クルバージック。
昔、昔、その昔。それはまだ。義兄1号が赤ちゃんだった50年くらい、昔。当時、村には医者、などという大層なシロモノはいなくって。村人の病気・雷・火事・親父には全部まとめてマジナイ師や祈祷師が大活躍していたそうだ。ある日。義兄1号ベベッキの様子がおかしくなった。落ちくぼんだ目を ぎらぎらさせながらさかんに、舌をぺろぺろさせている、という。近所の人達もこれは、何か悪いモノにでも憑かれたんじゃないか、なんて言ったもんだから。お義母さん大パニックに陥った!慌てて、近所のマジナイ師のばあさんのトコロへ駆け込むとばあさん、一目見て「これはクルバージック(かえる病)だね」と言い放った。先に種を明かしてしまえば。実はこれ。今でいうところの「脱水症」なのだが。当時のマジナイ師がそんな事知るワケもなくwwばあさんは早速クルバージックの治療にとりかかった。クルバージックの治療とは。大泉門あたりの髪の毛を刈ってそこをカミソリで切って悪い血をだす!(ひえええええ!)というもの。今のお母さんが聞いたら赤ん坊の大泉門を切りつけるなんて卒倒しそうな話だけど。無知、というものは恐ろしいものでwwばあさん、かみそり構えてそりゃ!と赤ちゃんの頭を切りつけたそうだ。頭からはぷしゅーーーー!!と勢いよく血が飛び散ってそこにまたたまねぎのペーストのようなモノを塗りたくって。「これで治りますよ」と泣き叫ぶ赤ん坊を←そりゃあ、そうだwwぽい、と返してよこした。しかし。当然、そんな事では脱水症が治るワケがない。仕方なく。お義母さん達は隣町のマジナイ師のところへ見せに行く事になった。ここのマジナイ師のばあさんも「クルバージックだね」と同じ診断をくだしたそうだがww今度は「クルバージックにはクルバー(カエル)が効くから」と言われたそうで。かくして。義兄1号べべっき。頭に1匹。みぞおちに1匹。腰に1匹。両手に1匹ずつ。の、カエルを結びつけられて寝かされる事になったww治療に使うカエルは家族で手分けして追いかけ回して捕まえたそうだから。当時の治療法ってのもまったくもって手がかかる…。…てか、気持ちわり~~~!!っての!!ナマでもさもさ動き回るカエルをあっちこっちに結びつけられてwwはっきり言ってこれは拷問でしょ(爆)1~2日後にカエル共は死んじゃったわけだけど。さあ、カエルが悪い病気を吸い取って死んだからこれで、赤ん坊は良くなるでしょう!って。皆、期待して待ってた。が。義兄1号ベベッキ一向に回復の見込みなく。いや。そんなトコに結ばれたら普通のカエルだったら死ぬでしょwwやっぱwwほとほと困り果てた義母たち。今度はちょっと評判の高い少し遠い村にいるマジナイ師のところまで出かけて行ったそうだ。しかし。腕がいい!と評判のこのマジナイ師も。やっぱり「クルバージック」の診断を下した(爆)ただし。この赤ん坊はお尻から、クルバージックになってるねえ、と。←何のこっちゃ???腰のあたりに何だか、怪しげなぺーストを塗りつけてその上に大量の水を飲ませたそうだ。偶然だったのか。それとも、知ってたのか。とにかく、大量に水を飲ませてもらえたお陰で義兄1号ベベッキあっ!という間に完治。あそこのマジナイ師は本当に腕がいい、と。義母一同、皆が感心したそうな。「クルバージック」が脱水症だ、と義母が知ったのは。義兄4号が同じ病気になった時。その頃には遅ればせながら。隣町に診療所ができていて。そこの医者の診断によりわかったのだ、という。今では「クルバージック」なんて名前自体も聞かなくなっちゃったけどね~。と。義母は笑って話してたけどww全然笑えないこの話。いや。実際。間違った治療(といえるのか?)で死ぬ赤ん坊も多かったそうだからww今も昔もトルコってサバイバルだったのね~…と思っちゃったひつじ飼いどしたww本日もお付き合いいただいてありがとうございます♪昔のトルコに居なくてよかった~…と思ったひつじ飼いに応援のぽちっ!よろしくお願いしま~す♪にほんブログ村にほんブログ村