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仕事のできる人は時間の使い方が上手だ、とはよく言われることです。また、仕事上手は段取り上手とも言われます。どうやら、仕事ができる人とは計画的に行動する計画上手な人、ということになりそうです。
新規の仕事に取りかかる時、新しい月や週に入る時、1日の始まりの時、殆どの人が業務推進計画、月間計画、週間計画、一日の活動計画を作っていますが、その内容はまちまちのようです。 実施項目をリストアップしたもの、リストアップした項目ごとに実行期間に線引きして工程表風にまとめたもの、カレンダー状に作った枠の中に当日の実施項目を書き込んだもの、一日を幾つかに分割して各分割枠に一項目を割り当てたもの、等々です。 業務の内容や計画期間の長さによって最適の計画フォームは違って きますから、どれが良くてどれが悪いかは一概には断定できませんが、実行可能な計画作りを考えるならば、時間を予約するという考え方から外れる訳にはいかないでしょう。 時間を予約する、即ち時間予約とは、航空便の座席やホテルの部屋を予約するのと同じ考え方で、何月何日の何時から何時までの何時間は何の仕事をすると明示することです。 航空便やホテルの予約では、ダブルブッキングは全体に許されません。仕事の実行においても本当は同じことが言えるはずです。人間は一時に複数の作業をこなすことはできないからです。 しかし、仕事の実行計画を作るに当っては、これが結構おろそかに されているようです。期限は示されているが何時実行するかが明確でない、一日の中にあるいは一週間の中に実施項目が数多く挙げられているが何時実行するかが明確でない、といったことが多いのです。 こうした計画のもとでは、その仕事が本当に計画通りに完了するのかどうか、第三者には判りません。いや、当人にも判っていないことも多いのです。実行してみて、全部はできなかったということも少なくありません。 こうしたことの理由や原因は時間予約の不備にあります。時間予約をしていないから完了の可能性が読めないのです。時間予約をしていないから時間のダブルブッキングが発生し、できない作業が発生するのです。 仕事のできる人、時間の使い方が上手な人、段取り上手と言われる人、こういう人たちは時間予約の考え方が身に付いている人たちだと言うことができます。 時間予約を実行するには、作業に必要な時間が或程度の精度をもって読めるレベルまで業務分解をすることが欠かせません。業務分解の結果挙がってきた作業項目の一つ一つに所要時間を見積り、これに基づいて何月何日の何時から何時まで何の作業をするのかを予約するのです。 こうすることによって、要求されている期限までに完了させるための方法や手段が見えてくるようになり、計画の実現性は高まるのです。 6~7年前のことですが、或企業でISO9001の認証取得を目指して目標達成運動のお手伝いをしたことがあります。その活動の主体である各部門のチームメンバーたちは、審査機関の要求する作業や文書作成の膨大さにうんざりしている状態でした。 この状態が持続すれば、審査当日までに必要な作業を完了することができないであろうことは容易に読み取ることができました。活動の推進管理担当のマネジャーとの間で議論を交わし、この状態から脱却するための方法を探りました。 時間予約を徹底しようというのが結論でした。何度も繰り返して業務分解と時間予約の有効性を説いてまわり、その実行指導を行いました。 当初、チームメンバーたちは、仕方がないという雰囲気でこれを実行していました。 ところが、業務分解と時間予約に基づく計画が明確になってくるに従い、メンバーたちの意欲が高まってきたのです。時間予約の徹底により不足している人員や時間の問題が明確になり、明示された問題に対してはマネジャーたちが解決策を一所懸命検討することができたためです。 こうして自信を得たチームメンバーたちはこの難題に取組み、見事に予定された期限までに認証取得を勝ち取ったのです。事後に数人のメンバーとマネジャーに感想を聞かせてもらいましたが、その全員が「時間予約」の威力を痛感したことを第一に上げていました。 「時間予約」とか「業務分解」といったことは目立たない地味な 行動ですが、極めて大きな力を発揮します。日々の努力を通して、 こうした風土と体質を組織に定着させることに、辛抱強く取組むことが勝てる組織を作ることにつながってくるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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