ひよきちわーるど

2015/03/22(日)00:32

着物語り

着物(22)

着物の展示会には必ず娘を伴っていく。 美しく佳いものを自分の眼で確かめてほしいからであり そしてまた、呉服屋さんから直接 着物についての様々なことを教えて頂くためである。 先日伺った展示会では藤井寛さんの着物を見せて頂いた。 こちらとしては見せて頂くだけ・・・と思っていたのだけれど 呉服屋さんに勧められ、娘は藤井さんの着物を羽織らせて頂いた。 そう、実は私自身この方のお着物が大好きで 娘のお嫁入りの際には是非ともこの方のお着物を・・・と考えている。 展示会場をひととおり見て回った娘が目を輝かせて言うのには 「私、さっきのお着物もいいと思ったけど  でも・・・このお部屋の中ではあのお着物が一番いい」と。 ・・・彼女の指さす方には、なるほど 綸子の、それはそれは美しい色合いのお着物。 お店の方に伺うと (いや、こちらはもう本当に遠慮したのだけれど) 「どうぞ、どうぞ」ということでそのお着物を着せて頂くことになってしまった。 その白地の綸子のお着物に 漆黒の宝尽くしの帯。 素人の目にもそのお着物は大層美しく 娘も「わぁ、きれい」と言ってうれしそうである。 ・・・ローンを組めば大丈夫だろうかと思い 恐る恐るお店の方に伺ったらば めめが飛び出るほどのお値段でありまして(笑) いや、その、なんと申しましょうか、 娘よ、誠に申し訳ない。 おうちのローンを抱えているパパとママには ちょっときびしいお値段であった故。 伺うところによりますと そのお着物は千總さんでして このたびの高島屋上品會にて出品なさるお着物だそう。 このたびは購入することはできなかったのだけれど 娘の中には「千總」という名がしっかりとインプットされたようで 「展示会にまた行こうね♪」と楽しみにしているようである。 購入するしないにかかわらず これからも娘と共に様々な展示会に足を運び 本当に佳いものを自分の眼で確かめていこうと考えている。 書物からの知識ではなく ましてや他人様からの受け売りなどではなく 娘には自分の眼で、そして手で、本物に触れていってほしいと思うし そういうものだけが娘の中に残っていくのだと思う。

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