ひよきちわーるど

2016/06/20(月)15:48

そんな思いで (2)

病(80)

明けて5月31日。 この日は腹膜偽粘液腫の検査のため、滋賀の病院に行く日だった。 昨日の神戸での乳癌検査を思い・・変わらず不安はあるものの まずは今日一日、腹膜のことだけ考えようと自分を励ます。 昨日の疲れもあってか ウトウトと電車に揺られること2時間、 ようやく草津総合病院へ。 ・・・神戸もそうだけれど、ここ草津の病院も スタッフの方々が本当に温かい。 私たち患者にとって、どんなに心安らぐことだろう。 採血していただいている間、顔見知りの看護師さんにお会いし 昨日の乳癌検査のことをお伝えする。 私自身、今日は腹膜のことで来院しているはずなのに たくさんの患者さんでごった返している処置室の中で ただでさえお忙しい看護師さんに乳癌検査のことを話してしまい、 「申し訳なかった・・」とあとで自己嫌悪に陥ってしまう。 それでも看護師さんは笑顔で応対してくださり 有り難い気持ちで一杯になる。 自分ではしっかりしなくちゃ!と息巻いてはいても やはり、どこか不安だったのだろう。 いつもお世話になっている看護師さんのお顔を拝見し つい、緊張の糸が緩んでしまった。 採血、MRIとすすみ、午後から診察。 腹水、増えてなければいいなあと願いつつ 万一のことも考えつつ待合室に座っているのは、殊の外辛い。 特に、自分の前の患者さんが診察室から出てこられ 「次は自分だ!」と待ち構える中 なかなか自分の名が呼ばれない時など、不安は一気に増大する。 採血やMRIの読影結果が悪かったのではないか、 所見に何やらたくさん書かれていて 先生がそれをお読みになるのに時間がかかっているのではないか、など 不安を挙げればきりがない。 ・・・この病院には何年もお世話になっているというのに こういうことに未だ慣れることがない。 一体いつになれば 悠然として診察結果を待つことが出来るようになるのだろう、と 自身を情けなく思う中、ようやく名前を呼ばれ診察室へ。 結果、腹水は未だあるもののすごく増えているわけではない。 左側の卵巣に異常を認める。 次の検査は半年後の11月。 診察の折 先生に昨日の乳癌検査のことをお伝えする。 もしも万一乳癌だった場合、治療は神戸でしていただくのか それともここ草津の方がよいのかお訊きしたところ、 神戸の方が自宅に近くてよいでしょうとのこと。 乳癌で抗癌剤治療が必要となった場合でも、どんどんしてください、 かまいません、とのこと。 現在は腹膜関連で草津・京都の病院、 乳癌関連で神戸、そして脳梗塞関連で地元の病院、と いくつかの病院でお世話になっているため、 何かことが起きるたびに情報を共有しなければならない。 抜けがないよう注意しながら 引き続き先生方に様々なご報告を、と思っている。 診察・会計を終え、何の気無しに九州の妹に電話をしたところ 「検査、大丈夫だった?」との妹からの問い。 大丈夫だった旨を伝え、 これまた何の気無しに「そっちはどう?」と訊くと 「うん!今ね、後ろにいるよ!」との答えが。 「は?」と思いつつ「後ろって何の後ろだ?」としばし沈思黙考。 ま、まさか!と思い自分の後ろを振り返ってみたらば 数百キロ彼方、遙か遠く九州にいるはずの妹が 今、私のすぐ後ろでにこにこと手を振っているではないか! 一瞬、時間・空間がギュッと凝縮されたような感覚に襲われ、 「宇宙戦艦ヤマトのワープ」ってこんな感じなのかなと思い(意味不明) 事態を把握できぬままヨタヨタと妹のそばに駆けよる。 心配した妹がわざわざ滋賀県にまで来てくれたそうで 本当に有り難いやら申し訳ないやら・・・・。 そのあと数時間、妹と一緒に病院近くのお店で語らった。

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