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カテゴリ:趣味の木工
もう少しで皮剥ぎも終える段階となった。皮剥ぎをしていると、プロセッサーによる戦車が走った様な跡が丸太に沢山付いていたから、結構時間が掛かる。 話は反れるが、材木の単価は、人件費の合計であるから、どうしても外材が安い。山に生えている立ち木の単価はどの国でも安いものである。だから、賃金の安い外国人が集材して、賃金の安い外国人が乗り込む大型の船で日本まで運ぶと、日本の人件費で伐採集材したモノとでは、てんで競争にならない。 其処で、最近の日本の山は世界の競争に負けないようにと、結構大型化している。例えばワイヤーである。山から山、谷から山と張り、それで材木を吊り出すのだが、昔は1本だけワイヤーを張って集材した。 しかし今は伐採する山の端に1本、その反対の端にも1本のワイヤーを張って、それぞれに滑車を走らせ、その滑車と滑車の間にも3本目のワイヤーを張る。つまり空から見下ろすと英語のHの形に張るのである。これで、昔の直線集材でなく、面の集材が可能となった。 間伐では、切らずに残した木が大切なのに、直線による集材では、ワイヤーよりかなり横の間伐材を無理矢理に持ち上げるから、残った木を痛める事が多かった。それが、このH形のワイヤーにより、真上からの持ち上げが可能になったのだ。 また、ワイヤーを張る作業も、最初の細い紐を張るにはラジコン飛行機を利用して張り、段々と太いモノに変えて行くそうで、これも大きく人件費の節約をしている。 そしてHの形にワイヤーが張られると、山では木だけを伐採て枝を付けたまま、土場に運ぶ。つまり昔は木を伐採すると、その場で枝打ちをして、玉切り(必要な長さに切る作業、これらの作業は斜面だから、結構な重労働となる)をして、それからワイヤーで吊って出したのだが、今はHに張っているから、枝が付いたまま運ぶのである。つまり山の斜面での枝打ち、玉切り作業が無くなったのだ。 山仕事は危険で、伐採そのものも当然危険だが、枝打ち玉切りも結構危ない。つまり現場が斜面だから、倒れた木の大きな枝を切った瞬間に木が下に滑る場合も発生する。そしたら、まだ切ってない枝に人が巻き込まれる可能性もあるし、玉切りも同じように危険なのである。 そして今は土場に来ると、今度は凄い機械がある。プロセッサーと言うもので、街での建設現場で良く見る、あの大型パワーシャベルである。あのシャベルの部分を取り除いて、お化けのように巨大な蟹の爪の様な機械を取り付け、それがつり出した材木を掴むと、爪の中で丸太を横に走らせ、枝をカットしながら、幹を必要な長さに玉切りをして行くのである。アッという間に大きな木も終わってしまう。 そして横に待機しているトラックに積めば、良いのである。だから4メーターの丸太を600円で販売できるのである。 だけどこの機械のお陰で、安く買った丸太の殆どが、このプロセッサーによる枝打ちで、チエンか何かの力で掴んだまま幹を横に走らせるから、材木に戦車が走ったような跡が付くのである。当然チエンの当る所の皮はズタズタに切れているが、問題は材木の中に5ミリぐらいまで傷が付いているのだ。 製材する場合は、背板は捨てるから、この傷は全く問題は無いのだが、ログハウスにするには、木の表面が見えるのである。つまり材木に戦車が走った跡のような傷は、傷の無い綺麗な所まで、鎌で木の表面を削らねば成らない。この作業に少々時間が掛かったと言うのが本音であった。 昨年もログハウス用の屋根材集めに、製材所に行き、檜の皮を剥いで貯めたのだが、このプロセッサーで集材された太い丸太は、戦車が走ったような所は屋根素材として、皮は取れなかったのを思い出した。
上の写真のように77本の皮むき作業を終えた。 白い部分は鎌で削った所です。この傷がプロセッサーによる木を横に移動させる時に付く傷です。 傷を完全に鎌で削ってしまった木です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.23 13:09:51
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