット消費はチョット体験を通じ、「次」を想像させるものでなくてはならない。敢て、冒頭で松尾芭蕉の句を持ち出したのも、「チョットだけ」という小体験を小宇宙へと広げる物語創造が重要であることを伝えたかったからである。(続く)

追記 -1 昨年11月20日以前のブログをご覧いただく場合は下記のアドレスにアクセスください。http://remodelnet.cocolog-nifty.com/remodelnet/






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Last updated  2006.05.28 14:49:23
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