あたしの趣味は手紙です
結婚する前、あたしはおばさんたちの善き話し相手だった。結婚してる人たちって、よく一方的に話すことが尽きなく、よくもまあ長時間、話し続けられるものだなあと思った。それも、言ってもどうしようもないことを、くどくどと。友達がおばさんになったからなのか、あたしは、彼女の聞き役専門係になった。あたしは元気さえあれば、全てを受け入れる人。けど、毒を浴び過ぎて、途中で故障してしまった。ごめん、もう、むり。何年間かして、あたしは元気を取り戻した。今度は手紙でやりとりするようになった。携帯でもなく、メールでもなく、手紙か・・。ワードとプリンターがあれば、あたしは手紙作家になれる人。さらに気持ちを込めたければ、手書きで絵葉書の裏に短いコメントも入れたらいい。 ◇ ◇ ◇マスター、お久しぶりです。お元気でしたか?また来てしまいました。ここ、喫茶店。BGMはいつものヒーリングミュージック~癒しの音楽。この空間に浸ると、気持ちをいったん解放できるんです。さて、また、やるかなって。今日で、今月の大きな山場だった試験が終わり、久々に図書館へぶらぶら歩いてみました。モクレンや桜の花を眺めながら。今、アカスリしてきました。韓国で買ってきたアカスリは、さっと、なでても垢がどんどん出てくれます。9年前、母とサウナに行きました。背中をアカスリしてもらいましたが、こすってもこすっても垢が止らない、「キリがない」と母はあきれて途中でやめました。そういえば、一年くらい海外に行ったり来たりしていて、垢をこすっていなかったのです。いや、その前も、垢をこすっていなかった。子供の時は、母がアカスリをしてくれました。大人になってからアカスリを忘れていました。あまり出なかったのです。自分に垢はないのだと多分思い込んでいました。が、そんなはずはなかったのにね。アカスリを本格的に始めたのは、母に「キリがない」と言われた時以降だったのだと思います。私は、その後、食改善をしました。同時に体質改善をしたのですね、今思うと。主食を白米から玄米にして、油とフライパン料理を完璧にやめました。砂糖を入れた煮物もやめました。科学調味料も全くやめて、塩・醤油・味噌のみ。家で食べる場合は。乳製品を完全にやめてから、垢がどんどん出るようになった気がしてます。垢を出すこと。これが、私のストレス解消なんです。それと、掃除。整理整頓。お部屋を整える。アイロンがけなど。福岡に嫁に行った同級生が手紙をくれました。最初にあたしが出したんです。彼女は、あたしのことが大好きで、こんなに長距離なのに、電話がひっきりなしでした。彼女、マイナス発言ばかりで、「助けてくれー」私は悲鳴をあげました。「電話ウツになりました」と彼女に言い、しばらく彼女は、あたしを解放してくれました。実は、あたしが、その昔、心が大変だったとき、彼女が毎日話し相手になってくれていました。彼女と毎日、電話で話すことによって、私の精神はバランスを保っていました。今、きくと、彼女が言うには、「その時、ウツだったんだと思う自分」だそうです。彼女が、今回手紙で、「電話で聞き役になってくれたこと、助けられた。感謝してる」と書いてよこしてきました。そう!電話だと、すぐ、マイナス発言を即座に行うけど、電話というツールがなくなると、「筆不精だから、なかなか返事書けなくて・・」になるのです。つまり、マイナスの言霊を発しない。・・これはいい!と思いました。これからは、彼女と手紙で深くつきあおうかと。そんな私は、最近携帯を持ち始めました。仕事で必要になったので、8年ぶりに持つこととなったのですが。ソフトバンクのホワイトプランに加入しました。説得トークで、夫の携帯も同じに変えてもらいました。で、この一週間、携帯で夫とだけ話しています。(楽しい)夫は絶対マイナス発言をしない人。私も意識的にマイナス発言は夫の前ではしない人です。彼女の手紙を読んで、あたしって、これまで、人に相談したり、弱さを見せることは、ほとんどしないできた人だなあと、自分のこれまでを振りかえりました。最近、父母レターで、親に弱さを披露しています。けど、その後、必ず「回復したよ」「話せたおかげだよ」「ありがとう」という立ち直りを報告し、結果、親を喜ばせているかもしれません。(弱さを見せることも話題、ネタのひとつ)最近知り合った同僚Mさんの趣味が「手紙」だというのです。仕事に関係なく、一ヶ月に50通書いているそうです。いつも便箋や、変わった切手を持ち歩いているんだよと見せてくれました。「50通といっても、月に切手4,000円くらいのもんだから」だって。すっごいなあ!ほんとに人間好きってな人で、愛情豊かな人なのです。私はMさんを真似たいと思っています。私はせいぜい、葉書50枚かなあ。(月に2,500円かあ・・ふうん)手紙、葉書にお金を使うことは、きっと善いことですね。書く言葉に、プラスの言葉をどんどん書いていく。脳にプラスの思いをどんどん刻んでいく。電話で、福岡の彼女の聞き役になるより、善なる言葉を十日に一度書いていったら・・。彼女とは、もっと深い友達になれると思う。彼女とは、故郷も同じで、先祖さんの代から、先祖さん同士の付き合いがあったのだろうと思える人なんだ。それより、もっと、以前の、前世とかいう時代の古い付き合いの人なんだと思う。私は、彼女に大きく救われてるし、彼女にとってもあたしはかけがいのない存在と思う。彼女は高校の時の同級生で。一度、友達何人かと一緒に、あたしの家に遊びにきたことがあるという。そういえば、そんなこともあったのかあな?まったく、その頃は印象にない人で。喫茶店で、何人かの女の子たちと一緒にあんみつを食べたことがある。それが、彼女の唯一の記憶。あたしは、高校3年間、とってもつまらなかった。けど、彼女と、以後、再会して交流を持っていくうちに、あの3年間は、彼女と出会うための環境だったかと思うと、「つまらなかった」が「感謝」に変わっていった。あたしは、彼女にたいして尽くせもしなかったのに、彼女は、たいそう、あたしを慕ってくれた。信頼し続けてくれた。感謝の言葉をいつもくれた。マスター、とめどもなくしゃべってしまって・・。だまって聞いててくれてありがとう。あたし、彼女が、ご主人と上手くやっていけるように、彼女を手紙で励まし続ける。十日に一度の手紙、父母レターも、もう4ヶ月も続いている。父母レターにプラス、彼女への手紙も、やってみようかな。彼女は、あたしにとって、親友代表だから。あたし・・どんどん成長していきそうだ。(終) ◇◇◇「脳内革命」(著・春山茂雄)抜粋記事◇◇◇(p72~74)心が科学でとらえられるようになった・・人間にはすぐれた自然治癒力があり、その中心になっているのが免疫機構であることはずっと昔から知られてきました。しかし以前は心と免疫力はぜんぜん別なものと思われていた。それが実は一体のものであったということです。このことは「ものをいい方向に考えることじたいが効き目のある薬」と理解していただければいい。人間はだれでもその体内に、どんな製薬会社にも負けないだけの、それはそれは立派な製薬工場をもっているのです。心がプラス発想すれば、体内製薬工場では瞬時に体のためになる薬がつくり出される。その薬によって、私たちは病気を治すことができるのです。しかし一つ間違ってマイナス発想してしまうと、体内製薬工場は体にわるい薬をつくり出す。始終イライラ怒ってばかりいる人間に「あなた、そんなに怒っていたら体に毒ですよ」とはいってくれない。忠実な召使いのように、ノルアドレナリンやアドレナリンを出し続ける。その結果、ご主人様がガンになろうと肝臓をだめにしようと「知ったことではない」というのが体のメカニズムです。ただ誤解のないようにしていただきたいのは、ノルアドレナリンやアドレナリンはけっして悪者ではない。人間の体の中で発生するものは、必ずそれなりの目的、必然性というものをもっています。ノルアドレナリンやアドレナリンはドーパミンの親戚で人間のやる気や活力の源でもあるのです。ただ体の中で、こんなに毒がなぜできるのか、と思われるほど毒性が強い。その毒性は蛇毒に匹敵する猛毒で、いつもイライラするような世界に入ってばかりいると長生きできないばかりか、人生がけっしてうまく運ばないのです。脳内モルヒネが見つかって、イギリスの科学雑誌『ネイチャー』にはじめて掲載されたのが1983年。いままでわからなかった心というものの正体が、科学の目でとらえられるようになったのは、大きな進歩ではないでしょうか。たとえば人間には根性のある人とない人がいる。なぜそうなのか。これまでは精神論で叱咤激励するしかなかったのが、これからはもっと合理的に脳内モルヒネを出す方法を考えればよいということにもなるのです。//////////