ぎっちょの『ひとりたわむれ』

2015/03/14(土)17:54

再浮上のため完治をめざせ!

大相撲(112)

大相撲春場所、好調だった人気力士・遠藤が足の負傷で残念な休場となった。 初土俵から幕内に上がるまでの勢いもあって期待も大きかった分、このところの停滞を歯がゆい思いでご覧になっていたファンの方も多いだろうが、負け越しはしたものの先場所あたりから浮上の兆しが見えかけていただけに、今場所の大活躍を予感させた矢先の負傷は本人はもとより、我々好角家にとっても拍子抜けの結果となってしまった。それも【全治2ヶ月】の重傷とあっては、幕内下位に番付を下げる夏場所の出場も危うく、そこで全休となれば十両陥落も免れない。 その人気もあって、無理をしてでも夏場所に出てくる可能性もあるが、ワタシは十両陥落を覚悟してでも敢えてケガの完治につとめるべきだと考える。というのも、最近は番付を下げてもケガを完治させてから再起して、驚異的なペースで戻してくる例もあるからだ。 現在幕内上位で活躍する栃ノ心は、遠藤と同じヒザの故障で全休を繰り返し幕下まで下がりながら、完治して土俵に復帰してからはほとんど負けずに一気に番付を元の位置まで戻したばかりか、故障前より安定感が増した感もあって、今や上位を窺う一角を担っている。新十両場所での負傷が癒えず序ノ口にまで下がっていた竜電も、番付外に落ちないように一番だけ本場所で取るという雌伏の時を乗り越え、復帰後3場所連続全勝で十両復帰も望める位置に戻ってきている。 対照的に、無理を押して出たばかりに大成を阻まれた代表格なのが、昨年引退した琴欧洲だろう。大関昇進間もなくヒザを痛め、休場を要するほどの重傷でありながら無理して庇いながら出続けたことで、それまで見せていた懐の深さを存分に活かした伸びやかな相撲が影を潜め、見るからに窮屈そうなこじんまりとした取り口となって、優勝わずか1回、その地位を守るのに窮するような大関に成り下がってしまった。あの時、本人がどう言おうと大関を陥落しようと親方が強い意思をもって休ませて完治につとめていたら、朝青龍があそこまで独走するような展開にはならなかったハズだ。白鵬の優勝回数だって、記録更新はいずれにせよ間違いないものだったとしても、その実現はもう少し先の話になっていたのではないだろうか。 琴欧洲の二の舞を防ぐためにも、追手風親方と遠藤にはしがらみを捨ててじっくりと養生する“英断”を求めたい。その復活とともに拝めるハズの大銀杏姿に加えて、かねてから噂されている伝統のシコ名【清水川】襲名も楽しみにしているぞ。 ぎっちょ

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