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2011.08.21
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カテゴリ:ビジネスブログ
ヒット商品応援団日記No516(毎週更新)   2011.8.21.随分前に、プロと素人との境目が無くなり、その違いを顧客に見極めてもらうことの難しさについてブログに書いたことがあった。この境目、国境を越えることを可能にしたのは情報であるが、例えばネット上にある膨大な情報の整理とガイド、それに基づく道具とテストトライという経験さえあればプロに近づくことは可能である。誰も指摘はしてはいないが、プロと素人の境いを、製造現場での科学や技術を研究開発することによって、あるクオリティを越えた成長業種が今日のファスト業態である。私が住む街の駅高架下に出店した飲食店の一つに「大戸屋」がある。創業は東京池袋の大衆食堂であるが、私の大好きな飲食店の一つである。先日、ベテランと思われるホールスタッフに、以前あったメニュー「豆腐ハンバーグ」が何故なくなったのか聞いたことがあった。その時、そのスタッフは豆腐ハンバーグが無くなった理由は分からないと答えていたが、創業当時からのメニューで今なお残っているのは鳥の唐揚げ定食を含めわずか3メニューであると答えてくれた。そこまでちゃんと答えてくれる「確かさ」を評価するのだが、大衆食堂というプロフェッショナルの仕事の在り方に少しの危うさを感じる。ファストフードとは、その言葉に表現されているように提供する「スピード」だけではない。その奥にあるプロとしての料理をいかに早く安く提供する(=結果としてのマス販売)経営業態である。私が指摘したいのは、早さの前の「大衆性」である。地方に旅すると分かるが、主要な駅前の食堂には和洋中100種類以上のメニューがある。まずい食堂もあるが、それでもその土地ならではの、メニューに巡り会うこともある。4月から上映されている「津軽百年食堂」ではないが、受け継がれる「何か」に巡り会う。受け継がれていく「何か」、それらを含め私たちは老舗と呼んできたが、食堂であれば大衆性、毎日食べても食べ飽きないプロの技のことである。実は日本ほど老舗企業が今なお活動している国はない。創業200年以上の老舗企業ではだんとつ日本が1位で約3000社、2位がドイツで約800社、3位はオランドの約200社、米国は4位でわずか14社しかない。何故、日本だけが今なお生き残り活動しえているのであろうか。出口の見えない失われた20年と言われてきたが、グローバリズムの波、激烈な価格競争、そうした市場に生き残るためのヒントがここにある。以前、世界で最古の会社である金剛組について書いたことがあった。創業1400年以上、聖徳太子の招聘で朝鮮半島の百済から来た3人の工匠の一人が創業したと言われ、日本書紀にも書かれている宮大工の会社である。何故、1400年以上も生き残ってきたのかである。その金剛組であるが、最大の危機は明治維新で、廃仏毀釈の嵐が全国に吹き荒れ、寺社仏閣からの仕事依頼が激減した時だと言われている。明治政府が行った神仏分離令であるが、その意図を超えて廃仏運動へと全国へと広がり、有名な話では国宝に指定されている興福寺の五重塔が売りに出され薪にされようとしたほどの混乱であった。更に試練は以降も続き、リーマンショック以降の大不況と同じように米国発の昭和恐慌の頃、仕事はほとんど無く、三十七代目はご先祖様に申し訳ないと割腹自殺を遂げている。何がそこまで駆り立てるのか、守り、継承させていくものは何か、老舗に学ぶ点はそこにある。今風に言えば、ブランド価値とは何か、プロフェッショナルとは何かということにもつながっている。その金剛組の仕事であるが、宮大工という仕事はその出来上がった外形面からはできの善し悪しは分からない。200年後、300年後に建物を解体した時、初めてその技がわかるというものだ。見えない技、これが伝統と言えるのかも知れないが、見えないものであることを信じられる社会・風土、顧客が日本にあればこそ、世界最古の会社の存続を可能にしたと思う。しかし、今日の情況はと言えば、「見える化」というキーワードが流行るように、膨大な情報のなかで、これでもかとパフォーマンスを高めることに注力しなければならない時代となっている。物やサービスの評価の前に情報競争に勝たなければ先に進むことが出来ないからだ。いまどき「見えない力」などビジネスとして通用しない思われるかもしれない。しかし、今回の大震災の被災実態について専門的研究が進んでいる。そのなかに西暦869年の貞観津波との比較研究で、当時の大津波の浸水ラインには多くの神社があり、今回の大震災の津波にもほとんど被災していないという。勿論、今回の震災も神様が救ってくれたとは言わないが、過去・歴史という見えない世界、自然への畏れを先人達がその危うさを神社を通じて伝えようとしたことを自覚しなければならない。つまり、過去、歴史のなかに未来があるということだ。ところで、その見える化、つまり今まで分かりやすくするために、何を見てきたのであろうかと疑念が湧いてくる。ここ数年見える化の中心はビジュアル化であった。しかし、3.11以降今までの「見える化」の底の浅さを誰もが実感する。被災地に出かけた友人と会った折、岩手三陸海岸の被災地陸前高田を訪れた感想を聞いたが、複数の友人は一様に「ひどすぎる」とひとこと言ったまま、後は沈黙のみであった。言葉にならない、報道などの映像で分かったつもりでいた自分に戻り、本来あるべき感じ取る本能・五感を取り戻すことへと向かったということであろう。その衝撃の大きさ故、言葉にならないのだ。よく「こだわり」と言うが、宮大工の世界まではいかなくても、「見えない」世界に執着することだ。その執着を私たちは修行と呼んできた。例えば、料理で言えば、基本の出汁は言うまでもないが、隠し味、隠し包丁、見えない工夫に執着することこそこだわりであろう。ファッションであれば、外面デザインだけでなく、素材や縫製更には裏地やボタン一つということになる。今、プロは価格の波に洗われ苦境に立たされている。その理由は人の手をかけることによるコストアップであるが、価格は顧客が決めるのが原則であろう。過去そうであったからという理由で価格を決めてはならない。見えない世界を五感で見る顧客を今一度探し発見することだ。そして、私の好きな大戸屋で言えば、ファストフード業態にあって、創業時の「大衆食堂」の本質である「お腹いっぱい、しかも安く」は伝承されてはいるが、今は見えなくなってしまった「何か」、多様なメニュー揃えもその一つであるが、見えない損を承知で行うことを今一度取り戻すことだ。実は、日本人は忘れているが、世界が注目するクールジャパンの魅力はこの見えない世界にある。(続く)





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Last updated  2011.08.21 10:53:50
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