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2006.06.04
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カテゴリ:ビジネス
ヒット商品応援団日記No69(毎週2回更新)  2006.6.4.

臨界点とはそもそも物理学用語であったが、私が知る限り異なる世界に使われるようになったのはサブカルチャーの人達が「オタク」の臨界点とか「美少女ゲーム」の臨界点のような使い方をしていたと記憶している。つまり、従来脱社会的な存在で海面下にあったオタクが、突如として海面上、社会の表舞台へと出てくるようになった、その飽和点、異なるフェーズ(相)へと進んでしまうその一点を臨界点と名付けたと思う。約1ヶ月程前に「アキバ系」について触れ、”どこに行ったのオタクさん”と書いたが、真性オタク、元祖オタクとは異なる「観光オタク」が今アキバに集まっている状況こそ、臨界点に達したと考えている。
今回、この臨界点というテーマを書こうと思ったのは、サブカルチャーにおける臨界点ではなく、多くのヒット商品・ヒット業態が抱えるテーマ、順調に伸びていく商品がある時突如として売り上げがぴたっと止まり後退していく現象、臨界点現象についてである。特に、情報消費商品であるファッションや食などは成長へのスピードが早いと同時に後退もまた急激に起る。私達誰もが経験してきた代表例はなんといってもユニクロだと思う。SPAという、しかも中国生産という画期的な仕組みで登場し、顧客の圧倒的な支持を得て急成長し、ある時パタッと止まったことは記憶に新しい。その時顧客にとってユニクロのフリースを着ることは誰もが着ていて「恥ずかしい」ものになっていたのである。ユニクロにとっては工業製品であるフリースは、顧客にとってはファッションであったのである。売れたのは、品質の高い安価な工業製品ではなく、ユニセックスファッションとしてのフリースが売れたのである。誰もが同じフリースを着ていることに気恥ずかしさを感じた時が臨界点であった。その後青山にデザイン研究所をつくり、ジーンズなどに生かしてきたのもこうした背景からだと思う。つまり、臨界点を超えた最大理由は、顧客は「違い」を求めるフェーズへと向かっていたということである。そうした状況を指して、個性時代と呼んできた訳である。ユニクロと同じように、セレクトショップの旗頭であるビームスもマス市場化を前にして出店をストップさせ市場を限定したことも「違い」を残す方法の一つであった。
市場が臨界点に達することはファッションばかりでなく、食の分野でも同様である。特定のフードチェーンビジネスについてはコメントしないが、マス生産された工業製品としての食から手作り感のある「違い」のある食へと変化してきている。中華の紅虎餃子からスタートした際コーポレーションは今や京料理の豆寅まで数多くのブランドショップを有している。例えば、1業態で100店舗100億というビジネスではなく、10業態10店舗100億という飲食ビジネスへと変化させてきている。こうした動きも全て臨界点を意識した経営である。アパレルファッションではワールドが代表企業であろう。
メーカーであれ、専門店であれ、ビジネスは「継続」である。継続できるか否かが最大の経営判断の時代を迎えている。「違い」を求める顧客市場にあって継続利用を促すものは何か、ということである。1つは、全てを「小」単位に限定し、その特定市場の中だけでビジネスをしていく考え方である。成長という視点に立てば、ワールドや際コーポレーションのように「小」単位を複数組み合わせていく経営と言える。もう一つは、ブランディングである。顧客の利用継続という期待値、未来期待値をどれだけ創造できるかである。ブランドという固有な物語を創れるかが経営の最大課題となる。今、日本茶飲料市場において熾烈な競争が行われている。周知のサントリーVSキリンVS伊藤園という三つ巴の戦いである。このブログでも取り上げた伊右衛門は物語創造というブランド戦略によって、従来の日本茶飲料市場とは別個に新たな市場創造を果たした。結果として、市場それ自体を大きくした点について特筆すべきことだと私は書いた。一方のキリンも伊藤園も広告CMを見ても分かるように「日本茶葉」「鮮度」というモノよりのコンセプトというポジションをとっている。私は、サントリーが打つであろう次の一手に注目している。それは伊右衛門物語をどう発展させブランドにまで高めていくかである。ウーロン茶のトップブランドであるサントリーが黒烏龍茶を出したことは花王のヘルシアを意識した「次の一手」であるが、「文化物語」強化戦略を新商品導入というかたちで伊右衛門がとるのか、また別個に社会的ニュースになるような文化物語を創造するのか注目したい。敢て、簡略化して言うならば、「文化」物語VS「モノ鮮度」物語の戦いである。(続く)

追記 -1 昨年11月20日以前のブログをご覧いただく場合は下記のアドレスにアクセスください。http://remodelnet.cocolog-nifty.com/remodelnet/





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Last updated  2006.06.04 14:33:01
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くーる31@ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
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