2006/11/12(日)18:36
正倉院展
今年の正倉院展は、目玉がショボイと聞いて、あまり期待はしていなかった。
国立博物館の前は長蛇の列・・
一時間半と聞いたものの、帰るのもね・・と待って40分くらいで中に入ることができた。
一時間半はちょっと読みすぎよ、係員さん(^^;)
いつものように、音声ガイドを借りて会場へ入る。
中も外も・・毎年おなじみのすごい人☆
ガラスケースの周りに人人人(^^;)
何がこんなに人々を惹き付けるのか・・
シルクロードのロマンかはたまた古代への憧れか・・
今年の正倉院展・・私のベスト1は、「国家珍宝帳」
国家珍宝帳
長い長い巻物が全部開かれた状態で展示されるのは初めてのこと。
およそ15メートル弱の巻物がガラスケースに長々と開かれている。
国家珍宝帳は、聖武天皇の遺品を光明皇后が東大寺に納めたときのリスト。
聖武天皇の遺愛の品とか身の回りの品、武具武器など、600点を越える宝物がずらりと並んでいる。
でも、実際はその後の戦の度に借り出されて戻ってきていない武具武器もあって、4分の一ほどしか残っていないだそう。
厚い和紙に「天皇御璽」の朱印が全面に渡ってずらりと押され、その上に小さな墨の濃い文字が一糸乱れず並んでいる。
後ろの人がパソコンで書いたみたいだなぁ~とつぶやいていた。それくらい正確な大きさ、正確な楷書。
今展示されている宝物の名前は、ここにこうして記されているから、今の時代に名前が伝わっている。
でも使用形態はわからないので、たぶんこうして使われていたんだろう・・と想像するしかないものもあるようだ。
延々と続く刀や弓の羅列の下には、すべてにわたって、その大きさが何尺何寸と細かく記されていた。
ところどころ、紙が貼ってあって、「除物」という文字が見える。
きっとなくなってしまったものなんだろう・・と想像する(しかない)
国家珍宝帳の最後の部分に、人が立ち止まって動かない。
移動してください・・の係員の言葉も馬耳東風。
何があるんだろう?と興味津々で覗き込めば、そこだけ墨の色も字体も違う文字で、「仲麻呂」「永手」と記された文字が見えた。
「従二位・・・仲麻呂」「従三位・・永手」
おぉ~、歴史上の人物の登場♪藤原仲麻呂だよ☆恵美押勝。
1250年前、光明皇后、孝謙天皇の信任を得て、後に恵美押勝の名を頂く仲麻呂が、この文書を前にその手で書名したのだろう・・
隣に並ぶ藤原永手・・恵美押勝の乱に当たって彼を滅ぼし、正一位まで上り詰め藤原北家の繁栄の元になった人。
私は国家珍宝帳☆だったけど、周りの行った人に聞くと、やっぱりよかった☆という人が多いのは、「紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)」
ばちるという手法で作られた装飾用の物差しってとこらしい。
紅牙撥鏤尺
あと、「緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりのじゅうにきょくちょうはい)」
緑瑠璃十二曲長坏
やっぱり、色合いのきれいなものが目を惹くし、記憶に残るみたい。
今年の正倉院展がショボイって言われるのは、そういう点で、去年の碁盤碁石や一昨年の琵琶、鏡のようにすごい☆と思われるものが少ないからなんだろう。