2015/05/29(金)09:48
夕月すずしき
明け方に 不如帰の声を耳に致しました。
仄明るい空気の中 彼の鳥の柔らかな声を耳にしまして
ほんの一瞬 息を詰めておりました。
確かにその他の鳥の声も耳にするのですが 不如帰の声は柔らかですね。
他の鳥の声は甲高く 鋭い印象を受けるのですが
不如帰の声は何処かまろやかで柔らかで そう、山鳩のように優しい声。
だから 心に響きます。
佐々木信綱によります「夏は来ぬ」。
大好きな歌のひとつでもあります。
清しい空気までもその歌詞の中に閉じこめたようで
口ずさむたびに 水無月の風が心を吹き抜けます。
楝散る 川辺の宿の
門遠く 水鶏声して
夕月すずしき 夏は来ぬ