土佐一人新聞

　私は歳なのに、まあ健康維持の為、ピアノを遣っている。もうピアノを始めて１０年にも成るが、余り弾けない。

　そして時々だが、何かの機会に、人前でピアノを弾く時もある。先日も在るレストランで弾いたが、後で女房が「どうして乙女の祈りを弾かない？あの曲なら誰もが知って居る名曲なのに、」と言った。

　私は、人前で弾く場合は、「クシコスポスト」か「ハンガリー舞曲５番」を弾く。その方が優しくて無難だからです。

　毎日の練習を、女房は隣の居間で聞いているから、私が「乙女の祈り」を弾けると思っていたようだ。

　実は楽譜を見ながら弾いているのであり、人前で突然弾く場合は、楽譜は無いから暗譜で弾ける曲しか弾けないのです。女房は隣の部屋で聞いているから、私が暗譜で弾いていると思っていたそうだ。

　其処で、最近は「乙女の祈り」を暗譜で弾ける様に練習回数を２回に増やした。だけど歳を取ると、特に記憶力が低下するのか、非常に難しい。

　幾ら弾いても、直ぐに忘れるのです。今「乙女の祈り」の中頃まで、暗譜で弾ける様には成ったが、調子が悪いと、直ぐに忘れて、弾けなくなる。

　何処まで記憶力が減退するのだろうか？辛いものだ。弾ける曲でも、毎日１回は弾いて記憶を呼び戻さないと、直ぐに弾けなくなる。

　若い頃に弾ける様に成った曲は、数年弾かなくても、一寸練習すれば思い出すそうだが、歳を取ると、そうでは無いようだ。