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2005年09月09日
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カテゴリ:伝統文化
数寄屋大工の第一人者、中村外二工務店の二代目・中村義明棟梁のお話をうかがう機会を得ました。数寄屋造といえばお茶室ですが、中村さんは裏千家や伊勢神宮のお茶室から、ジョン・レノンやロックフェラーといった世界的セレブの住宅建築まで、幅広い実績があります。気むずかしい職人さんかと思いきや、非常に気さくで話の上手な方でした。もちろん、内容も刺激に富んで面白かったです。以下は、伺ったお話の抜粋です。

「よく書院造と数寄屋造の違いを聞かれます。この問いに対して、書院造はアールデコで、数寄屋造はアールヌーボーだと答えています。書院造は白木に漆喰の壁、畳の大きさに合わせて造られるもので、室町時代に完成した様式です。これに対し、数寄屋造は赤い木や黒い木に土壁と、書院造の緻密な世界を壊す側面を持っています」

「同じように、宮大工と数寄屋大工の違いですが、宮大工が寺社建築を行い、一瞬の隙もなくピシッとつくるのに対して、数寄屋大工は床の間を中心に考え、床の間に掛けるものに合わせてつくります。もっとも、にじり口から入った正面に床の間がある、というのが基本ですが。自動車産業や製造業を見てもわかるように、小さいものに価値を見つけるというのは日本人のよきDNAだと思います」

「僕のオヤジは、例えばお施主さんが5000万円で造ってくれ、というときに、いつも1億円で造りましょう、と倍の予算を言うんです。お施主さんはいつもぎょっとするんですが、オヤジは『あなたの未来を、20年後をつくるんです』と答えていました」

「我々は建材を売っているわけではなくて、空気を売っています。いま、日本の多くの家が完成時をピークに造られていますが、我々の家の場合、出来上がったときの完成度が50%、30%、あるいは10%だと考えています。そこから住まう人が育てることで、100%になるのです」

「禅寺の毎日は、1にも2にも掃除、掃除です。そうやって培われた清潔感が、建物に味わいを増すのです。いくら海外で茶室をつくっても、ほんまもんに見えないのは、結局きちんと毎日掃除をしないからではないかと思うんです。家が出来上がってしばらくしてから、様子を見に行くとき、ふだん掃除をしていなさそうなところを見ます。お施主さんは非常に嫌がりますが、そこがきれいな家というのは、整った家なんだよね。それだけ大切に住んでくれていると思うと、こっちもうれしくなります」

「上品さと力強さって、同居しづらいんですよ。ところが本当の一流は、それを兼ね備えているんです。建築でもそれを実現したいですよね」

「同じ10センチの太さの柱でも、目が細かい木だと細く見えて、目が粗いと太く見えるんです。木にも温度があって、固い木は冷たくて柔らかい木は温かい。ケヤキのような固い木を使った部屋にいると、緊張するんですよ。」

1)「興石」(中村さんの北欧家具・灯具の店)にて
美術館に展示されるような、立派な椅子が無造作と言えるほどに置かれていました。座ってみると自分の体には少し大きいものの、名作といわれる椅子に深く腰掛けたときの座り心地は、さすがにすばらしいものがありました。

中村さん談「家具に興味を持つようになったのは、住宅を建てるときに、中に入るものを勉強してから考えた方が良いものができると考えたからです。 デンマークの家具は1930年代から50年代が黄金時代です。ポール・クリントやフィン・ユールなどがその代表です」

「デンマークの素材で唯一世界に誇れるのが、ペンキです。これは世界のどこにもない。骨材が入っているんです。色は、赤・グレー・黄色・緑の4つ。普通のペンキと違って、濡れた手でさわると、その水分がなかなか乾かない。手触りがしっとりとしています。色も陽気な色と言うより、日本海的な地味な色彩になっています。色とは不思議なもので、お国柄が出るんだよね。日本国内だってそう。高知出身の建築家が出す色は、どんなに暗くしてもどこか明るさをもっているのに、福井出身の建築家が表現する色は、どんなに明るくしてもどこかに暗さを引きずっている」

2)銘木貯蔵倉庫にて
「ここでは木が汚れないように乾かしています。桑は20年、桐は10年乾かさないと、その木の味が出てこない。逆にそれくらい置けば、価値がぐっと上がります」

「大工を育てるときに、How to から入ることが多いけど、本当は素材を知ることが先ではないかと思います。アメリカの木を削るときに、10万円の日本製のかんなよりも、現地のホームセンターで売っている3000円の工具の方がいいということだってあるんです。自然を歩かないと、素材はわからない。素材によって欠点はいろいろありますが、それを理解すれば、どのように工夫すればいいかがわかる。そうすれば、コストを下げることだってできるんです」

3)中村邸にて
数寄屋造りの風通しの良い家。簡素にして素材の良さをひしひしと感じました。
「今の家は、空調や床暖房で湿度が低くなるので、木が割れやすいんですよ。だから、お施主さんに湿度計をプレゼントしたりして、(特に冬は)最低限の30%以上の湿度が確保されるようにしてほしいと言うんです」

「洋間を作るときは、床材にいいものを使った方がいいです。逆に、和室は視線が上に行くので天井にいい素材を使った方がいいです」

「建材は日進月歩ですが、昔の技術・ノウハウを優先します。完成度が高いから。新しい技術を使うときは、コストを下げるときですよね」

****
とりとめなく羅列しましたが、最も印象に残った一言は、
「いくらお金を出しても、いい大工が技術を尽くして頑張っても、いい家になるかどうかは、結局お施主さん次第なんだよね。お施主さんも良い家を造ろうと努力したり、勉強しているかどうか。最近?かなり質は低下しているね。いま、施主は50代より30代の方が面白いよ」

中村外二工務店は「高い」(坪単価700万円!)という評判ですが、いいものになるかどうかはお金ではない! ものづくりの神髄はここにある! 六本木ヒルズに住む人たちにはわかるかな?






最終更新日  2005年09月11日 23時16分01秒
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